2026/09/16

クラリティ法案、中間選挙前の成立は厳しく クリプト市場は反落


米上院は9月15日、「Digital Asset Market Clarity Act(クラリティ法案)」の審議入りに必要な討論終結動議(cloture)を49対50で否決しました。今回の採決は法案そのものの最終採決ではなく、審議入りに進むための手続き採決です。可決には60票が必要でした。

共和党からも複数の反対票が出たほか、民主党から賛成票を得られず、可決に必要な60票には届きませんでした。民主党側は、トランプ大統領や連邦政府高官の暗号資産保有をめぐる利益相反規定が不十分だとして、より厳格な倫理条項を求めています。

筆者としては、この結果によって中間選挙前の成立ハードルは一段と高まったと見ています。法案が正式に廃案となったわけではありませんが、可決に必要な60票を確保するには超党派の合意形成が不可欠です。


今回は共和党からも反対票が出ており、再採決に向けては倫理規定などをめぐる追加修正や調整が必要になる可能性があります。

さらに足元では、原油価格の上昇も暗号資産市場にとって無視できない材料です。WTI原油先物は9月16日時点で1バレル105ドル前後まで上昇し、100ドル台で推移しています。

9月前半は90ドル前後から100ドル台へ急伸しており、9月1日から15日までの終値ベース平均は約96ドルです。なお、EIA原油スポット価格の月間平均では3月91.38ドル、4月100.32ドル、5月102.13ドルでした。現在の100ドル超の水準が続けば、9月平均が春の高値圏に再接近する可能性があります。

エネルギー価格の上昇は、そのままCPI全体を一方向に押し上げるとは限りませんが、ガソリン価格や輸送コストを通じてインフレ圧力を再び強める要因になります。市場が利上げを織り込み直している背景にも、こうした原油高があります。

そのため、金利上昇に弱い株式や暗号資産などのリスク資産は、しばらく上値の重い展開が続く可能性があると見ています。



■ 200日移動平均線方向か

【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤)、90(青)、200(橙)
MACD:12、26、9

BTC/JPY日足

SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード

BTC/JPY日足チャート分析です。

クラリティ法案の手続き採決否決を受け、暗号資産市場は軟調に推移しています。規制面の失望に加え、FOMCを前にした米金利上昇も重石となっています。BTC/JPYは直近安値を割り込み、再びSMA200(橙)方向への調整が意識される局面です。

MACDもゼロライン方向へ低下しており、8月下旬の急反発で形成した上昇分を一部打ち消す動きが続く可能性があります。

また今週はFOMCを控えています。

金利先物市場では0.25%の利上げを9割前後織り込んでおり、エコノミスト予想も足元では利上げ優勢に傾いています。1週間前までは据え置き予想が多数でしたが、原油高とインフレ指標を受けて見方が急速に変化しました。

一般的には政策金利据え置きが株高・暗号資産高を連想させやすいものの、今回は市場が利上げを強く織り込んでいます。据え置きとなった場合でも、「インフレに対して後手に回った」と受け止められて長期金利が上昇すれば、リスク資産が売られる可能性があります。

一方、0.25%の利上げとなれば、インフレ警戒を背景とした金融引き締めです。したがって今回は、政策金利そのものよりも、声明文や会見で示される今後の利上げ回数やインフレ認識が相場を左右しやすいと考えます。イベント前後はボラティリティの上昇に注意したいところです。

筆者は今週から、再び下目線を意識したトレードに切り替えています。



■ SMA200を割り込む

BTC/JPY4時間足

SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード

BTC/JPY4時間足チャート分析です。

SMA200(橙)を割り込んでおり、短期的には下方向へのトレンド転換を警戒したい形です。

MACDはゼロライン付近で推移しており、ここからマイナス圏へ沈む場合は下落モメンタムが強まる可能性があります。現時点では押し目買いを急ぐより、戻りを確認しながら売り場を探る方が筆者のシナリオには合致します。


戻りの目安としては、1190万円付近にSMA30(赤)とSMA200(橙)が重なるため、まずはこの水準をテクニカル上のレジスタンスとして意識します。

週末にかけてSMA90(青)も低下してくれば、1190万~1200万円付近に複数の移動平均線が集まり、戻り売りが意識されやすい価格帯になると考えます。



■ まとめ

  • 9月15日の米上院採決はクラリティ法案の最終採決ではなく、審議入りに必要な討論終結動議。49対50となり、必要な60票に届きませんでした。
  • 共和党内にも反対票があり、民主党からも賛成票を得られなかったため、中間選挙前の成立ハードルは一段と高まっています。
  • WTI原油は105ドル前後まで上昇。原油高が続けばインフレ圧力と追加利上げ観測を通じて、リスク資産の重石となりやすい状況です。
  • FOMCでは0.25%利上げの織り込みが9割前後まで上昇。政策金利の結果以上に、今後の利上げパスやインフレ認識が重要になります。
  • BTC/JPYは日足・4時間足ともに下方向を警戒したい形。1190万~1200万円付近を戻りのレジスタンスとして注視します。



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