2026/10/06

暗号資産週間レポート(2026.9.27~2026.10.3)
BTCは一時87,000ドル突破、イラン情勢と金利で乱高下


【9/27~10/3週のサマリー】

・米現物ビットコインETFは9/30に約1.49億ドルの純流出に転じ、前週の大規模流入から一服
・米長期金利が一時5.34%、2002年4月以来の高水準


【暗号資産市場概況】

9/27~10/3週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+4.14%の13,240,450円、ETH/JPYの週足終値は同+2.59%の422,659円(※終値は10/3の当社現物EOD[10/4 6:59:59]レートMid値)。

今週のビットコイン相場は、「地政学リスク」「インフレ・経済指標」「金利」「需給(ETF・ショートカバー)」という複数の材料が交錯し、83,000~87,000ドルのレンジ内で一進一退となった。

週初、イランが提示した7日間の停戦・協議再開案をトランプ大統領が拒否したことで原油価格が上昇した。これに伴いリスク資産が売られ、ビットコインは一時83,000ドルを割り込んだ。その後、イランのアラグチ外相が「7日間の停戦合意に向け、仲介国カタールの担当者と協議を行った」と報じられると状況は緩和し、83,500ドル付近まで回復した。その夜、米国側でも「トランプ大統領は核問題で具体的な進展があればイラン制裁緩和に前向きである」と報じられ、さらにイランメディアが「米国の制裁緩和を条件にウラン濃縮停止に合意した」と報じたことで、84,500ドル付近まで続伸した。しかし、イラン当局がこの報道を誤報と発表したことを受け、再び83,000ドル付近まで押し戻された。

30日、8月のPCE価格指数(前年比)は予想3.7%に対し結果3.4%と下振れし、第2四半期の実質GDP(確報値、前期比年率)は予想1.5%に対し結果2.2%と上振れた。インフレが落ち着きつつある一方で景気は堅調であることが示唆され、リスク資産が買われてビットコインは一気に85,500ドルを突破した。しかし米株式市場の寄り付き後に急落し、上昇前の水準である83,500ドル付近まで押し戻された。なお、この日はビットコインETFが10営業日ぶりの資金純流出となった。

長期金利は10月1日に、ISM製造業景況指数(9月分)の発表にかけて上昇し、米10年債利回りは一時5.34%と2002年4月以来の高水準をつけた。もっとも、同指数が54.5と予想の55.0を小幅に下回ったことに加え、FRBのジェファーソン副議長が早期利上げに慎重な姿勢を示したことで、利回りは低下に転じた。またフランスの財政懸念から同国国債が売られ、質への逃避(フライト・トゥ・クオリティ)で米国債に資金が流入したとみられることも、利回りへのさらなる下押し圧力となった。

雇用統計発表を控えた2日は、日中に9月30日のPCE等の発表後につけた高値水準である85,500ドルを上抜いたことで1時間に1億2,200万ドル規模のショートポジションの清算(ショートカバー)が発生し、87,000ドル付近まで上昇した。その夜に発表された米9月雇用統計では、失業率が予想4.1%に対し4.2%、非農業部門雇用者数が予想9万人に対し2.9万人、平均時給が予想0.3%に対し0.1%と、いずれも労働市場の軟化を示す内容となった。これを受けて10月の利上げ観測が後退し、ビットコインは87,000ドルを突破した。ただし先々週につけた高値にはわずかに届かず上値の重さが意識され、84,000ドル付近まで押し戻された。

今週は5日に米ISM非製造業景況指数、8日に9月FOMC議事要旨が公表される。10月の利上げ予想が後退するなかで、9月FOMCにおいてFRBが追加利上げにどの程度前向き、あるいは慎重であったか、その温度感が明らかになる点が注目される。また3年債・10年債・30年債の入札も予定されており、応札倍率や最高落札利回りから投資家需要の強弱を読み取れるかが焦点となる。

そのほか、ビットコイン現物ETFは9月30日は一時的に純流出となったものの今週も資金純流入で着地しており、3週連続の流入超過となっている。Strategy社(旧MicroStrategy)も2週連続でビットコインを追加購入していたことが明らかになった。こうした買い圧力が今週も継続するか注目したい。


[BTC/USD 週間チャート(30分足)]

BTC/USD 週間チャート(30分足)

(TradingView提供のチャートにて SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[BTC/JPY 週間チャート(30分足)]

BTC/JPY 週間チャート(30分足)

(TradingView提供のチャートにて SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米BTC現物ETFの資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格]

米BTC現物ETFの資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がBTC価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米ETH現物ETFの資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格]

米ETH現物ETFの資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がETH価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米XRP現物ETFの資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格]

米XRP現物ETFの資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がXRP価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


【9/27~10/3週の主な出来事】

9/27~10/3週の主な出来事


【10/4~10/10週の主な予定】

10/4~10/10週の主な予定


【今週のひとこと】AI時代の決済とオンチェーン金融

金融庁は2026年9月30日、「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」の第1回会合を開催しました。このフォーラムでは、ブロックチェーン技術を活用した金融サービスを、今後の社会インフラとしてどのように使っていくかが議論されています。

ここでいう「オンチェーン金融」とは、決済や金融商品の管理などをブロックチェーン上で行う金融の仕組みを指します。現在の銀行システムや証券決済システムのような既存の金融インフラとは異なり、24時間365日稼働し、国境や時差を越えて価値を移転できる点が特徴です。

背景には、AIの進化があります。今後、AIが人の指示を受けて商品を探し、発注し、支払いまで行うような時代が来る可能性があります。その場合、決済システムも人間の生活時間に合わせたものではなく、常時稼働し、商取引や物流、契約とデータでつながる必要があります。

今回のフォーラムで注目されるのは、検討対象の広さです。ステーブルコイン、トークン化預金、国債などのトークン化、DEX・DeFi、ウォレット提供業者、さらには中央銀行マネーとの接続など、暗号資産そのものに限らない幅広いテーマが含まれています。つまり、ブロックチェーン技術を投資対象としての暗号資産だけでなく、決済、預金、国債、企業活動を支える金融インフラとして活用する方向性が検討されているということです。

この流れは、USDCやRLUSDのようなステーブルコインの普及とも関係します。ステーブルコインは、ブロックチェーン上で移転できるデジタルなお金として、暗号資産市場だけでなく、国際送金や企業間決済にも使われ始めています。一方で、銀行預金をトークン化したものや、中央銀行マネーをブロックチェーン上の決済に接続する仕組みも検討されており、今後はそれぞれの役割分担が重要になります。

ただし、オンチェーン金融が広がれば、すべてが自動的に便利になるわけではありません。システム障害、サイバー攻撃、秘密鍵の管理、誤送金、マネー・ロンダリング対策などの課題もあります。また、AIが金融取引に関与する場合には、誰が責任を負うのか、不正利用をどう防ぐのかといった新しい論点も出てきます。

今回のフォーラムは、日本でもブロックチェーン技術を、決済や金融インフラの中核に組み込んでいく議論が本格化していることを示す重要な動きといえるでしょう。

(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)

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