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「暗号資産のWeb3活用」シリーズでは、SBI VCトレードをご利用の皆さまや、暗号資産の活用に関心のある皆さまに向けて、暗号資産(仮想通貨)を「保有」するだけでなく、積極的に「活用」するための視点をご紹介しています。
前回は、図を用いて暗号資産活用の関係性をご説明しました。今回はその中でも、暗号資産の売買・運用の起点となる「暗号資産交換業者」について、法的背景やサービス内容、SBI VCトレードの具体的な提供機能を中心にご紹介します。
1. 暗号資産交換業者とは?
暗号資産交換業者とは、暗号資産の取り扱いについて、金融庁に正式に登録を受けた事業者のことです。
改正資金決済法(2017年4月1日施行)により、日本国内の居住者を相手に暗号資産取引などを行う者は、金融庁の登録が義務付けられています。金融庁が暗号資産交換業者を登録する際の主要な審査プロセスは下記の通りです。
審査プロセスは厳格で、主要プロセス開始から登録まで概ね6ヶ月程度とされており、2025年6月4日時点で正式に登録されている事業者は28社に限られています(※1)。なお、登録を受けずに暗号資産交換業を営むことは、法律により禁止されています。
また、業界の健全化のため、一般社団法人日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)などの団体による自主規制も行われており、暗号資産交換業者はこうした法令・規制を遵守しながら、暗号資産の安全な流通に対する取り組みを行っています。
2. 暗号資産交換業者の主要なサービス
暗号資産交換業者は、日本の法律(※2)の定めにより、暗号資産の売買・交換や、媒介・取次・代理、利用者の暗号資産を管理するサービスなどを提供できます。
暗号資産の売買・交換とは、いわゆる「販売所」のことです。販売所では、暗号資産交換業者が提示する売買価格で取引ができるため、初心者でもわかりやすいのが特徴です。
媒介・取次・代理とは、いわゆる「取引所」のことです。取引所では、利用者同士が売買注文を出し合い、暗号資産を取引することができます。希望の価格で取引ができる一方で、ある程度の取引知識や仕組みの理解が必要です。
また、これらの現物取引(販売所・取引所)に加えて、レバレッジ取引や暗号資産積立などの取引サービスや、カストディ(保管・管理)業務を行っている暗号資産交換業者も多くあります。
3. SBI VCトレードの主要なサービス
SBI VCトレードは、金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者です。
2025年6月現在、現物取引(販売所・取引所)、レバレッジ取引、貸暗号資産、積立、ステーキング、ウォレットのサービスを提供しているほか、各種ガイドやマーケット情報・コラムの公開、キャンペーンの実施など、お客さまのニーズに応える様々なサービスを提供しています。
現物取引とは、暗号資産を実際に購入したり、保有している暗号資産を売却したりする取引方法です。売却を行うためには、あらかじめ暗号資産を保有している必要があります。また、手元にある資金以上の暗号資産は購入できません。
レバレッジ取引とは、証拠金取引とも言われ、手持ちの資金(証拠金)を担保に、証拠金よりも大きな金額の取引ができる取引方法です。利益を狙いやすい反面、価格変動による損失リスクも大きくなるため、十分な理解と準備が必要です。
貸暗号資産とは、レンディングとも言われ、ご自身が保有する暗号資産を一定期間暗号資産交換業者に貸し出すことで、利用料(手数料)を受け取ることができる取引です。SBI VCトレードでは「貸コイン」という愛称で貸暗号資産のサービスを提供しています。
積立とは、定期的に、定額で暗号資産を自動的に買うことができる投資方法です。このような投資方法は「ドルコスト平均法」と呼ばれ、平均購入単価を抑える効果があります。
ステーキングとは、口座に暗号資産を保有し、ブロックチェーンの安定稼働に貢献したことの対価として報酬(暗号資産)を受け取ることができる仕組みです。SBI VCトレードでは、ステーキングの対象銘柄を口座に保有しているだけでサービス利用の対象になります。
ウォレットとは、ブロックチェーン上にある暗号資産にアクセスするための「秘密鍵」を管理するツールです。販売所・取引所で購入した暗号資産は、ご自身で管理するウォレットへ移すことができます。暗号資産は、ウォレットを介することで、各種Web3サービスで活用できるようになります。
4. 暗号資産取引所からWeb3サービスへつながる
暗号資産取引所(※3)で売買・交換、あるいは運用によって増やした暗号資産は、ウォレットを介することで、各種Web3サービスで活用できるようになります。
Web3サービスの中でも、暗号資産の活用先として特に注目されているのが「ブロックチェーンゲーム(Blockchain Game/BCG)」です。ブロックチェーンゲームでは、シナリオや対戦を楽しむだけでなく、ゲーム内で暗号資産やNFTを利用したり、獲得したりできます。
NFTとは、他のトークンとの識別が可能なトークンです。ブロックチェーンゲームでは、主要なキャラクターやアイテムなどがNFTとして発行されることで、NFTマーケットプレイスを介して利用者間で売買可能になります(※4)。
NFTの取引で得た暗号資産は、その銘柄を取り扱っている暗号資産取引所の口座に再び戻すことも可能です。
5. まとめ
本記事では、金融庁に登録された暗号資産交換業者を中心として、SBI VCトレードが提供する主要なサービス、そして暗号資産取引所からWeb3サービスへの活用の流れまでをご紹介しました。
信頼性の高い暗号資産交換業者を選択することは、Web3サービスでの暗号資産活用の第一歩となります。これから暗号資産の活用をご検討の方は、ぜひSBI VCトレードの各種サービスもご利用ください。
(※1)金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」(https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf)
(※2)資金決済に関する法律(資金決済法)
(※3)正式には「暗号資産交換業者が提供する販売所・取引所及び各種サービス」ですが、文中では一般的な理解のしやすさを優先し、「暗号資産取引所」と記載しています。
(※4)NFTマーケットプレイスによって、対応するブロックチェーンや通貨は異なります。詳しくは各NFTマーケットプレイスの公式サイトをご確認ください。
参考
・金融庁「暗号資産に関連する事業を行うみなさまへ」(https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency/index_2.html)
・金融庁「無登録業者との取引は要注意!!〜無登録業者との取引は高リスク〜」(https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/highrisk.html)
・金融庁「第三分冊:金融会社関係 16. 暗号資産交換業者関係 本文」(https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/kaisya/16.pdf)
・金融庁「仮想通貨交換業者の新規登録申請の審査等に係るプロセス及び時間的な目安」(https://www.fsa.go.jp/news/30/virtual_currency/20190111.pdf)