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Solana(ソラナ)チェーン上の「DRiP」の概要とブルーチップNFTでの採用事例を解説

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Solana(ソラナ)チェーン上の「DRiP」の概要とブルーチップNFTでの採用事例を解説

公開日: 2024年10月25日

最終更新日: -

▼目次

    前提

    今回は、最近資金調達を発表して注目を集めている、Solana(ソラナ)チェーン上のクリエイターエンゲージメントプラットフォーム「DRiP」についてご紹介します。DRiPは、クリエイターがアートや音楽などのデジタル作品をフォロワーに配信し、その対価として支払いやチップを受け取ることができるトークン化されたコンテンツプラットフォームです。NFTに限定されず、決済基盤としてSolanaを活用し、データは分散型ストレージプロトコルであるArweaveにホストされる仕組みになっています。

    また最近では、ブルーチップNFTへの採用例も見られるようになってきているため、その点についても最終章で簡潔にご紹介いたします。

    [関連資料] 
    公式ウェブサイト:https://drip.haus/
    公式X(Twitter):https://x.com/drip_haus
    公式YouTube:https://www.youtube.com/@drip.haus_
    公式Instagram:https://www.instagram.com/drip.haus_/ 
    公式TikTok:https://www.tiktok.com/@drip.haus_

    概要

     
    出典:https://drip.haus/ 

    「DRiP」は、クリエイターがアートや音楽などのデジタル作品をフォロワーに配信し、その対価として支払いやチップを受け取ることができる、NFTを含むトークン化されたコンテンツプラットフォームです。NFTに限定されない柔軟性を持ち、決済基盤としてSolana(ソラナ)を利用している点が特徴であり、また実際のデータは分散型ストレージプロトコルであるArweaveにホストされる仕様となっています。

    現時点までに、DRiPはアーティストが作品をより広く配信できる環境を提供しています。そして、コミュニティとの深いつながりを築くサポートを行っており、これまでに800人以上のアーティストが参加し、100,000人以上のデイリーアクティブユーザー(DAU)を抱え、数百万のNFTを数年間で配布してきました。

    また、詳細は次章で述べますが、最近では800万ドルのシードラウンド資金調達に成功しており、今後のさらなる拡大が期待されています。特に注目されているのは、数か月以内にリリース予定のモバイルアプリ(iOS/Android)で、これによりユーザー体験が大幅に向上するとされています。また、クリエイターツールやプラットフォーム機能の開発拡張、新規ユーザー獲得を目指したマーケティング活動の強化も見込まれています。

    さらに、従来のNFTプラットフォームとは異なり、DRiPはクリエイターエンゲージメントプラットフォームを標榜しています。具体的には、アーティストの作品販売に留まらず、コミュニティとの強固なエンゲージメントを重視しており、アーティストがファンと直接つながり、フィードバックを受けられる仕組みを提供しています。これにより、よりクリエイティブな活動を展開できる環境を整備することを目指しています。
    参考:https://paragraph.xyz/@seedclubhq/seedclub-network-news-sept-18-2024

    【DRiP】資金調達に関する情報

     
    出典:https://x.com/CryptoRank_VCs/status/1833152684485906928

    DRiPは2024年9月、NFXやCoinbase Ventures、Progressionの主導により、$8Mのシードラウンド資金を調達しました。この資金は、DRiPが今後リリース予定のモバイルアプリやクリエイター向けツールの開発を加速させるために活用される予定であり、具体的には今回の資金調達によって、以下の取り組みを強化することを表明しています。

    • クリエイターのオンボーディングの加速
    • AndroidおよびiOS向けモバイルアプリのリリース
    • クリエイター向けツールやプラットフォーム機能の拡充
    • 新規ユーザーを獲得するためのマーケティング活動の強化


    このように、DRiPはソーシャルメディアの集客プラットフォームがクリエイターの収益を搾取している現状に挑戦し、クリエイターが直接ファンにデジタルコンテンツを提供できるプラットフォームとして設計されています。

    今回の資金調達には、NFXやCoinbase Venturesに加え、Placeholder、6th Man Ventures、さらに30名以上のエンジェル投資家が参加しており、幅広い投資家層から支持を得ていることが公表されていますが、具体的な評価額やラウンドの詳細な構造については公開されていません。
    参考:https://www.theblock.co/post/315270/solana-drip-raises-8-million-usd

    ブルーチップNFTでの採用事例も

     
    出典:https://x.com/SolanaUnivers/status/1838602635701817634 

    以前、Ethereum(イーサリアム)エコシステムにおける代表的なPFP NFTプロジェクトとして「Pudgy Penguins」の近況をご紹介したレポートを執筆しましたが、Pudgy Penguinsは最近、EthereumだけでなくSolanaエコシステムにも進出しており、そのためのツールとしてDRiPを活用しています。

    余談ではありますが、最近では多くのプロジェクトがSolana(ソラナ)への進出を進めており、注目を集めています。例えば、先日取り上げた「Unlonely」もBaseからSolanaへの移行を表明しており、筆者の知っているコアなオンチェーンゲーム開発者なども、Solanaへの展開を進めています。

    最近では、日本でもSuperteam Japanの取り組みが目立ってきており、優秀な開発者たちがSolanaでの開発を行う大きなきっかけの一つになっているのかもしれません。なお、こちらのテーマについては本題と逸れるため、ここでは詳述しませんが、機会があればどこかで取り上げたいと思います。
    参考:https://opensea.io/blog/articles/opensea-digest-october-2-2024

    総括

    ここまでご紹介してきた通り、DRiPは、Solana(ソラナ)チェーンを基盤としたクリエイターエンゲージメントプラットフォームとして、その柔軟な機能と直感的なユーザー体験により、急速に注目を集めています。さらに、800万ドルの資金調達を成功させたことや、モバイルアプリのリリースにより、今後の成長が一層期待されています。

    特に、Solana上でのPudgy Penguinsの採用事例が示すように、DRiPの技術基盤は多様なクリエイターコミュニティにも受け入れられつつあります。クリエイティブな表現と技術革新が交差する現代において、DRiPがどのようにその位置を確立し、成長していくかが注目されるでしょう。

     

    【ご注意事項】
    本記事は執筆者の見解です。本記事の内容に関するお問い合わせは、株式会社HashHub(https://hashhub.tokyo/)までお願いいたします。また、HashHub Researchの各種レポート(https://hashhub-research.com/)もご参照ください。

    提供:HashHub Research
    執筆者:HashHub Research