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マーケット情報

2022/08/30

パウエルFRB議長発言を受けて下落

先週のハイライト
  • 金曜日までは、BTCは21,000-22,000ドル、ETHは1,500-1,700ドルのレンジで推移
  • 米個人消費支出や米PCEデフレーターは市場予想を下回り、インフレピークアウト期待から暗号資産スポットは上昇
  • しかし、その後のパウエル議長のタカ派な内容の講演を受けて大幅下落
  • ETHは1,700ドルから1,500ドルへ下落、BTCは21,800ドルから20,100ドルへ下落
  • 週末も下落基調は続き、ETHは1,425ドル近辺、BTCは19,500ドル近辺の安値へ
  • BTCの先物ベーシスは1%低下、一方でETH9月物はスポットを20ドル下回る
  • オプション市場は引き続きスポット下落方向を見込んでいない

  • 先週の動き
    暗号資産スポット市場は、金曜日までは大方の想定通り、緩やかなレンジでの動きとなり、ETHは若干の買い基調ながら、1,500-1,700ドル、BTCは21,000-22,000ドルでのほぼ横ばいの動きであった。金曜日に入ると、暗号資産市場全体は弱気となり、一時的に米個人消費支出の結果を受けて買い戻しがみられたものの、その後パウエルFRB議長による、「インフレ抑制と、金融市場の過剰流動性調整のために、米経済の成長率は、一定期間低下傾向となる」との見通しを示すなど、タカ派の発言を受け、資産市場がリスクオフの動きとなり、暗号資産もその影響を受けることとなった。

    フローデータによると、ETHが売り買い拮抗ながら最も売買高が多くなり、BTCはDOGE、MATIC、UNIとともに買い越しとなった。一方で、SOL、XRP、LTC、EOS、BNB、DOT、XTZは強い売り越しとなっていた。

    暗号資産先物市場の対ドルベーシスは、スポットの下落を受けて低下。ETHの9月物の先物価格は、スポット価格に対して約20ドルのディスカウントとなっており、この1週間で2~3ドルほど深くなっている。

    暗号資産オプション市場では、特段大きな動きは見られていない。引き続きETHの大型アップデートを見越して、BTCに比べETHのボラティリティは高水準を保っているが、スポットが下落している割にはボラティリティの値動きは限定的となっている。

    今後の展望
    今週はユーロ圏のCPIや米ISM製造業景況指数、米雇用統計など、主要な経済指標の発表が並んでいる。パウエル米FRBが資産価格の抑制に動いていることから、今後数週間の経済指標は弱気な数字となる可能性が考えられる。その場合には、米長期金利は低下し、米ドル買いも一段落するとみられるが、そうでない場合は、暗号資産をはじめとするリスク資産の更なるリスクオフが想定される。








    (提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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