2024/09/19
ビットコインマーケットレポート (9月19日~9月25日)

ビットコインは9/7以降、上昇基調にある。市場では8月以前の予想を上回る0.5%の利下げが9月上旬から示唆されたことなどにより、ビットコインは低下基調から反転した。実際に米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)において0.5%の利下げを公表した。今後のイベントとして、「ビットコインのメジャーSQ」とよばれる多くの取引所での先物の清算、米大統領選挙、2022年11月に破綻したFTXトレーディング社の顧客資産返済などの材料が控えている。執筆時点では6万2千ドル付近。
足もと
9/17以前はFOMCへの警戒などから、未決済建玉(OI)の動きが少なく価格もやや横ばいに推移していたものの、9/18以降はOIが増加しておりデリバティブ市場への資金流入が見られる。ファンディングレートを見るとニュートラルなポジション(下画像赤枠)と見受けられるが、ボラティリティが上昇する可能性がある。

外部環境
直近でビットコインは、どの主要アセットとも強い相関がなく、独自の動きをしている。(S&P500:+0.14、ゴールド:▲0.21、原油:+0.32)
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ただし9月初旬以降は、米国債利回りは景気後退の予兆とされる逆イールド(米2年債利回りが10年債利回りを上回る状態)が解消され、現在は平常状態の順イールド(米10年債利回りが2年債利回りを上回る状況)となり、さらにその差も拡大している。
米国債利回りの逆イールドの解消はドルペッグステーブルコインの発行妙味を高めており、代表的なステーブルコインであるUSDT、USDCの発行量は9月以降増加に転じている。ステーブルコインは、暗号資産を買うための手段となりやすく、発行量増加は暗号資産市場にはポジティブに働く可能性がある。 さらに、2022年11月に破綻したFTXトレーディング社の顧客への現金弁済が行われる計画や、米大統領選挙後は暗号資産市場が上昇するアノマリーなどがあり、クリプト市場はポジティブなイベントが控えている。
現物市場
成行売買動向を見ると、本日未明より現物・デリバティブ市場で買いが旺盛にみられる(下画像赤枠)状況となっている。また、デリバティブ市場を上回る比率で現物が買われていること(下画像青枠)も見受けられる。

デリバティブ市場
取引価格が現物価格よりも若干低く、やや売られすぎの状態が見られる。

先物市場
9/28前後にCMEや多くの民間取引所がSQを迎える「ビットコインメジャーSQ」が控えている。CMEを見ると価格差益を狙う「Leveraged Funds」にショートポジションの割合が高まっており、ショートカバー(売建玉の買戻し)が発生する可能性がある。
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オプション市場
現物渡しで取引されるオプション市場では、現在価格(6万2千ドル)より高い価格帯である10万ドルが最大建玉(下画像赤枠)となっており、さらにPCRが低下基調(下画像青枠中黄線)であることから、市場参加者の投資心理が強気に変化していると捉えることができる。
オンチェーン環境
ハッシュレートは過去最高値近くの水準であるものの、次回難易度予想は▲8.69%の大幅な易化予想。
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直近のクリプト指標
■9月20日
日銀政策金利:24年9月結果 公表
日銀総裁 定例記者会見
■9月23日
アメリカ・PMI(購買担当者景気指数・速報値)9月 公表
総括
FRBが9/19のFOMCで0.5%の利下げが発表され、ビットコインの上昇基調が加速している。さらに米国長短金利差の拡大が、ステーブルコインの発行量増加を通してビットコインに追い風になっていることに加え、今後ビットコインメジャーSQ、米大統領選挙、FTXトレーディング社の顧客資産返済など、ポジティブなイベントが多くなっている。
画像出典:Tainoko Lab
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マーケット情報・チャート
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