2023/04/11
イーサリアムの大規模アップグレード「シャペラ(Shapella)」の概要
イーサリアムは4月5日に年初来高値を更新した。
以下のチャートは2023年1月1日~4月11日のETHUSDの日足チャートである。本レポートでは、直近に控えた大規模アップグレード「シャペラ(Shapella)」について解説する。
3月28日、イーサリアム財団がブログでシャペラの予定日時を発表した(*1)。
本アップグレードは、実行レイヤー(ブロックチェーン上のプログラムを実行する場所)の変更を行う「上海(Shanghai)」と、コンセンサスレイヤー(マイナーが新しいトランザクションを承認する場所)の変更を行う「Capella」という2つのアップグレードで構成され、これらの英字を組み合わせ「Shapella」と呼ばれるようになった。
「上海」は第2回開発者会議の開催地、「カペラ」は北天の星座「ぎょしゃ座」の中で最も明るい恒星の名前から取られている。
アップグレード予定日時
上記イーサリアム財団の発表(*1)では、シャペラ・アップグレードは、4月13日の午前7時27分を予定。
アップグレード日時を多くの参加者が確認しやすくするため、大規模なアップグレードでは、想定アップグレード時刻を可視化するサイトが複数立ち上がる(サイトによって計算方法が若干異なるため、表示時刻も前後する)。代表的なサイトには、Blocknative(*2)やWenMerge(*3)が挙げられる。
なぜ本アップグレードが注目されるのか
シャペラは、昨年9月に行われた「マージ(Merge)」以来の大規模なアップグレードであり、多くの市場参加者の注目を集めている。
シャペラにおける最大の変更点は、2020年12月1日以降、2年以上にわたりロックされていたイーサリアムならびにステーキング報酬を、バリデーターが引き出せるようになることだ。ロックされているイーサリアムの数量は約1,810万枚(4.3兆円規模)に及ぶ(*4)。
長くステーキングされていたイーサリアムのロックが解除されることで、アップグレード後は高い売却需要が発生し、短期的に価格が下落するだろうとの予想が有力である。
一方で、ステーキングされているイーサリアムの平均取得単価は約2,136ドル(*5)であることから、現在価格(約1,900ドル)での売却は発生しにくいのではないかとの見方も存在する(下図の赤線が、ステーキングに使われているイーサリアムの平均取得単価の推移を示す)。
以下は、ETH2.0へのステーキングプロバイダーのシェアの推移を表したグラフである。
また、Lidoに次ぐシェアとなるCoinbase社の場合、アップグレード完了から24時間後にステーキング解除リクエストを受付開始することを発表している(*7)。
裏を返せば、ステーキングプロバイダー経由で預け入れが行われているイーサリアムについては、シャペラ実装後であったとしても、ステーキングプロバイダーが引き出しに対応するまでは売却圧力にならないとも考えられる。
クリプト分析企業nansenのCEOであるAlex Svanevikは、自身のツイートで、自社リサーチのグラフを引用し、シャペラ実装後の売却圧力について推計を公開(下図)。初期の出金が完了するまで3~4日、全ての出金が完了するまで3~8週間かかり、想定される売却圧力は約2,500~6,000億円になるだろうとのシナリオが示された。
*1)https://blog.ethereum.org/2023/03/28/shapella-mainnet-announcement
*2)https://www.blocknative.com/shanghai-upgrade-countdown
*3)https://wenmerge.com/
*4)https://etherscan.io/address/0x00000000219ab540356cbb839cbe05303d7705fa
*5)2023年4月11日時点。Glassnode社のデータより算出
*6)https://twitter.com/LidoFinance/status/1635739580136652825
*7)https://twitter.com/coinbase/status/1636047279793528833
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