2026/07/13

暗号資産週間レポート(2026.7.5~2026.7.11)
BTCは一時61,000ドル台へ急落、Strategy社売却とトランプ氏発言が交錯——今週は米CPIとウォーシュFRB議長発言が焦点


【7/5~7/11週のサマリー】

・Strategy社が優先株の配当支払い目的で3,588 BTC を約2億1,600万ドルで売却
・トランプ大統領が「イランとの停戦は終了した」と発言
・FOMC 議事録要旨の公表
・ビットコインETFが週間ベースで9週ぶり資金流入


【暗号資産市場概況】

7/5~7/11週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+1.86%の10,400,200円、ETH/JPYの週足終値は同+2.12%の294,780円(※終値は7/11の当社現物EOD[7/12 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、Strategy社によるBTC売却、トランプ米大統領の暗号資産支持発言やイランとの和平交渉を巡る発言など強弱材料が交錯する中、BTC/USDは概ね61,000ドル台半ば〜64,000ドル台半ばのレンジでの推移となった。週を通じて明確な方向感は乏しく、個別材料に応じて急落・急反発を繰り返す展開となったものの、9日以降は堅調な推移が見られた。また、暗号資産規制面では、CLARITY法案を巡る動きが引き続き注目された。MCSAの中立化により、法案通過に向けた一つの障害は後退したものの、上院での採決日程、倫理規定、DeFi開発者保護条項などを巡る調整は継続している。

週初6日、 Strategy社は配当金の支払いや債務の利息支払いなどの資金確保目的で6/29〜7/5にかけ3,588 BTCを約2億1,600万ドル、平均約60,200ドルで売却した。売却後の同社BTC保有は843,775 BTC、USD準備金は25.5億ドルとなった。この発表を受け、BTCは1,000ドルを超える値幅で急落、61,000ドル台半ばまで下押しした。その後、トランプ大統領が暗号資産を支持する旨の発言「我々が暗号資産を持たなければ中国が持つことになる」と述べ、覇権争いにおいてアメリカが主導権を握る必要性を強調した。加えて、子ども向け投資口座「Trump Accounts」に関し、将来的なBTC関与の可能性に含みを持たせる発言もあった。このような発言の影響を受け、BTCは63,000ドル台後半へ反発した。

7日は、Samsung Electronicsが過去最高水準の営業利益見通しを示したにもかかわらず、韓国株式市場では「材料出尽くし」的な売りが優勢となり、KOSPIはサーキットブレーカーが発動、半導体株主導のリスクオフムードが暗号資産市場にも波及した。

週央8日には、トランプ大統領が「イランとの停戦は終わった」と発言し、追加攻撃の可能性にも言及したことにより地政学リスクが再燃した。これを受け、BTCは62,000ドルを割り込み、暗号資産市場全体にリスク回避の売りが広がった。

9日には6月FOMC議事要旨が公表され、FRB内で年内の政策金利パスを巡る見方が大きく割れていたことが確認された。一部参加者は6月会合時点で利上げの論拠があると指摘しており、インフレ上振れリスクへの警戒感は根強い。 もっとも、会合後の米雇用統計の弱含みを受けて市場の追加利上げ観測は後退しており、議事要旨は暗号資産市場にとって明確な売り材料とはなりにくかった可能性がある。

以降の価格推移としては、アメリカとイランの地政学リスクを意識しつつも暗号資産市場への影響は限定的であり、堅調な推移がみられた。

来週は米6月CPIやPPI、小売売上高など重要経済指標の公表に加え、ウォーシュFRB議長の動向も留意事項である。CMEのFedWatch Toolによると、先週の米雇用統計下振れを受けても引き続き年内1回以上の利上げ確率は88%程度あり、市場では引き続き利上げ期待が優勢となっている。経済指標の結果や、FRB議長の証言次第では暗号資産市場においても現在のレンジ相場からの離脱を試す展開も想定されるため、引き続き市場動向に注視されたい。また、先週は週間ベースで9週ぶりにビットコインETFに資金流入となり、一旦継続的な売りの流れが止まったのかも注目される。

17日には米下院金融サービス委員会により、「CLARITY法案」に関する公聴会がニューヨークで開催される予定である。

議会が8月の夏期休会に入る前の「時間との戦い」の真っ只中にあり、この休会前の7月末〜8月頭を法案成立の「実質的な期限」と位置づけており、もしこのウィンドウを逃すと、法案が数年単位で停滞する恐れがある。法案が成立するためには上院本会議で60票の賛成が必要だが、現在共和党は53議席のため、民主党から少なくとも7人の賛成を取り付けなければならない。今回の公聴会は、そうした超党派の支持をさらに集めるための重要なアピールの場となる。



[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がBTC価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がETH価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がXRP価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[STRC上場来チャート(日足)]

(ローソク足がSTRC価格 /青線がBTC価格)
(TradingView提供のチャートにて SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



【7/4~7/11週の主な出来事】


【7/12~7/18週の主な予定】



【今週のひとこと】 Strategy社が3,588BTCを売却

7月6日、Strategy社(旧MicroStrategy)が米証券取引委員会(SEC)へ提出したForm 8-Kにより、同社が6月29日から7月5日にかけて合計3,588BTCを売却していたことが明らかとなりました。  長年にわたりビットコインの長期保有・買い増し戦略を続けてきた同社が、売却を伴う新たな資本政策を実行したことは、市場で大きな注目を集めました。

同社は2026年5月に32BTCを売却した後、6月29日に「Digital Credit Capital Framework」を発表し、必要に応じて保有するビットコインを売却して米ドル準備金を確保する「Bitcoin Monetization Program(BTC現金化プログラム)」を導入しました。また、優先株配当や社債利払いに備えた米ドル準備金の維持・積み増しに加え、優先株・普通株の買戻しプログラムも公表しています。

今回の売却は保有する約84万BTCのうちの約0.4%に過ぎませんが、「必要に応じてビットコインを売却する」という方針が明確になった点は重要な変化といえます。これまで市場では、Strategy社が継続的にビットコインを買い増すことで需給を下支えするとの見方がありましたが、今後は市場環境や財務状況に応じて売却を行う可能性が示されたことで、こうした見方はやや後退する可能性があります。

一方で、この方針転換は、優先株配当や社債利払いなどに必要な現金を安定的に確保し、資本政策や流動性管理の柔軟性を高めることを目的としたものであり、ビットコインへの長期的な投資姿勢を放棄したものではありません。むしろ、長期的なビットコイン保有方針を維持しながら財務基盤の強化を図る取り組みと位置付けられます。今後、同社の資本政策がビットコイン市場の需給や投資家心理にどのような影響を与えるのか、引き続き注目されます。




(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



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