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マーケット情報

2024/07/10

厳しい地合いはまだ続く!?実需の売り材料が多すぎる


先月の下落から始まり、先日は一時850万円付近まで下値を拡大しました。
一種のパニック売り状態です。
理由はマウントゴックスの弁済による大口送金の確認、そして過去にドイツ政府が違法サイトから押収したBTCの換金類売りが重なり、マーケットを混乱に陥れました。
マウントゴックスの弁済は14万BTC以上、1000万円時点で1.4兆円相当の弁済が待っており、すでに返金が徐々に開始されております。
投資家に全て返金されるわけですが、どれだけのBTCが換金されるかは未知数です。
さらにドイツ政府も先月下旬から取引所にて換金を開始しており、その枚数は5万BTCに上ります 。


出所:https://platform.arkhamintelligence.com/explorer/address/bc1q0unygz3ddt8x0v33s6ztxkrnw0s0tl7zk4yxwd

すでに2.6万BTCを取引所に送金し終えており、全て売却されているとは考えにくいのですが、まだ半分を残している格好です。
よって、もうしばらく上値が重い展開が予想されます。

■ レンジ相場形成後、最後の下落あるか?

【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤),90(青),200 (橙) MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


BTC/JPY日足分析から入ります。
並行チャネルレンジを下抜けてきました。またSMA200にサポートされながらも先日は一時的に割り込む局面が2度もあり、肝を冷やす展開となりました。
ただ、地合いは悪いです。
並行チャネルレンジ内に回復が厳しい状況で、MACDも0.00を割り込んでマイナス圏で推移をしております。
完全に下落トレンド入りの形状となっておりまして、下落トレンド入りしないにしても下値を何度か試して底堅く推移する期間が必要になると考えます。

この価格帯で逆三尊形状やダブルボトムのような形状をすれば問題はありませんが、それでも日足ですので、2−3週間はこの価格帯でレンジ相場ではないでしょうか。 マウントゴックスの返金はあまりにも巨額すぎます。ドイツ政府のBTCはまだ半分残っております。
中長期で見れば、大したことがない金額かもしれませんが、1ヶ月単位で見ますと、とてもじゃありませんが、消化できる規模の金額ではありません。 よって、7-8月はレンジ相場で落ちつきどころを探す展開を予想しております。

■ダブルボトム形成中も上値の限界は962万円程度か

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


続いてBTC/JPY4時間足です。 4時間足ではダブルボトム形成中です。ネックラインを突破すれば、もう一段上のネックラインまで上値を伸ばせそうです。

短期的に上目線ならば、962万円付近を意識しておくと良いでしょう。
この水準まで上昇する場合は、一度このラインで利食いが出るでしょうから、そこまで引っ張る程度が限度かな?と考えます。
まだSMA90やSMA200は上方に推移しておりますので、来週以降もこれらがレジスタンスとして機能するのではないでしょうか。目先860-960万円のレンジを意識したレンジトレードに集中したいと思います。

■並行チャネルレンジ内で推移もETF承認後のセルザファクトに警戒を

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


続いて、ETH/JPY日足分析です。
ETHは並行チャネル内で踏ん張りを見せており、ETF取引開始期待もあることからBTCチャートよりも形状は悪くありません。
またマウントゴックスやドイツ政府の換金売りとは関係がないため、単なる連れ安相場で被害を被っているだけでしょう。 よって、回復も早いと考えます。
1つ注意点としては、米国でETF取引が開始された直後、セルザファクトで売られる可能性も十分あると考えておいた方が良いでしょう。
5月後半のサプライズ上昇を全て帳消ししてしまいましたので、これらのニュースに反応して購入したETHポジションは全て含み損ということになります。

よって、上がったところは逃げたい投資家が何割か存在しているでしょう。その場合、売りが断続的に降ってくるでしょうから、ETF取引開始後の上昇は一旦売場になると考えます。
イメージ的には上場後調整が入り、その3-4週間後から本格上昇に転じるのではないかと予想します。
それは8月後半以降だと個人的には考えておりますので、今ではないように感じます。
引き続きBTCの値動きと相談しながら絶好の買い場を探る展開となりそうです。

暗号資産市場は目先一服感がありますが、再度下落の値動きを見せれば再び悲観的な目線に変わりやすいと考えます。
注意深くチャートを見ながらトレードしていく展開が続きそうです。
今月はどちらかというと下落寄りのレンジ相場に目線を切り替えたいと思います。絶好の買い場はもう少し先としたいと思います。



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