2026/02/16
暗号資産週間レポート(2026.2.8~2026.2.14)
BTC 7万ドルの攻防と、X(旧Twitter)による「ソーシャル・ファイナンス」の加速
【2/8~2/14週のサマリー】
・BTCは70,000ドルを挟んだレンジ推移となり、週末にかけて同水準回復を試す展開となった
・金(ゴールド)のRWA(現実世界資産)市場が60億ドルを突破
・マクロ指標や株式市場動向に左右されつつ下押し圧力が優勢だったが、ショート清算も重なりBTCは70,000ドル台を巡る攻防を継続した
・今後は70,000ドルでの底固め可否が焦点となる
【暗号資産市場概況】
2/8~2/14週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲2.17%の10,684,250円、ETH/JPYの週足終値は同▲3.45%の318,705円であった(※終値は2/14の当社現物EOD[2/15 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場では底値を探る展開となり、BTCは70,000ドル付近での攻防が続くレンジ相場となった。
BTCの週初は70,000ドルの上値を試す展開から始まり、ブレイクアウトするとそのまま上昇し一時72,000ドルをつけた。しかし翌9日、中国政府が国内金融機関に対し米国債の保有削減を勧告したとの報道を受け、投資家心理が悪化。BTCは68,300ドル付近まで下落した。その夜、米国株式市場が開くと、先週下げていたハイテク株を中心に押し目買いが入り上昇。BTCも連れ高となり再び70,000ドルを突破したが、その後は徐々に下げる展開となった。
週中、米国の小売売上高が予想を下回ったことで利下げ期待が高まり、一時70,000ドル付近まで上昇。しかし地合いの弱さから上抜けできず、70,000ドルの壁に阻まれて反落した。11日には、雇用統計を控えリスクオフムードが強まり、66,500ドル付近まで下落。その後発表された雇用統計は、雇用者数・失業率ともに予想より良好な結果となり、一時68,800ドル付近まで上昇した。ただし、利下げ期待の後退を受けて債券利回りが上昇し、米国株式指数が下落すると、BTCも67,500ドル付近で停滞した。また、ハイテク株の失速やコインベースの取引所収益の悪化や保有暗号資産の評価損などの結果を受けて、下落する側面もあった。
週末には、米1月消費者物価指数が予想よりも良かったことを受けて、BTCは米国株式指数とともに上昇し70,000ドル台を奪還する展開も見られた。また13日はファンディングレートの下落に加え、OI(未決済建玉)の増加が確認されており、先物のショートポジションが積みあがっていた可能性が高い。その結果、翌日にはショートポジションの清算とともにBTCの価格が上昇している。ただし、現状では月初の大規模な清算以降OIは減少傾向にあり、このショートスクイーズが継続されるかは疑問である。
先週は好材料よりも悪材料に過敏に反応する展開が続き、投資家心理の悪化から下げやすい地合いが継続していた。実際にBTC現物ETFの売買動向を見ると先週は約3.6億ドルの売り越しとなっている。SoSoValueのデータによると、買われている日はあるものの、売り圧力のほうが強い傾向にあるといえるだろう。ただし、週末には再び70,000ドル付近まで回復するなど、局所的な底堅さも見られる。今週以降は、70,000ドルで底値を固められるかが焦点となりそうだ。70,000ドルより上で底固めが進めば、前月末からの下げ過ぎに対する調整で上昇に転じる可能性がある。一方、70,000ドルを明確に上抜けできない場合は、先週同様に米国株式市場の下落と歩調を合わせ、軟調な展開が続くことも想定される。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【2/8~2/14週の主な出来事】

【2/15~2/21週の主な予定】

【今週のひとこと】X(旧Twitter)で直接暗号資産と株式が取引可能に
14日、X(旧Twitter)のプロダクト責任者ニキータ・ビア氏が、Xのタイムライン上から暗号資産や株式の取引が可能となる新機能の導入を「数週間以内」に予定していると明らかにしました。中核となるのは「Smart Cashtags」と呼ばれる仕組みで、従来のカジュアルな銘柄タグ表示を拡張し、リアルタイムの価格情報や詳細データの表示に加え、外部取引サービスへの接続を通じて、そのまま売買へと移行できる導線を構築するものとされています。
この動きは、SNSと金融サービスの融合を一段と加速させるものとして注目されます。これまで投資判断の材料としてSNSが参照されることは一般的でしたが、今後は情報収集から取引実行までを一つのプラットフォーム内で完結できる可能性が出てきます。一方で、同氏はトークン配布などによる拡散インセンティブや過度な投機を煽る仕組みには否定的な姿勢も示しており、従来の暗号資産系アプリとは異なる設計思想を志向している点も特徴です。
また、X自体がブローカーとして取引を直接執行するのではなく、外部の金融機関や取引サービスと接続する形で機能を実現する方向とみられています。これにより、規制対応やライセンス面のハードルをクリアしつつ、ユーザー体験としてはシームレスな取引環境を提供する構想です。
今後、このようにXが「情報」から「取引導線」までを内包するプラットフォームへと進化すれば、これまで投資に馴染みのなかった新たな投資家層の参入を促し、市場全体の裾野が広がる可能性があります。特に暗号資産市場にとっては、ユーザー基盤の拡大を通じて流動性や関心の高まりにつながり、さらなる活性化をもたらす契機となることが期待されます。
国内の反応は総じて革新性を評価する声が優勢となりました。その一方で、日本の金融規制との整合性を懸念する見方も少なくありません。製品責任者が取引執行やブローカー機能を担わない方針を示していることから、現時点ではCoinbaseやRobinhoodのような海外の規制対応済み事業者との連携モデルが有力視されますが、日本国内での同様の導線を実装する場合には、金融商品取引法や資金決済法に加え、外部UI経由の注文に関する勧誘規制や表示義務、適合性原則などが関連しハードルを高くします。そのため、国内では機能が限定的に提供される可能性も指摘されています。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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