Market Report

マーケット情報

2022/03/03

ビットコインマーケットレポート(2022年3月3日~3月9日)
(2022年3月3日午前10時作成)





短期市場は、全体ではやや買われすぎの状況を示しており、一時的にボラティリティが高まる可能性がある。ウクライナ戦争開始後一本調子に上昇していたが、瞬間的な調整が入る可能性が高まっている。

足もと
西側諸国によるロシア主要銀行のSWIFT排除が報道されてから、アクティブOI(成行売買による未決済建玉)が急激に上昇、$1.5Billionの規模となった。アクティブOIが大きくなると、決済に伴いボラティリティが高まる傾向がある。さらにファンディングレートを見ると、やや買われすぎの状態に変化してきており、ボラタイルな状況(急激なボラティリティの上昇)が起こる可能性が高まっている。



オプション市場から算出される期待変動率(インプライド・ボラティリティ)
オプション市場の基準となる、月曜日インプライド・ボラティリティ週足予想レンジを大きく踏み上げられる格好となった。ただし、インプライド・ボラティリティを大きく超えると、ヘッジのオペレーションにより、週内に月曜日の週足インプライド・ボラティリティレンジ上限付近に戻ってきて反発することが多い。オプション状況から、4万2千ドル付近まで下落すると、買い支えされやすい状況にある。



デリバティブ市場動向
無期限先物市場では、上昇局面にも関わらず現物より低い値段で取引されており、若干の売られすぎであることを示している。



先物市場
現物価格より期近の価格が低い「おかめザヤ」という状況になっており、ショートカバーが非常に入りやすい状態となっている。市場によっては2ヶ月先物価格までが現物価格より低い「バックワーデーション」となっているため、需要超過が顕著といえる。


(注:海外取引所の予想)

送金数の増加
西側諸国によるロシア一部銀行のSWIFT排除が発表されて以降、ビットコインのトランザクションの増加が顕著に見られている。トランザクションの増加は現物決済数の上昇につながるため、軍事的緊張の緩和後には売り圧力となる可能性がある。



ビットコインドミナンス
暗号資産市場におけるビットコインのシェアは急速に上昇しており、先月から5%程度のシェア上昇が見られている。軍事的緊張の高まりから、暗号資産市場のなかで最も伝統的な資産であるビットコインに資金が集まっていると思われる。



外部環境
ウクライナ戦争・ロシアSWIFT排除に伴う軍事的緊張の高まり等から、一時に株式市場との相関が小さくなったものの、予想インフレ率(BE)が低下を続けており、外部環境としてはビットコインに下方圧力がかかっている。



ハッシュレート
ハッシュレートはやや低下するも堅調に推移し、次回難易度予測は▲2.85%。

今週の重要指標
3日 欧州中央銀行(ECB)議事要旨公表
4日 米雇用統計
4日 Deribitオプションカット

総括
内部環境はやや買われすぎを示しており、アクティブOIが急激に増加していることから、瞬間的にボラティリティが高くなりやすい状況となっている。

-----
お客様は、本レポートに表示されている情報をお客様自身のためにのみご利用するものとし、第三者への提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。本レポートに表示されている事項は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっての最終判断はお客様ご自身でお願いします。

マーケット情報一覧へ戻る