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マーケット情報

2025/12/10

BTCは反発もFOMCは要警戒!来週は日銀とイベントが続く

先週の仮想通貨市場は、ところどころで急落局面が見られたものの、昨晩にかけて大きく反発し、BTCは一時1480万円前後まで回復する展開となりました。特に海外デリバティブ市場ではショートポジションの大規模な清算が観測され、これが価格を一段と押し上げる要因となったようです。

しかし本日はFOMCを控えており、市場の緊張感は依然として高い状況です。市場予想では25bpの利下げがメインシナリオとなっていますが、投票権を持つメンバーのうち少なくとも3名が利下げに否定的な姿勢を示している点は注意が必要です。FRB内部でも意見が大きく割れており、パウエル議長としても判断が難しい局面と言えます。

参考1
https://jp.reuters.com/markets/japan/PAQTF3VOPFMTDP5IWC6RUWQ63A-2025-12-07/

仮に利下げが実施されたとしても、記者会見ではタカ派的な発言が目立つ可能性があり、市場が受け止める印象は決してハト派一色にはならないでしょう。さらに本日は2026年の政策金利見通し(ドットチャート)が公表されますが、これもややタカ派寄りになる可能性があると筆者は見ています。

参考2(FRB Dot plot)
https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

来週には日銀会合も控えており、利上げ議論が再燃する可能性もあります。株式・暗号資産などリスク資産全般にとって、今週から来週にかけては非常に重要なイベントが続く“鬼門の1週間”となる可能性があります。

■ 下降トレンドラインに到達


【採用テクニカル】
• 移動平均線(SMA):30(赤)、90(青)、200(橙)
• MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)


BTC/JPYの日足チャートを見ると、価格は下降トレンドラインに到達しており、ここを明確に突破できれば強い反発上昇のシナリオが開けます。上値のターゲットとしては、SMA90(青)やSMA200(橙)が位置する1600万円付近が意識される展開となりそうです。

ただし、このシナリオには「FOMCが明確にハト派であること」「2026年以降も継続した利下げを示唆すること」などの条件が揃う必要があります。明朝に発表されるFOMCの結果次第で、相場の方向性が大きく変わるため、ここは一度様子を見たい局面と言えるでしょう。

また、週前半にかけて大きく上昇していることから、本日はイベント前特有の利益確定売りが発生しやすいと考えられます。一定レベルの反落を想定しておいた方が安全です。


■ 短期的には反落リスクが優勢か

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)



BTC/JPYの4時間足チャートに移ると、短期的な調整ポイントとしてはSMA30(赤)付近が意識されます。現在価格から約2%程度の調整は十分に起こり得るレンジであり、欧州時間〜NY時間にかけて1410〜1430万円程度への押し目を想定しておくのが妥当でしょう。

筆者としては、FOMCがタカ派寄りの内容に着地する可能性を高く見ており、BTCは再び2番底を探りに行く展開を警戒しています。短期的には戻り売りスタンスで臨む予定で、しばらくは下落トレンドに回帰しやすい地合いが続くと考えています。


■ ETHは200日線に到達、ここからは上値が重くなりやすい

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)


ETH/JPYの日足では、価格がSMA200(橙)まで反発してきました。この200日線は非常に強力なテクニカル節目であり、ここから上値を追う展開は慎重な判断が求められます。

日足ベースの戦略としては、SMA200付近で打診売り、さらにSMA90(青)を背に追加の戻り売りが考えられます。下値としては再び40万円方向を意識したいところです。ただし、FOMC・日銀ともに“想定以上のハト派”となった場合は、この前提が崩れるため損切りラインは明確に設定しておきたい場面です。


■ SOLは上昇の勢いに乏しく、戻り売り優勢の形状

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)


SOL/JPYの日足チャートは、ETHとは対照的に弱い形状が継続しています。反発局面があっても勢いは限定的で、上髭を残しながら売りに押し戻される動きが目立ちます。

23000円をバックに戻り売りが基本戦略となり、下値は18000円付近までの調整を想定します。前述の通り、FOMCがタカ派・日銀が利上げ姿勢を強める場合、この下落シナリオの実現可能性は高まると見ています。

筆者としては、年末にかけてアルト全体は反落基調を意識しつつ、年明け以降に一定の反発が発生する展開を予想しています。


■ 来週は雇用統計も控え、ボラティリティ高い相場が続く可能性

またさらに来週は米雇用統計も発表予定で、FOMC・日銀会合と合わせて重要イベントが連続します。マクロ環境が相場に与える影響は非常に大きく、しばらくは乱高下が続きやすいマーケットと考えておくべきでしょう。




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