2024/09/17
暗号資産週間レポート(2024.9.8~2024.9.14)
Grayscale XRP Trustの開始がXRP価格上昇の好材料に!今週は、FOMCと日銀政策発表に注目!
【9/8~9/14週のサマリー】
・米大統領選候補者(トランプ氏・ハリス氏)によるテレビ討論会が開催
・日銀・中川委員、実質金利は「極めて低い水準にある」と発言
・米資産運用会社Grayscaleが適格投資家向けにXRPファンドの提供を開始
・ウォール・ストリート・ジャーナル誌のエコノミスト・Nick Timiraos氏が利下げについての記事を公開
【暗号資産市場概況】
9/8~9/14週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+10.21%の8,462,400円、ETH/JPYの週足終値は同+5.65%の340,675円であった(※終値は9/14の当社現物EOD[9/15 6:59:59]レートMid値)。
先週も暗号資産市場特有の材料は比較的少なく、世界的なマクロ環境の変遷に追従する週となった。週央には米大統領選候補者によるテレビ討論会が中継され、初の直接論戦の場が衆目にさらされた。討論会ではハリス氏が印象面で優位に立ち、討論会後の予測市場において、当選確率の織り込みでトランプ氏を逆転した。暗号資産市場視点では、親暗号資産的な政策を執ることが期待されているトランプ氏の再選確率が減少したことが嫌気され、悪材料となったといえる。
また、同時間帯には秋田市で開かれた金融経済懇談会において、日銀の中川順子審議委員が「現在の実質金利は極めて低い水準にある」と発言し、追加利上げの可能性を示唆したことでドル円価格が急落。米国株式が売り込まれたことで暗号資産市場も下落することとなった(日米金利差縮小が意識されたため。金利とドル円価格については8/13号
(https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/409692)「今週のひとこと」で詳述)。
2021年以来最低水準となった総合CPIの発表後は、インフレの着実な収束が意識され、市場全体が弱含んだものの、米テック株の急速な回復に牽引され、暗号資産市場もリバウンド。週後半にはウォール・ストリート・ジャーナル誌のエコノミスト・Nick Timiraos氏がFedの利下げについて記事
(https://www.wsj.com/economy/central-banking/fed-interest-rate-cut-size-861c9600)を公開。市場は次回FOMCでの50bps利下げを急速に織り込み(9/11時点で25bps利下げ86%、50bps利下げ14% ⇒ 9/13時点で25bps利下げ50%、50bps利下げ50%)、ミシガン大の消費者信頼感指数発表を通過すると、ビットコイン現物ETFからの8月末ぶり水準の資金流入を伴いビットコイン価格は60,000ドルをブレイクした(金利織り込みの確認方法は6/17号(https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/397175)「今週のひとこと」で解説)。
その他の注目点としては、XRPのニュースが挙げられる。米大手資産運用会社Grayscaleが12日に「Grayscale XRP Trust」の開始を発表
(https://www.globenewswire.com/en/news-release/2024/09/12/2945244/0/en/Grayscale-Investments-Launches-Grayscale-XRP-Trust.html)し、XRP価格は一時9%ほど上昇した。当ファンドは、現時点では適格の認定投資家に提供が限定されており、一般投資家が購入することはできない。Grayscaleは以前XRPファンドを提供していたが、2020年にSECがRipple Labsに対してXRPを証券と主張し起こした訴訟を契機にファンドを停止してしまっていたという背景を経ての再開であり、また、将来的なETF化の可能性も意識され、好材料となった。
次週の最大の焦点は日本時間19日未明、FOMCにおける米政策金利発表である。利下げが行われること自体は、既にほぼ確定事項となっているが、実際の利下げ幅が25bpsになるのか、50bpsになるのかが非常に重要だ。先週の市場は50bps利下げを50%程度織り込み始めた位置にいるため、仮に利下げ幅が25bpsとなった場合は、(一時的にイベント通過後のヘッジが解除されるとしても)失望によるダウンサイドリスクが懸念される。また、仮に50bpsであったとしても、既に一定程度織り込まれてしまっており、巨大なポジティブサプライズとはなりにくい状況ではないだろうか。翌日の日銀政策発表についても、日銀の動向が経済に影響を与える環境となっている以上、従来以上に重要なイベントとなる。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[XRP/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[次回FOMCにおける金利織り込み(25bps利下げ50%、50bps利下げ50%)]

(CME FedWatch Tool提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[次回FOMCにおける金利織り込み(ヒストリカル)]

(黄緑色の線が25bps利下げ織り込み)
(9月11日時点では25bps利下げ86%、50bps利下げ14%の織り込みであったことが伺える)
(CME FedWatch Tool提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【9/8~9/14週の主な出来事】

【9/15~9/21週の主な予定】

【今週のひとこと】実質金利とは?
先週は日銀の中川順子審議委員による「現在の実質金利は極めて低い水準にある」という発言が話題となりました。また、日銀が7月に行った利上げ(0.1% ⇒ 0.25%)を踏まえ、「政策金利の変更後も実質金利は大幅なマイナスの水準に止まり、緩和的な金融環境が維持される」という発言もありました。耳慣れない言葉ですが、実質金利とは何なのでしょうか。
実質金利とは、名目金利(表面的な金利)からインフレ率を差し引いた後の金利のことです。インフレ率を差し引くことで、お金の実質的な価値(購買力)がどれだけ変化するかを示します。これだけではイメージしづらいかもしれないので、以下に具体的な例を示します。
インフレ率5%の世界を仮定すると、1年目に100円だったパンの価格は、2年目に105円、3年目に110円……と、5%ずつ上昇していきます。この世界で、金利6%で100円を貸すと(借りると)、2年目には106円、3年目には112円……と返済額が上昇します。2年目に106円が返済された場合、貸し手はパンを購入した後に1円を得ることができます(購買力が上昇)。一方、金利4%で100円を貸し、2年目に104円が返済された場合、貸し手は1年目に購入することができたパンを買うことができなくなってしまいます。

冒頭に戻り、中川氏が指摘していた「政策金利の変更後も実質金利は大幅なマイナスの水準に止まり、緩和的な金融環境が維持される」という発言の意味は、「政策金利(名目金利)の変更後(0.25%となった現在)も実質金利(名目金利から今のインフレ率を引いた金利)は大幅なマイナスの水準に止まり(お金を借りた場合、返す時点でのお金の購買力は減価しており借り手に有利なので、お金が借りられやすく)、緩和的な金融環境が維持される(そのため、もう少し利上げをしないとインフレが進行してしまう可能性がある)」という意味合いに読み取れます。
*1)複利効果を考慮していないため、厳密には概算値となります。詳しく知りたい方は「フィッシャーの方程式」を調べてみてください。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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