2026/02/24
暗号資産週間レポート(2026.2.15~2026.2.21)
イラン情勢の緊迫と米司法判断が交錯する市場ーーETF資金流出が続く中、BTC 7万ドルを巡る「リスク回避」の攻防
【2/15~2/21週のサマリー】
・核開発を巡るイランと米国の対立激化
・米連邦最高裁判所がトランプ大統領の相互関税に対して、違憲判決
・ビットコインの現物ETFは5週連続で資金流出を記録
【暗号資産市場概況】
2/15~2/21週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲0.67%の10,612,300円、ETH/JPYの週足終値は同▲3.48%の307,615円であった(※終値は2/21の当社現物EOD[2/22 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場はイランの核開発を巡るイランと米国との対立や、米連邦最高裁判所がトランプ大統領の相互関税に対し違憲判決を出したことによる国際情勢の先行き不透明感などにより、週を通じて方向感を欠く値動きとなった。
15日、ビットコインは一時71,000ドル付近まで上昇する場面が見られたが、休日で取引量が少なかったこともあり、積極的な買いが入らず、上値の重さが意識されるとその後に約2,000ドル反落し、価格は68,000ドル台まで押し戻される展開となった。
翌16日にも、ビットコインは一時的に70,000ドル台の水準まで価格が回復する場面が見られたが、米国市場が休場していたことから本格的な資金流入は見られず、上昇の勢いは限定的だった。その後、短時間で約3,000ドル幅の急落に見舞われ、翌17日にかけて67,000ドル台まで下落幅を拡大。戻り売り圧力の強さが改めて意識される結果となった。
さらに同日、米国とイランの核協議に前向きな進展があったと報じられたことで、これまで意識されていた地政学リスクが後退し、安全資産とされるゴールド先物は4,800ドル台前半まで急落した。また、米国株式市場が下落して取引を開始したことで投資家心理が冷え込み、ビットコインも連れ安の展開となったことで、価格は68,000ドル台から66,000ドル台まで下落し、結果として3日連続の下落を記録した。
しかし、翌18日にかけて、米国株式市場が反発し、投資家のリスク選好姿勢が回復したことで、ビットコインも上昇に転じ、一時は68,000ドル台まで価格を戻す場面が見られた。さらに、同日に発表された米国の1月鉱工業生産指数や昨年12月の住宅着工件数が市場予想を上回ったことも株式市場の支援材料となり、リスク資産全般に買いが入りやすい環境となった。
ただ、この反発は長続きせず、翌19日にかけて、ビットコインの現物ETFからの資金流出が継続していたことでビットコインは再び下落基調となり、65,000ドル台まで安値を切り下げる展開となった。
20日には、米紙The Wall Street Journal(WSJ)が「ドナルド・トランプ大統領がイランに対する限定的な攻撃を検討している」と報じたことにより再び地政学リスクが意識され、ゴールド先物価格が上昇、リスク回避の動きが広がる中でビットコインも買われたことで、価格は再度68,000ドル台まで持ち直した。
さらに翌21日には、米連邦最高裁判所がトランプ大統領の相互関税政策を違憲と判断したとの報道が伝わった。この判決を受けて市場の不透明感がやや後退し、3営業日連続で資金流出が続いていたビットコインの現物ETFにも資金流入が確認された。
このように、足元の暗号資産市場は、取引量の減少やETFの資金動向に加え、米国とイランを巡る地政学リスク、さらにはトランプ大統領の関税政策を巡る不透明感など、複数の材料が交錯する展開となっている。こうした環境下では値動きが不安定になりやすく、今後の動向を引き続き注視する必要があるだろう。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【2/15~2/21週の主な出来事】

【2/22~2/28週の主な予定】

【今週のひとこと】米最高裁がトランプ関税政策に対し違憲判決
米連邦最高裁判所は20日、トランプ大統領が貿易相手国・地域に対して課していた相互関税について、憲法上の権限を逸脱しているとして違憲との判断を示しました。これにより、トランプ政権下で続いてきた相互関税は法的根拠を失うことになり、貿易政策の大きな転換点となりました。
判決を受け、トランプ大統領は速やかに対応を進め、相互関税などの徴収を終了する大統領令に署名しました。その一方、代わりの措置として全ての輸入品に対し一律10%の追加関税を課す方針を発表し、日本時間の24日午後2時1分から発動するとしています。対象範囲が広いことから、企業のコスト増や消費者物価への影響が注目されています。
今回の判決は、先月1月21日に最高裁が判断を延期して以降、ようやく示された最終的な結論となります。これにより、トランプ関税の合憲性を巡る長期的な議論に一区切りがついた形です。今後は、新たに導入される一律関税がどのように運用され、国際貿易や物価にどの程度影響を与えるのかが焦点となります。
暗号資産市場への影響については、短期的には不安定な値動きが生じやすい状況であると言えます。関税の変更は企業コストや物価に影響し、インフレ懸念が高まると米国の金利政策にも影響が及びます。金利が高止まりする見方が強まれば、ビットコインなどのリスク資産には売り圧力がかかりやすくなる一方で、貿易摩擦の再燃や経済の不透明感が強まると、法定通貨への不安からビットコインが「価値保存の選択肢」として注目される可能性もあります。今後は、追加関税が実際の物価や金融政策にどのように影響するのか、そして市場心理がどちらに傾くのかが暗号資産市場において重要なポイントとなると考えられます。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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