2025/05/07
暗号資産週間レポート(2025.4.27~2025.5.3)
ETF資金流入とテック株高が下支え、BTCは堅調推移も過熱感に留意
【4/27~5/3週のサマリー】・決算が好調だった米テック株を中心に上昇し堅調な相場となった
・米第1四半期GDPは関税引き上げ前の駆け込み行動が要因で2022年ぶりのマイナス成長
・米4月雇用統計では労働市場の堅調さを示し、利下げ織り込みが後退
【暗号資産市場概況】
4/27~5/3週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+2.93%の13,970,350円、ETH/JPYの週足終値は同+2.53%の267,180円であった(※終値は5/3の当社現物EOD[5/4 6:59:59]レートMid値)。
先週の金融市場はテクノロジー株を中心に上昇し、投資家のリスク選好が強まる中、米ドルと国債市場は落ち着いた動きを見せた。BTCは引き続き底堅いパフォーマンスを示し、2月の価格帯である97,000ドル付近まで一時価格を回復した。
週初、米資産運用会社BlackRockのBTC現物ETFであるIBITが9億7090万ドル(約1,378億円)の流入を記録した。これは1日あたりの流入額としては2024年1月の発売以来で過去2番目の規模となり、機関投資家がBTCに対して強気であることが示唆される。
4月30日に発表された2025年1〜3月期の米GDPは前期比-0.3%と、2022年以来のマイナス成長を記録。これは景気後退というよりも、トランプ政権による関税引き上げを見越した輸入の前倒しによる一時的な影響と見られている。このため、リスクアセットは発表直後こそ下落したものの、「実質的な景気悪化ではない」という安心感が広がり、急速に持ち直した。
その後、MicrosoftとMetaが相次いで好決算を発表し、いわゆる「マグニフィセント7」の中でも株価を押し上げた。唯一、Appleだけが軟調な決算を受けて下落したが、全体としてテック株主導の上昇がリスクアセット全般に波及した。
5月2日に発表された米4月雇用統計では、非農業部門雇用者数が17.7万人増加、失業率は4.2%。弱気な市場予想に対して堅調な内容であり、労働市場の底堅さが改めて確認された。これを受け、利下げ観測は後退し、7月FOMCまでに25bpの利下げが行われる可能性は55%まで低下している。ただし、トランプ政権は利下げや長期金利の低下を望んでいるとされ、市場が安定している今、何らかの政策的働きかけがある可能性にも注意が必要だ。
暗号資産市場では、BTCが「ドル資産の不確実性に対する逃避先」としての役割を果たす中で買いが継続。しかし、現時点では暗号資産独自の新たなポジティブ材料は乏しく、過熱感も意識される水準にあるため、無理に追随するよりは調整局面での買い場を冷静に探る姿勢が求められる。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【4/27~5/3週の主な出来事】

【5/4~5/10週の主な予定】

【今週のひとこと】ProShares社のXRP先物ETF
米資産運用会社のProShares社が米国証券取引委員会(SEC)に申請しているXRP先物ETFの承認が得られれば、5月14日に公開される予定です。(XRP先物ETFは、暗号資産XRPの価格に関して先物契約を通じて追跡するもので、現物のXRPを直接保有するものではありません。)
当初はSECにより承認され4月30日に公開予定と報じられましたが、この情報は誤りであったことが確認されました。元々同社はこのETFの発効目標日を2025年4月30日として申請していましたが、新たに提出された修正書類によると、この目標日が5月14日に変更されました。この変更・延期はSECの審査延長によるものです。(SECは、提出されたETF申請に対して十分な検討時間を確保するため、審査期間の延長を行うことがあります。)
ProShares社が申請しているXRP先物ETFは次の3つです。
・Ultra XRP ETF(XRP価格の2倍の値動きを目指すレバレッジ型ETF)
・Short XRP ETF(XRP価格の1倍の逆方向の値動きを目指すインバース型ETF)
・Ultra Short XRP ETF(XRP価格の2倍の逆方向の値動きを目指すインバース型ETF)
※インバース型ETFとは、対象とする暗号資産が下落した時に、その反対方向に動き利益を上げるETFであり、現物の下落リスクを回避(ヘッジ)するためにインバース型を保有するなどの活用方法がある
先物ETFは、申請後にSECが一定期間内に異議を唱えなければ発効する仕組みですが、現時点でSECが承認、あるいは異議なしの判断を下したかは公式には確認されていません。
今回の「5月14日」という目標日は手続き上の更新であり、この日付をもってSECが公開を承認したことを意味するものではないですが、市場関係者の間では延期の報道がありながらも、同ETFはそう遠くない将来に公開される可能性が高いと予想されています。
他の事例では、米投資運用会社Teucrium社のXRP先物ETFが4月8日にニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場され、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でもXRP先物取引を5月19日から開始予定であることから、ProShares社のXRP先物ETFも公開・上場されれば、XRPの取引はより活発になり、XRP現物ETFの承認にも期待が高まります。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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