2025/04/28
暗号資産週間レポート(2025.4.20~2025.4.26)
貿易摩擦緩和と現物ETFへの資金流入でBTCは堅調に推移、今週は米国経済指標に注目
【4/20~4/26週のサマリー】・BTC、貿易摩擦懸念後退や現物ETFの好調な資金流入フローを背景に堅調な推移
・ビットコイン現物ETFの資金流入フローが2025年1月以来の高水準に達する
・米Cantor社、ソフトバンク・Tether・Bitfinexとともに暗号資産投資会社「21 Capital」の設立に向けて協議を開始したと報じられる
・CME、XRP先物のローンチを発表
【暗号資産市場概況】
4/20~4/26週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+11.81%の13,572,500円、ETH/JPYの週足終値は同+13.04%の260,585円であった(※終値は4/20の当社現物EOD[4/21 6:59:59]レートMid値)。
先週の市場は、米中貿易摩擦の緩和期待やビットコイン現物ETFへの資金流入を背景に、BTCは節目となる95,000ドルを一時回復し堅調に推移した。
米国の貿易関連では、ベッセント財務長官が「米中関税対立は持続不可能であり、緩和が期待される」との見解を示したほか、トランプ大統領も米中間の貿易協議の進展に言及。これにより市場の過度なリスク回避姿勢が後退し、相場を下支えする要因となった。一方で、中国政府は「現時点で貿易協議は行われていない」との立場を繰り返し示しており、今後の動向には引き続き注意が必要だ。
前週末に報じられたパウエルFRB議長の解任観測についてはトランプ大統領が「解任の意向はない」と明言したことで早期に沈静化し、投資家心理の改善にもつながったと考えられる。
ビットコイン現物ETFへの資金フローに関しては、22日に単日で約9.3億ドルの資金流入が観測された。これは1月17日以来の高水準であり、4月初旬から中旬にかけて見られた資金流出傾向から明確に転換した格好だ。イースター明け以降、機関投資家によるビットコインへの投資意欲が再び強まっている様子がうかがえる。
ビットコイン現物ETFの純資産総額は1,000億ドル(約14.3兆円)を突破しており、主流アセットクラスとしての認識が広まりつつある。現物市場におけるBTCの売買動向を示すボリュームデルタでも4月初旬以降は売り圧力の低下が確認されており、ビットコイン現物ETF資金流入フローの結果により、市場に供給されるBTCが機関投資家に吸収される構造が鮮明になったといえるだろう。
Coinbase Institutional(Coinbaseの機関投資家向け部門)の責任者は、CNBCのインタビューにおいて「個人投資家がETFや現物市場から後退する一方、政府系ファンドや機関投資家の参入が加速している」とコメントした。投機的なアセットではなく、インフレやマクロ経済の不確実性へのヘッジ手段としBTCの採用が機関投資家を中心に広がっていることは、暗号資産市場が新たなフェーズに入った可能性を示唆している。
さらに、4月初旬以降は主要な米国株価指数との相関が低下(デカップリング)し、BTCが相対的にアウトパフォームしている点も目を引く。こうした動きも踏まえると、今後も「デジタルゴールド」としてのBTCの存在感に対する期待が高まる一方で、その動向を慎重に見極める必要がありそうだ。
今週は、米国の景気や政策金利動向を占ううえで重要な個人消費支出(PCE)や雇用統計の発表を控えている。結果次第では市場の金利観測に大きな影響を与える可能性があり、指標発表前後には一時的にボラティリティが拡大する局面も想定されるため、リスク管理には一段と注意を払う必要があるだろう。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【4/20~4/26週の主な出来事】

【4/27~5/3週の主な予定】

【今週のひとこと】21 Capital(トゥエンティーワン・キャピタル)
現地時間で今週火曜日、30億ドル規模のビットコイン投資会社「21 Capital」が設立される見通しだと、Financial Times紙(以下、FT紙)が伝えています。
注目を集めている理由は、ラトニック米商務長官の息子、ブランドン・ラトニック氏が率いるウォール街の投資銀行Cantor社が、有力企業と組み、Strategy社(旧MicroStrategy社)のビットコイン投資戦略をなぞるような計画を進めていることにあります。
具体的には、以下の3社が出資する予定です。
・ ステーブルコインUSDTの発行体であるテザー社:15億ドル相当のビットコイン
・ ソフトバンク社:9億ドル相当のビットコイン
・ 海外暗号資産取引所ビットフィネックス:6億ドル相当のビットコイン
このディールがまとまれば、SPAC(特別買収目的会社)であるCantor Equity Partnersと合併したうえで、30億ドル規模のビットコイン資産をもとに21 Capitalが設立される見込みです。
さらに設立後には、債券やプライベート・エクイティ経由で、追加で5億8,500万ドル相当のビットコインを購入する計画もあるとのことです。ローンチ時点で42,000BTC以上を保有することになり、世界第3位の規模に躍り出る可能性もあります。ただ、21 Capitalの設立計画については、今後修正や取り下げが行われるリスクも指摘されており、引き続き注視が必要です。
特に注目したいのがテザー社とCantor社の関係性です。ラトニック商務長官がかつてCantor社のCEOを務めていた頃、同社はテザー社の持ち分を5%取得していたという背景があります。現在、長官自身は利害相反を避けるためにCantor社の持ち分を手放したものの、息子であるブランドン・ラトニック氏が引き続きCantor社のCEOを務めている状況を踏まえると、今後はいっそう厳格な「無関係性」を示す努力が求められそうです。
近年、国内外で上場企業を含む営利企業が財務戦略の一環として暗号資産を採用する動きが広がっています。制度の整備が進んでいけば、暗号資産の可能性に共感する企業は今後も着実に広がっていくのではないでしょうか。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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