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マーケット情報

2025/11/12

米政府機関一部閉鎖解除への期待、年末に向けた再上昇のきっかけとなるか?

長らく続いた米国政府機関の一部閉鎖ですが、いよいよ解除に向けて動きが見られ始めました。
共和党と民主党の間で対立が続いていた主要争点「オバマケア」については、12月に再協議する方針となり、これを一旦棚上げにしたうえで採決に進む流れとなりました。

その結果、上院では60対40でフィリバスター(議事妨害)を回避し、可決されました。
日本時間13日午前6時ごろには下院が招集される見通しで、明朝の東京市場オープン前後には結果が判明する見込みです。可決されれば大統領署名を経て、史上最長となった政府一部閉鎖がようやく解除されます。

参考:https://www.cbsnews.com/live-updates/government-shutdown-latest-house-senate-vote/?utm_source=chatgpt.com

これによりSEC(米証券取引委員会)も再稼働し、金融市場にも波及効果が期待されます。
SECが再始動すれば、暗号資産ETFの上場承認プロセスも再び加速するでしょう。特に注目されるのが、ブラックロックが申請中の「ETHステーキング付きETF」です。11月中の上場実現となるか、マーケットの注目が集まっています。

また、来年の中間選挙まで1年を切る中で、トランプ政権は財政出動や金融緩和といった景気刺激策を打ち出す可能性もあります。過去に議論された「BTCの国家準備金構想」なども再浮上する可能性があり、市場を盛り上げる材料が出てくる展開を想定しています。



■BTCは調整十分か?


【採用テクニカル】
• 移動平均線(SMA):30(赤)、90(青)、200(橙)
• MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)


BTC/JPYの日足チャートを見ると、昨日は一時高値を更新したものの、その後大陰線を形成し、売りに押されました。残念ながらSMA200(橙)を上抜けて終値を維持することはできませんでした。
短期的な利確売りが出たことに加え、NY時間には現物の売却も目立ち、上値を抑える展開となりました。これまで上で捕まっていたポジションの逃げ売りが出たと見られますが、こうした動きは徐々に沈静化していくと考えています。

10月以降は想定外の大幅下落となりましたが、高値からの下落率はすでに20%を超えています。
過去の上昇局面において、BTCが20%を超えて反落したケースは極めて稀で、むしろ「絶好の買い場」となることが多くありました。
今回も同様の展開となる可能性があり、この値動きに筆者は注目し、再び上昇に賭ける構えです。



■ 下降トレンドライン内に逆戻りも、再上昇の兆しに注目

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)


BTC/JPYの4時間足では、一時下降トレンドラインを上抜け、下落トレンド終了の兆しも見えましたが、その後再びトレンドライン内に押し戻されました。
SMA30(赤)をわずかに下回った点はネガティブですが、本日中に同水準を上抜けて引けるかがポイントです。もし上で引ければ、明日以降の再上昇に期待が持てるでしょう。

前述の通り、政府機関一部閉鎖解除はマーケットにとって明確なポジティブ材料です。
SEC再開によるETF承認加速の可能性が高く、これをきっかけに大きく反発するシナリオを想定しています。
また、政府機関の再開後には経済指標の発表も再開され、もし実体経済の悪化が確認されれば、2026年にかけて利下げ観測がさらに強まる可能性もあります。



■ ETHは上昇トレンドラインを維持、反発リズム継続中

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)


ETH/JPYの4時間足チャートでは、安値から引いた上昇トレンドラインを維持しており、反発のリズムを崩していません。
MACDはデッドクロスを示していますが、過去にも「騙し」となるケースが多く、筆者は強気のロングポジションを徐々に構築中です。

背景には、ブラックロックによるETHステーキング付きETFの上場期待があります。こうした思惑もあり、BTCに比べてチャート形状の悪化が限定的と見られます。
仮に反発に転じた場合、目先のターゲットはSMA200(橙)付近の57〜58万円水準を想定。短期スイングトレードで狙いやすい局面と判断しています。



■ SOLは下限チャネル到達、短期的な買い場か

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)


SOL/JPYの4時間足では、ETHよりもやや形状は劣りますが、依然としてボトム圏での並行チャネルを形成中です。現在は下限ライン付近に位置しており、短期的な買い場と判断しています。

また、米BitwiseのSOL ETFでは少額ながらも資金流入が継続しています。
Farside(https://farside.co.uk/sol/)のデータによれば、上場から2週間で約3.31億ドル(331Mドル)の資金が流入しており、これはBTCとの時価総額比を考えると非常にポジティブな数字です。
SOLの時価総額はBTCの約1/20〜1/23程度に過ぎず、仮に同規模の資金が流入すれば価格インパクトは相対的に大きくなります。下落相場が落ち着けば、大幅反発の可能性も期待できるでしょう。



■ 総括

現状、暗号資産市場全体には依然として悲観的なムードが漂っています。
しかし、BTCやETHを中心にテクニカルな底堅さが見え始めており、米政府機関の再開・ETF承認・金融緩和観測など、ファンダメンタルズ面でも好転材料が揃いつつあります。

過度な悲観に傾く局面こそ、次の上昇相場の序章である可能性があります。
筆者は年末に向けて、再上昇ラリーを想定した強気のスタンスで臨む予定です。




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