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201日前

ECB、古参ビットコイン投資家が新規投資家を搾取していると指摘

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 欧州中央銀行(ECB)が最近発表した報告書では、ビットコインの古くからの投資家が最近参入した投資家の犠牲の上に利益を得ていると述べている。

 この報告書では、ビットコインの非中央集権的で限定的な供給構造により、暗号資産を早く購入した者や低価格で購入した者が利益を得て売却し、新規購入者から搾取するシステムになっていると論じている。

 著者は、ビットコインが「不公正な」富の移転を防ぐために、厳格な価格規制を行うか、完全に禁止するべきだと提唱している。

●ビットコインによる富の分配が社会不安を引き起こす可能性

 報告書によると、ビットコインによる富の分配は社会的不安定を引き起こす可能性があるという。

「現在の非保有者は、ビットコインに反対し、ビットコイン価格の上昇を阻止するか、完全に消滅することを目指し、ビットコインに反対する法律を提唱する正当な理由があることに気づくべきである。」と述べている。

 ECBの報告書はまた、ビットコインがしばしば違法取引に使用されているとする過去の研究を引用し、犯罪活動におけるビットコインの役割についても懸念を示している。

 しかし、この見解には、2024年5月の米財務省の報告書が異議を唱えており、ビットコインのような暗号資産ではなく、不換紙幣が依然として違法行為の最も一般的な手段であると指摘している。

 興味深いことに、ECBの報告書では、ビットコインが09年に誕生して以来、その価値が急上昇している理由については触れていない。

 また、ビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモト氏が、この資産を分散型決済システムとして、また不換紙幣の切り下げに対するリスク回避として設計した、という事実も見落としている。

 ビットコインの供給量は2100万枚が上限であるため、その希少性が価格上昇の主な要因となっており、これは特に世界各国の政府が通貨供給量を増加させているためである。

●ECBの報告書は金融インフレの文脈に触れず

 ECBの姿勢を批判する人々は、この文書が金融インフレの広範な状況を取り上げていないと指摘している。

 例えば、英国の公的部門債務は23年から24年にかけてGDP(国内総生産)の98%近くに達し、1960年代以来の高水準となった。

 米国では、20年以降M2マネーサプライ(現金通貨、預金通貨、準通貨、譲渡性預金を足した通貨供給量のこと)が41%増加したこともあり、国家債務は35兆ドルに膨れ上がっている。

 ビットコインには実質的な価値がないにもかかわらず、不安定化の脅威をもたらすという矛盾した主張は、ビットコインがその対策として考案された、インフレ圧力を無視している。

 従来の通貨が購買力を失う中、ビットコインの貯蓄価値としての役割は、機関投資家と個人投資家の双方を魅了し続けている。

 同時に、個人投資家と機関投資家の間でビットコインとその関連商品への関心が高まっている。

 金融サービス大手のCharles Schwabが委託した最近の調査では、米国の投資家が暗号資産を保有するETF(上場投資信託)への関心を高めていることが明らかになった。

 調査によると、回答者の45%が今後1年間にETFを通じて暗号資産に投資する予定であり、前年の38%から増加している。

 暗号資産への関心の高まりは、今や債券やオルタナティブ資産(伝統的な投資対象資産である上場株式、債券に対する代替的な投資資産の総称)への需要を上回り、参加者の55%が株式への投資計画を示していることから、米国株式のみが上位に入った。

 ミレニアル世代のETF投資家は暗号資産への熱意がさらに強く、62%が暗号資産分野に資金を充てる意向を示しており、米国株式への投資意向が48%、債券への投資意向が47%、商品先物などの実物資産への投資意向が46%だった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/european-central-bank-claims-early-bitcoin-investors-exploit-new-buyers/

This story originally appeared on cryptonews.com.

提供:ウエルスアドバイザー
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