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1日前
現金利用が激減、欧州は民間主導の解決を待てないとECBが警告―CBDCは最適解となるか?
ECB(欧州中央銀行)のピエロ・チポローネ理事は、現金の利用が取引総額の24%にまで激減している現状を踏まえ、欧州版CBDC(中央銀行デジタル通貨)であるデジタルユーロプロジェクトを先延ばしにする余裕はないと警告した。特に地政学的な要因による決済システムの脆弱性が懸念される中、民間セクターによる代替手段だけでは不十分だと指摘している。
ECBのピエロ・チポローネ理事は、デジタルユーロプロジェクトを民間セクターの代替手段を待つ形で遅延させる余裕は欧州にはないと強く主張した。2024年時点で現金の利用が日常取引総額のわずか24%にまで減少しており(5年前は40%だった)、これがその根拠だ。
1月22日にスペイン紙『エル・パイス』のインタビューで語ったところによると、ECB理事会メンバーであるチポローネ氏は、技術革新が進む中でECBは決済インフラを適応させる必要があると主張。現在経済を支配するデジタル取引において、欧州人が欧州外のプロバイダーにますます依存するようになっている現状を指摘した。
この動きは、地政学的緊張が欧州の決済システムの脆弱性を露呈する中で起こっている。最近の出来事は、金融インフラに対する外国の支配力がいかに武器化され得るかを明らかにした。
チポローネ氏はデジタルユーロを単なる防御的措置として位置付けることには消極的だったが、「これらの潜在的な地政学的緊張や、考えられるあらゆる手段が武器化される可能性は、明らかにリスクレベルを上昇させる」と認め、完全に欧州が管理可能なシステムを構築する必要性を強調した。
●現金利用の減少が中央銀行に対応を迫る
チポローネ氏は、電子商取引が現在日常取引総額の3分の1以上を占めるようになったと説明する一方で、中央銀行発行通貨はこうした取引には使用できないと指摘した。
「われわれは小売決済と卸売決済の両方の手段を提供している」と同氏は述べた上で、「小売レベルでは現金を提供しているが、人々のニーズを完全に満たすことはできない。なぜならデジタル決済には使用できないからだ」としている。
ECBの当局者は、この状況は安定した状態ではなく加速的な変化の過程にあると強調した。
10年前、現金は消費者のほぼすべての決済ニーズを満たしていたが、技術革新により決済習慣は根本的に変化した。
「小売取引における中央銀行発行通貨(ユーロ)の利用可能性は急速に減少している」とチポローネ氏は述べ、デジタルユーロはこの新たな環境に適応するため、紙幣や硬貨と並ぶデジタル通貨として機能すると説明した。
技術的な準備は2025年10月にECBが2年間の準備期間を終えたことで完了しており、クリスティーヌ・ラガルドECB総裁は先月(25年12月)、「我々の作業は完了し、必要な準備を整えた」と明言している。
今後はEU(欧州連合)機関が法制化を完了させる段階にあり、チポローネ氏は以前、パイロット取引は2027年半ばに開始可能で、今年(2026年)中に立法枠組みが承認されれば2029年にも最初の発行が可能となる見込みだと示していた。
●民間主導の解決策は不十分として却下
ECBは、欧州議会の一部議員が提案していた「銀行業界が欧州統一決済システムを開発するまで待機すべき」との見解を退けた。
チポローネ氏によれば、中央銀行は長年にわたり民間主導の解決策を支持しており、統合に向けた取り組みも歓迎しているが、デジタルユーロ自体が民間セクターによる欧州統一システムの開発をさらに加速させる可能性が高いと強調した。
法定通貨としてのデジタルユーロは、現在デジタル決済を受け付けているすべての事業者に受け入れを義務付けることになる。これにより、欧州全域のすべての事業者において単一の公的標準が確立されることになる。
「現在、決済サービスプロバイダー(銀行やフィンテック企業)が事業者にサービスを提供する場合、事業者はそのプロバイダーの基準に従う必要がある」とチポローネ氏は述べるとともに、「デジタルユーロが導入されれば、単一のオープン標準が確立され、これは民間セクターでも利用可能となるだろう」としている。
同氏は、デジタルユーロをオフライン環境のみで導入するという提案を強く批判し、このようなアプローチでは電子商取引向けの実用的な欧州決済手段の不足問題をどう解決できるのかと疑問を呈した。
「オフライン方式でどのように電子商取引の決済を行うというのか? 私には理解できない」とチポローネ氏は語った。
●地政学的要因がインフラの脆弱性を露呈
最近の出来事は、欧州の決済システムが外国の支配下にある場合のリスクを浮き彫りにした。
クリプトニュース(Cryptonews)の報道では、は、米国発行のクレジットカードがビザとマスターカードによってブロックされ、欧州全域での決済能力が制限された国際刑事裁判所の判事たちの事例をチポローネ氏が挙げている。
「デジタルユーロがあれば、彼らはユーロ圏全域で引き続き決済を行うことができただろう」と同氏は別の『南ドイツ新聞』のインタビューで指摘している。
欧州の経済学者70名は1月12日付の公開書簡でこの懸念をさらに強調し、現在13のユーロ圏諸国が基本的な小売取引において完全に海外のカード決済システムに依存している現状を警告した。
「このような海外(米国)の決済プロバイダーへの依存は、欧州市民や企業、政府を地政学的な圧力、海外の商業的利益、そして欧州の制御を超えたシステムリスクにさらすことになる」と学者たちは記し、デジタルユーロが「主権的で強靭な欧州決済インフラの中核」として機能することを強く求めた。
決済システムの武器化という新たな問題が注目を集めたのは、トランプ米大統領が1月19日にグリーンランドをめぐる問題で8カ国の欧州諸国に対し関税を課すと脅した際、24時間以内に8億7500万ドル相当の暗号資産が清算されるという事態が発生したことからも明らかだ。この事例は、地政学的緊張がいかに迅速に金融市場に波及するかを示している。
チポローネ氏は、FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長の独立性について問われた際、米国の政治情勢に直接言及することは避けつつも、ECBがユーロ圏のインフレ目標の達成にのみ専心していることを強調した。
(イメージ写真提供:123RF)
https://cryptonews.com/news/ecb-warns-europe-cant-wait-for-private-solution-as-cash-use-plunges-is-cbdc-the-answer/
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