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3日前

SEC、フランクリンのソラナETF判断を11月14日へ延期―審査滞留が拡大

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 SEC(米証券取引委員会)は、フランクリン・テンプルトンのソラナおよびXRPに連動するETF(上場投資信託)提案に対する判断期限を11月14日まで延長した。最長60日間の延長権限を行使し、最終判断を下す前に追加の審査期間を設けた。

 また、ブラックロックのアイシェアーズ・イーサリアム・トラストのステーキング修正案についても判断を10月30日まで延期し、当初の期限に45日を加えた。

●SECは判断にさらなる時間を必要とする

 SECの提出書類によれば、同委員会は「十分な検討時間が必要」としており、承認か否認かの方向性は示していない。今回の延期は、7月31日にポール・アトキンス委員長が開始した「プロジェクト・クリプト」に続く動きで、証券規則の近代化とデジタル資産枠組みの統一を狙う。

 フランクリンは3月中旬にイーサリアム、ソラナ、XRP関連商品をCboe BZX取引所を通じて申請。ブラックロックのイーサリアム・ステーキング修正案は7月16日にナスダックから提出された。延長は証券取引法第19条(b)に基づく標準的な手続きとされる。

 ブルームバーグのアナリストは、度重なる延期にもかかわらず、ソラナとXRPのETFが年内に承認される確率を95%以上と予測。ポリマーケットではソラナETF承認確率が99%に達しており、機関投資家の楽観論を裏付けている。

 8月29日時点で92件の暗号資産ETF申請がSECの審査待ちとなっており、ビットワイズのドージコインETF、グレイスケールのヘデラ・トラスト、トゥルース・ソーシャルのビットコイン・イーサリアムETFなど、多数のオルトコイン案件も対象となっている。

 さらに、グレイスケールのヘデラ・トラストは11月12日に延期され、XRP、ドージコイン、ライトコイン関連の複数提案も10月から11月にかけて期限が散在している。

●戦略的な延期パターンは包括的な上場基準の見直しを示唆

 ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、延期の背景に7月にCboeとNYSEが要請した「包括的な上場基準」策定に向けたSECとの調整があると分析する。

 両取引所は、暗号資産ETFを個別審査なしで自動上場できるよう規則改正を提案。現行制度では申請ごとに規則改正が必要で、最大240日間の審査を要している。

 包括的な基準が導入されれば、一定条件を満たす商品については厳格な個別審査を省略でき、10月初旬の承認後には「数カ月内にETFが一斉に登場する」と同氏は見込む。

 この簡素化により複数の商品が同時に上場可能となり、これまでの段階的承認方式に代わる見通しだ。

 また、現行SEC指導部のもとでは発行体との協議を通じた課題解決の姿勢が強く、イーサリアムETFへのステーキング統合が現実味を帯びている。

 ブラックロックは5月以降、ステーキングが利回りを可能にすることでイーサリアムETFの完全性を担保すると主張。SECは21シェアーズのコア・イーサリアムETFやトゥルース・ソーシャル関連提案の判断も延期している。

 業界大手のグレイスケールや21シェアーズは、既存のオルトコイン信託をETFへ転換しつつ、イーサリアム・ステーキングETFの申請も継続。グレイスケールはライトコイン、ソラナ、ドージコイン、XRP、アバランチETFの認可を求めている。

●規制不透明感の中で機関投資家の勢い強まる

 ブラックロックは5月、SECの暗号資産タスクフォースと協議し、ステーキングの取扱いや伝統的証券のトークン化の可能性について議論した。同社は29億ドル規模のトークン化国債ファンド「BUIDL」を運用しており、ステーキングを通じたイーサリアムETFの完全機能化を訴えている。

 カナダや欧州では既にステーキング機能を備えた暗号資産ETFが存在するが、米国では承認が保留されている。a16z crypto、コンセンシス、クラーケンが支援する暗号資産イノベーション協議会も、SECにステーキング規制の明確化を求めている。

 現在、ビットコインやイーサリアム以外も含め70件超の暗号資産ETF申請が不透明な状況にあり、ソラナ関連企業は数百億ドル規模の資金を積み上げ、承認を待ち構えている。

 1月の就任以来、トランプ大統領の暗号資産推進姿勢は市場に楽観論をもたらしており、アトキンス委員長もOECD金融市場ラウンドテーブルで「暗号資産の時代が来た」と発言した。

 こうした系統的な延期は個別案件への懸念ではなく、規制全体の再構築戦略の一環とみられる。包括的基準が承認されれば、蓄積された需要に応じてオルトコインETFが一斉に登場する可能性が高い。

 ポリマーケットではXRPの承認確率が8月の64%から92%へ上昇。ドージコインも6月の44%から94%へ急伸し、ミームコインの中で高い期待が寄せられている。

 一方で、規制不透明感にもかかわらず機関投資家の需要は拡大を続け、現物ビットコインETFは昨日だけで7億5700万ドルの純流入を記録。3日連続の流入となった。

 同時に、現物イーサリアムETFも1億7200万ドルの純流入を記録し、ブラックロックのETHAが7450万ドルで首位となった。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/sec-postpones-franklin-solana-etf-ruling-by-60-days-to-november-14/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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