Market Report

マーケット情報

cryptonews
163日前

ポートフォリオにビットコインを加えた英国の年金基金に批判の声

thumbnail

 英国の年金基金が、ビットコイン(BTC)に投資したことで無責任だと批判を受けている。

 11月に、同基金が英国で初めてポートフォリオの3%をビットコインに割り当てたと報じられた。5000万ポンドの資産プールを基にしたこの150万ポンドの投資は、従業員のリターンの向上を目的としていた。この直後に、ドナルド・トランプ氏の当選を受けてビットコインが大幅に上昇した。

 スカイ・ニュースは27日、複数の専門家が年金基金のこの決定を批判し、「退職者の将来を博打に賭ける」危険を冒したと警告した。

●金融専門家、年金基金におけるビットコインの役割を議論

 キングスフリートでマネージング・ディレクターを務めるコリン・ロウ氏は、この動きは「奇妙だ」と述べた。同氏は、年金基金は投機的な賭けではなく長期投資を優先すべきだと主張した。ビットコインには内在的価値がないと考えているロウ氏は、こうした投資期間の長いファンドが受益者の資産をビットコインに賭けるという皮肉を指摘した。

 ウィルトシャー・ウェルスでアクチュアリーを務めるダニエル・ウィルトシャー氏は、この投資は「極めて無責任」だと述べた。同氏は、年金管財人は資産を慎重に運用しなければならないと強調し、英国の金融監視当局に対し、加入者保護のための介入を求めた。

 一方、トーマス・リーガルでディレクターを務めるクリス・バリー氏は、暗号資産(仮想通貨)への5%以下の配分は「賢明だ」と述べた。同氏は英国の年金基金に対し、何年間も暗号資産に投資している米国の年金基金の例にならうよう促した。

●年金基金、安定性への懸念が生じる中ビットコインで限界を広げる

 年金を専門とするカートライトが、同基金にこの投資を助言した。カートライトで投資コンサルティング担当ディレクターを務めるサム・ロバーツ氏はクリプトニュースに対し、同基金はポートフォリオを多様化させようとしていると語った。「ビットコインは現在、年金基金にとって70年代の株式と同じような感覚だろう」と同氏は述べた。

 ビットコインの価格変動は通常、年金基金が好むリスク特性と一致しない。これらの基金は、暗号資産のような高リスクで投機的な資産ではなく、安定した長期的な成長に重点を置くはずだ。批判者らは、ビットコインのボラティリティが大きな損失に繋がり、退職者の金融的安全性を危険に晒す可能性があると主張している。

 英国のFCA(金融行為規制機構)は、暗号資産のリスクの高さを警告し、失ってもいい額だけを投資するよう助言している。この警告は、退職後の貯えを保護するための年金ポートフォリオにこうした資産を加えることへの懸念を強調している。

 こうした懸念にもかかわらず、世界の年金基金は暗号資産への投資を検討し始めている。フロリダ州のジミー・パトロナスCFO(最高財務責任者)は10月、ビットコイン準備金を創設し、それを州の年金基金に追加するという案を出した。5月には、米国第9位の年金基金であるSWIB(ウィスコンシン州投資委員会)が、ビットコインに9900万ドルを投資した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/uk-pension-scheme-slammed-adding-bitcoin-portfolio/

This story originally appeared on cryptonews.com.

提供:ウエルスアドバイザー
お客様は、本ニュースに表示されている情報をお客様自身のためにのみご利用するものとし、第三者への提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、 複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。本ニュースはウエルスアドバイザー社が収集・作成等したものであり、 当社がその内容を保証するものではありません。 また、これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社及びウエルスアドバイザー社は一切の責任を負いません。 本ニュースに表示されている事項は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっての最終判断はお客様ご自身でお願いします。
マーケット情報一覧へ戻る