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19日前

アジアの富裕層が暗号資産投資を拡大か

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 好調な市場のリターン、好意的な規制、そしてデジタル資産は今や多様化されたポートフォリオの中核であるという認識を背景に、アジアの富裕層とその投資機関が暗号資産(仮想通貨)へのエクスポージャーを急速に増やしている。

 シンガポールに拠点を置くネクストジェン・デジタル・ベンチャーの創業者であるジェイソン・ホワン氏は、ロング・ショート型暗号資産株式商品であるネクスト・ジェネレーション・ファンドⅡのために、自社がわずか数カ月間で1億ドル超を調達したと述べた。

 「当社の投資家、主にファミリー・オフィス(富裕層の一族の資産を管理・運用するための組織)とインターネットまたははフィンテック系起業家は、多様化されたポートフォリオにおけるデジタル資産の役割の高まりを認識している」とホワン氏は述べた。24年に清算した同氏の最初のファンドは、2年足らずで375%の利益を出した。

●UBS:中国のファミリー・オフィスが暗号資産へのエクスポージャーを5%に拡大する計画

 配分の増大は、大手銀行も指摘している。UBSは、海外に拠点を置く中国のファミリー・オフィスの一部が、暗号資産へのエクスポージャーを保有資産の5%前後に拡大する計画を立てていると述べた。

 UBSチャイナのウェルス・マネジメント責任者であるル・ズージェ氏は、「ファミリー・オフィスの2、3代目の多くが暗号資産を学び、参加し始めている」と述べた。

 ビットコイン(BTC)が8月に急騰して1BTC=12万4000ドルを超えたことで、この熱狂はさらに高まっている。ドナルド・トランプ大統領の政権が最近、暗号資産支持のGENIUS法を前進させた一方、香港のステーブルコイン法は同地域における信頼感を高めた。

 ジェミニでアジア太平洋地域責任者を務めるサアド・アハメド氏は、「勢いは確実についており、これはこの資産クラス全体の成熟によるものだと思う」と述べた。

 ウェルス・マネージャーらは、認識の変化を指摘した。数年前、ファミリー・オフィスはデジタル資産を資産配分の選択肢の1つだと考えていたが、現在は暗号資産は不可欠だとの見方が強まっている。

 シンガポールに拠点を置くレボ・デジタル・ファミリー・オフィスのザン・クォンCIO(最高投資責任者)は、「彼らは24年にビットコインETF(上場投資信託)に参入し始めた…現在は、トークンの直接保有の違いを学び始めている」と述べた。

 一部のファミリーオフィスは、バイ・アンド・ホールドだけでなくより複雑な戦略を採用している。シンガポールのウェルス・マネージャーであるライトハウス・カントンは、顧客がベーシス取引やアービトラージを検討していると述べた。

 フィデリティ・インターナショナルのジゼル・ライ氏は、ビットコインは現在、マクロ経済の不確実性に対するヘッジとみなされていると述べ、株式や債券との相関の低さを指摘した。

●ハッシュキー・エクスチェンジ、暗号資産ブームの中で利用者が85%急増

 取引所はこのトレンドの恩恵を受けている。香港のハッシュキー・エクスチェンジは、8月時点で登録ユーザーが対前年比で85%急増したと報告した。

 韓国では、3大プラットフォームにおける取引量が25年に入ってから17%増となり、平均日次取引量は20%超上昇している。

 既報の通り、韓国当局は機関による取引の規制を解除し、同国初の現物暗号資産ETF(上場投資信託)を承認する構えだ。

 イ・ジェミョン大統領政権は、韓国ウォンに連動したステーブルコイン枠組みにも取り組んでおり、最近の制限にも関わらずデジタル金融へのよりオープンなアプローチが示唆される。

 韓国最大の暗号資産取引所アップビットを運営するドゥナムは先週、暗号資産投資に対する規制上の承認で安全な保管ソリューションの需要が拡大する中、企業と機関の顧客を対象とした新たなカストディ・サービスを公表した。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/asian-family-offices-pour-100m-into-crypto-as-demand-surges/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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