Market Report

マーケット情報

cryptonews
23時間前

米上院議員が警告:暗号資産が銀行システム崩壊の脅威に――SVB破たんは「序章」に過ぎなかった

thumbnail

 米議会が暗号資産市場の新たな規制枠組み法案を審議する中、民主党の重鎮上院議員は、シリコンバレー銀行(SVB)の破たんが、暗号資産関連の取引が銀行システムの不安定化を加速させる可能性を露呈したと指摘した。

 今週(1月)、上院銀行委員会が暗号資産市場の新たな規制枠組み法案の審議準備を進める中、民主党の重鎮上院議員によるこの警告は、暗号資産が米国金融システムにおいて果たす役割や、2023年の銀行破たんとの関連性をめぐる議論を再燃させた。

 同議員は、シリコンバレー銀行の破たんは偶発的な事故ではなく、暗号資産関連取引が既に脆弱な状態にあった銀行システムと衝突した際に起こり得る事態の早期警告だったと主張している。

 この警告は、昨年(25年)9月に上院常設調査小委員会が発表した292ページに及ぶ調査報告書の内容を強く根拠としている。

●暗号資産時代の銀行取り付け騒ぎが規制当局の目をすり抜けた経緯――上院議員が警告

 フォックス・ニュースに掲載された意見記事で、リチャード・ブルーメンタール上院議員は、シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、ファースト・リパブリック銀行の破たん事例を検証した。これら3行はいずれも破たん直前に監査で「問題なし」との評価を受けていた。

 上院議員は、今回の監査報告書が、急速に増加する預金、不透明なリスクエクスポージャー、そして暗号資産やベンチャーキャピタルからの資金流入・流出が加速するビジネスモデルに伴うリスクの増大を覆い隠していると指摘した。

 上院議員の説明によれば、シリコンバレー銀行の破たんは典型的なパターンをたどっていたという。

 低金利時代の好景気期には、同銀行はテクノロジー系スタートアップ企業やベンチャーキャピタル支援企業、特に暗号資産関連企業から大量の預金を集めていた。

 しかし、金利上昇やFTXなどの主要暗号資産企業が破たんした後、市場環境が一変すると、投資家の信頼は急速に失われ、デジタルチャネルを通じてパニックが瞬く間に広がった。その結果、資金の引き出しが歴史的なスピードで急増した。

 最終的に規制当局は、さらなる金融不安の拡大を防ぐため、最大3400億ドルに及ぶ緊急支援を決定した。それにもかかわらず、株式と債券の価値で540億ドル以上が消失するという事態に陥った。

 上院議員は、シグネチャー銀行を暗号資産関連リスクのより明確な事例として挙げている。シグネチャー銀行は積極的にデジタル資産関連企業を顧客として獲得し、暗号資産関連の預金基盤を大きく拡大していた。

 2022年後半のFTX破たん後、これら預金は一斉に流出した。

 監査機関は繰り返し「リスクは適切に管理されている」と国民に説明していたが、実際にはその数カ月後に銀行は閉鎖に追い込まれた。

 上院議員にとって、この事例は暗号資産の複雑性と透明性の欠如が、規制当局が対応する前に従来の監督体制を圧倒し得ることを示す典型的なケースである。

 特に注目すべきは、ステーブルコインに対する懸念も存在している点だ。上院議員はステーブルコインを「銀行預金の代替として宣伝されているデジタルドル」と表現している。

 ステーブルコイン市場の時価総額は約3000億ドルと評価されており、2030年までにその規模が4倍に拡大するとの予測もある。同氏は、適切な規制措置が講じられない場合、損失額ははるかに大きくなる可能性があると警告している。

 昨年(25年)夏にジーニアス(GENIUS)法が成立して以来、複数の主要ステーブルコインが一時的にペッグを失い、数億ドル規模の価値が消失する事態が発生している。

●暗号資産時代における銀行取り付け騒ぎ――規制当局が事態の深刻さに気づくまでの経緯

 暗号資産業界の関係者は、この問題を「暗号資産のせい」とする見方を強く否定している。市場アナリストや業界幹部らは、シリコンバレー銀行の破たんを暗号資産のせいにすることは、十分に記録された事実を歪曲するものだと主張している。

 彼らは、SVBの根本的な破たん原因は、金利管理の典型的な失敗事例であると指摘する。

 同銀行は金利が低かった時期に米長期国債に多額の投資を行ったが、そのリスクヘッジを適切に行っていなかった。

 金利が急激に上昇した際、この投資による損失が確定した。さらに、預金の90%以上が保険対象外であり、しかもその大半が密接なつながりを持つテクノロジー業界に集中していたため、信用不安が生じた時点で取り付け騒ぎがほぼ不可避の状況に陥っていた。

 批判派が指摘するように、シルバーゲート銀行のケースはこれとは異なる。同社の破たんは暗号資産市場のボラティリティと直接的に関連しており、FTXの破たん後に生じた信頼喪失が引き金となったものである。

 実際、同社の預金は1四半期で68%も減少し、資産売却を余儀なくされた結果、7億1800万ドルの損失を計上した末に清算に追い込まれた。

 しかし、暗号資産擁護派の立場では、問題の本質は集中リスクとバランスシートの脆弱性にあり、暗号資産は直接的な原因ではなく単なる引き金に過ぎなかったと主張している。

 彼らはまた、「デジタル時代特有の急速な取り付け騒ぎ」という考え方そのものを否定する。

 銀行取り付け騒ぎはスマートフォンやブロックチェーン技術が登場する数世紀前から発生していた。技術の進歩によってそのプロセスが加速したことは事実だが、脆弱性そのものを生み出したわけではない、というのが彼らの見解である。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/senator-crypto-threat-banking-stability-svb-preview/

This story originally appeared on cryptonews.com.

提供:ウエルスアドバイザー
お客様は、本ニュースに表示されている情報をお客様自身のためにのみご利用するものとし、第三者への提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、 複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。本ニュースはウエルスアドバイザー社が収集・作成等したものであり、 当社がその内容を保証するものではありません。 また、これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社及びウエルスアドバイザー社は一切の責任を負いません。 本ニュースに表示されている事項は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっての最終判断はお客様ご自身でお願いします。
マーケット情報一覧へ戻る