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6日前

SEC、XRPなどアルトコインのETF申請取り下げを指示―「新基準」導入で個別審査不要に

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 SEC(米証券取引委員会)は、ライトコイン(LTC)、XRP(XRP)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)、ドージコイン(DOGE)を対象とした現物型ETF(上場投資信託)の申請会社に対し、提出済みの「19b-4」の取り下げを求めた。

 この措置は、9月18日にSECが承認した「一般的な上場基準」の導入により「19b-4」の提出が不要になったためで、発行企業にとっての後退を意味するものではない。各トークンごとの個別審査がなくなり、新たな暗号資産ETFの上場プロセスが簡素化されることとなる。

●新制度の下で拡大するBTC・ETH以外の暗号資産ETF市場

 新たな枠組みにより、ナスダック、Cboe BZX、NYSE Arcaといった取引所は、事前に定められた基準を満たす限り、一般規則の下で暗号資産ETFを上場可能となった。

 これにより、発行企業は最終段階である「S-1登録届出書」の提出に直接進むことが可能となり、従来より迅速な商品上場が期待される。

 今後は、不要となった19b-4の撤回が今週から始まる見通しであり、既存の申請に関しては10月にいくつかの期限が迫っている。

 現時点で、ビットコインおよびイーサリアム以外のトークンを対象とした少なくとも16件の提案がSECの審査下にある。今回の変更は、暗号資産関連金融商品の制度的成熟を示すものと、規制当局は説明している。

 SECが承認した一般的な基準は、デジタル資産ETFのための安定した基盤を提供することを目的としており、ブロックチェーンベースの資本市場の発展を促進するための例外措置も含まれている。

 SECのポール・アトキンス委員長は、「この新制度は、投資家保護を維持しつつ障壁を低減し、イノベーションを支援する」と述べている。

 発行企業であるグレースケール、21シェアーズ、ヴァンエックなどにとって、この制度変更は重要な意味を持つ。従来は、各商品について、取引所側の19b-4と発行者側のS-1、2つの承認が必要であり、そのプロセスは9か月以上を要することもあった。

 しかし、一般基準の導入により、審査期間は最短75日まで短縮される可能性がある。

 SECはすでにこの新制度を実際に適用している。9月18日には、グレースケールの「デジタル・ラージキャップ・ファンド(GDLC)」を承認し、これは簡素化された制度の下で初めて上場された複数暗号資産対応のETP(上場投資商品)となった。

 GDLCはビットコイン、イーサリアム、XRP、ソラナ、カルダノへのエクスポージャーを提供し、現在の運用資産総額は91500万ドルを超えている。この承認は、米国市場におけるマルチアセット型暗号資産商品の転機となった。

 この制度変更は、新たな申請が相次ぐ中で実施された。9月17日には、ビットワイズのアバランチETFや、タトル社によるボンク、ライトコイン、スイを含む「インカムブラスト」ファンドなど、少なくとも5件の新規提案が提出された。

 ETFインスティテュート共同創設者のネイト・ジェラシ氏は、「これらの申請は、ビットコインとイーサリアムを超えて市場が急速に広がっていることを示している」と述べている。

●SEC、ソラナ・XRPなどの重要期限迫る中で大量の暗号資産ETF申請に直面

 現在、92件を超える暗号資産ETF申請がSECに提出されている。

 そのうち複数の申請は、10月および11月に審査期限を迎える。フランクリン・テンプルトンによるソラナおよびXRPのETF申請は、SECが今月初めに最大60日間の延長権限を行使したことにより、11月14日が最終期限となる。

 ブラックロックのイーサリアム信託へのステーキング機能追加の修正申請は、10月30日が期限。グレースケールのヘデラ信託は11月12日に判断予定であり、ドージコイン、ライトコインなどの他のアルトコインに関する提案も同時期に集中している。

 ブルームバーグのアナリストは、ソラナおよびXRPのETFが年内に承認される可能性を95%以上と予測。ポリマーケットでも、ソラナETF承認の確率は99%とされている。

 アナリストらは、新基準の導入により、審査スケジュールがこれまでのように期限に縛られず、SECが適格性を確認し次第、S-1登録の承認を随時出せるようになったと指摘する。

 SECはまた、CFTC(米商品先物取引委員会)と協力して、より広範なデジタル資産規制の整備を進めている。

 両機関は、規制アプローチの統一を目的とした共同ラウンドテーブルを開催予定であり、これは7月にアトキンス委員長が開始した「プロジェクト・クリプト」構想の一環である。

 投資家および発行企業にとって、19b-4申請の撤回は、暗号資産ETFに対する規制環境が個別審査から標準化された手続きへと転換していることを象徴している。

 依然として多くの製品が審査待ちの状態にあるものの、今回の制度簡素化により、幅広い暗号資産ETFの市場投入がより迅速に実現される可能性が高まっている。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/sec-urges-immediate-withdrawal-of-ltc-xrp-sol-ada-doge-etf-filings-why/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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