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6日前

暗号資産、イラン戦争と原油高、地政学ショックが強気相場を遅らせる可能性

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 イランを巡る戦争が激化し、トレーダーがホルムズ海峡の遮断という想定外の事態を織り込み始める中、暗号資産は上値の重い展開となっている。

 この要衝が閉鎖されれば原油価格は急騰する。原油が上昇すればインフレが再燃し、FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利をより長期間高水準に据え置かざるを得なくなる。

 暗号資産も例外ではない。中東からの資本流出を背景にした投機的な買いは一部で見られるものの、マクロ環境は総じて重い。ビットコインは伝統的なリスク資産との連動性を強めており、デカップリングの動きはみられていない。

 デジタルゴールドとして機能するどころか、市場は流動性こそが真の安全資産であるかのように振る舞っている。実際にエネルギーショックが発生した場合、最初に起きるのは暗号資産への資金シフトではなく、あらゆる資産でのリスク圧縮だ。

●ビットコインのボラティリティ急上昇、イラン戦争への警戒で1億2800万ドルの清算発生

 イラン戦争に対する暗号資産市場の最初の反応は、明確さではなく混乱だった。暗号資産分析プラットフォームのコイングラスのデータによると、イラン革命防衛隊(IRGC)による「オペレーション・トゥルー・プロミス4」との報道を受け、わずか4時間で1億2800万ドル超のポジション清算が発生した。このうち約80%はロングだった。レバレッジをかけたトレーダーは相場の方向を誤り、短時間で退場を余儀なくされた。

 ビットコインは当初、報道を受けて6万3000ドル近辺まで下落。その後、詳細が伝わるにつれて持ち直したが、反発は機械的なもので自信に裏打ちされた動きには見えない。建玉(オープン・インタレスト)は急速に縮小しており、市場参加者が押し目を積極的に拾っているというよりも、リスク削減を進めていることを示唆している。

 これは典型的なパニック時の値動きだ。まず売り、その後に再評価する。

 株式市場も同様のパターンを示している。S&P500種株価指数では資金流出がみられ、ストレス局面におけるビットコインとハイテク株の相関は依然として高い。デジタルゴールドという物語がどうであれ、こうした局面ではBTCは安全資産ではなく、高ベータのリスク資産として取引されている。

●原油急騰、FRBの政策転換計画を阻む可能性

 暗号資産にとって真のリスクは見出しそのものではなく、原油かもしれない。ホルムズ海峡が混乱すれば、日量最大2100万バレルが影響を受ける可能性がある。これは世界供給の約20%に相当する。歴史的に見ても、一部の混乱であっても価格は即座に跳ね上がる。

 原油価格が100ドルを上回って高止まりすれば、インフレは急速に再燃する。そうなればFRBは身動きが取れず、利下げは後ずれする。流動性は引き締まった状態が続き、高金利の長期化環境で暗号資産は圧迫される。

 一部アナリストは再び極端な下落シナリオを指摘し始めている。機関投資家の多くはビットコインの重要な下値支持帯を5万8000-6万ドルとみているが、この水準が維持されるかどうかは、FRBが一段とタカ派化しないことが前提となる。

 もっとも、逆方向の力もある。資本逃避だ。中東の一部地域では自国通貨の不安定化を背景にステーブルコイン需要が急増している。ビットコインやUSDTは資金逃避の手段となる。ただし、危機地域の個人資金流入は、マクロ引き締めを背景とする大規模な機関投資家の資金流出を相殺するには至らないのが通例だ。

 アルトコインはすでに圧迫の兆しを見せている。新たな流動性が供給されなければ、イーサリアムをはじめとする市場全体が上昇基調を維持するのは難しい。米10年債利回りがエネルギー主導のインフレ再燃を受けて再び5%近辺へ上昇すれば、リスク資産の上値は抑えられる公算が大きい。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/iran-war-oil-price-impact-crypto-bull-run/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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