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40日前

暗号資産ETF申請がSECに殺到、アバランチやスイ、ボンクも登場

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 暗号資産のETF(上場投資信託)申請が17日、SEC(米証券取引委員会)に相次いだ。アバランチのインフラ関連からボンクのミームコインまで、5件の多様な申請が提出され、発行体は一段と風変わりな商品領域へ踏み込みつつある。

 申請には、ビットワイズのアバランチ現物型ETF、ETF企業のDefiance ETFsによるビットコインとイーサリアムのベーシストレードに基づくETF、タトル・キャピタルによるボンクやライトコイン、スイを組み込む「インカム・ブラスト」ファンド、さらにティーレックスの2倍レバレッジ型オーブスETFが含まれる。

 ETF協会の共同創設者ネイト・ジェラシ氏は「今後数カ月で何が起こるか誰も予想できない」と警告し、従来のビットコインやイーサリアムを超える新たな潮流が押し寄せるとの見方を示した。

 これにより、規制当局が審査中の暗号資産ETFは92本超となり、多くが10月から11月にかけて審査期限を迎える。

 一方、レックス・オスプレイのXRPとドージコインETFは、従来の承認手続きを回避できる「40法」構造を利用し、19日に上場することが決まった。

 9月16日には、ビットコインETFが2億9200万ドルの純流入を記録する一方、イーサリアム関連商品は6174万ドルの流出となった。

 アナリストは新規申請の承認可能性を分けて見ており、アバランチのようなインフラ系トークンが最も高い確率を得る一方、ミームコインやベーシストレード型は流動性や価格変動リスクから「厳格な審査」に直面するとみられる。

●インフラ系トークンは承認可能性が高く、風変わりな商品は険しい道に

 ビットワイズはヴァンエックやグレイスケールと並び、機関投資家向けのアバランチ投資商品を追求。アナリストは「他に比べてシンプルな設計であり、承認可能性が最も高い」と指摘する。

 確立した時価総額と基盤インフラとしての位置づけが、投機的な資産に比べ規制当局の安心材料になるとされる。

 一方、ベーシストレード型は「初の事例」として、その複雑さから厳しい審査が予想される。

 タトル・キャピタルは、米国で2番目となるボンク現物型ETFの申請を行い、さらにマイナーなアルトコインを組み込む「インカム・ブラスト」商品も加えた。これは8月にセーフティショットが2500万ドル規模のボンク財務戦略を導入した流れを受けたものだ。

 ただしアナリストは、ミームコイン関連商品は「ボラティリティと流動性」の懸念から承認は一段と困難だと警告している。

 SECは2月にミームコインは証券ではないと明言したが、アバランチのようなインフラコインは「イーサに近い存在」として承認の可能性が高いと広く見られている。

 さらにビットワイズは、ステーブルコインと資産トークン化に特化したETFの申請も行った。プログラマブルマネー(条件付きで自動的に動くお金)や実世界資産のデジタル化需要に応える狙いで、伝統金融とブロックチェーン基盤の融合が進む中での動きとなる。

●汎用的な上場基準導入で一斉上場の可能性も

 ブルームバーグのアナリスト、エリック・バルチュナス氏は、SECの承認遅延について、7月にシカゴ取引所(Cboe)とニューヨーク証券取引所(NYSE)が提案した「汎用的な上場基準」との調整にあると分析する。

 この改正案は、暗号資産ETFを自動的に上場できる仕組みで、個別審査を不要とし、現行の最長240日の承認プロセスを回避できる。

 導入されれば、複数の商品が同時に承認されることになり、個別の段階的承認は不要になる。

 バルチュナス氏も「数カ月以内にETFの洪水が押し寄せる」と予測し、10月の簡素化手続き承認をきっかけに、アルトコイン分野に積み上がった需要が一気に解放される可能性を示した。

 SECはフランクリン・テンプルトンのソラナとXRPのETF判断を11月14日まで延期し、ブラックロックのイーサリアム・ステーキング修正案は10月30日に先送りした。

 予測市場では、ソラナETFの承認確率は99%、XRPは96%とされ、規制の明確化を背景に機関投資家の信頼感が高まっている。ドージコインもミームコイン発祥ながら96%の承認確率を維持する。

 現在の不透明さは、ビットコインとイーサリアム以外を対象とする90本超の申請に影響しているが、先頭を走るのはソラナとXRPだ。

 ソラナ関連の財務企業は数百億ドル規模の資金を積み上げて承認に備え、ビットコインETFが連日の資金流入を記録する中、機関投資家の需要は拡大を続けている。

 こうした申請ラッシュの背景には、トランプ大統領の暗号資産推進姿勢もある。アトキンス委員長は国際会議で「暗号資産の時代が到来した」と発言し、規制への楽観的な見方を広げた。

 さらにアトキンス氏が推進する「プロジェクト・クリプト」では、証券規制の近代化やデジタル資産の包括的枠組み統合が進められており、機関投資家の圧力を受けて制度改革が加速している。

(イメージ写真提供:123RF)

https://cryptonews.com/news/crypto-etf-filings-flood-sec-with-avalanche-sui-and-bonk-products-as-issuers-test-limits/

This story originally appeared on cryptonews.com.

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