2026/04/13

暗号資産週間レポート(2026.4.5~2026.4.11)
和平協議決裂で再び高まる不透明感――BTCは交渉継続期待を背景に1100万円台を維持


【4/5~4/11週のサマリー】

・トランプ大統領が「今夜一つの文明が滅ぶ」と強硬発言しイランへの圧力を高める
・米国とイランが2週間の停戦で合意
・米国とイランがイスラマバードで協議も、戦争終結に向けて合意できず
・Coinbaseビットコインプレミアム指数が約2週間ぶりにプラス圏へ


【暗号資産市場概況】

4/5~4/11週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+8.90%の11,712,350円、ETH/JPYの週足終値は同+ 11.02%の366,680円であった(※終値は4/11の当社現物EOD[4/12 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、イラン攻撃期限を巡る米国の動向に振らされる展開となった。トランプ大統領の強硬発言で地政学リスクが意識される場面があった一方、米国とイランが攻撃停止で合意するなど情勢は急転し、結果的にビットコインは緊張緩和を背景に堅調に推移した。
週初、トランプ大統領はイランとの合意の可能性に言及しつつ、合意に至らなければ強硬措置も辞さない姿勢を示した。その後、米国とイラン、さらにパキスタンを中心とする仲介国を交え、45日間の停戦案が協議されていると報じられたことで、地政学的リスクの緩和が意識され、原油価格は下落、米株価指数先物は上昇した。こうしたリスクオンの流れの中、ビットコインは70,000ドルを回復した。
一方、トランプ大統領が日本時間8日午前9時を期限とする対イラン攻撃の猶予を設定する中、「文明が滅びる可能性がある」と警告するなど極めて強い表現で圧力を強めたことから、市場では緊張感が再び高まった。米軍によるイラン関連施設への限定的な軍事行動も伝えられ、ビットコインは一時68,000ドルを割り込む場面が見られた。
しかし8日、トランプ大統領が攻撃方針の変更可能性に言及したほか、仲介国のパキスタンが停戦期限の2週間延長を要請し、米国とイランが合意に至る可能性が報じられた。さらに期限を前に、両国はイランへの攻撃を2週間停止することで合意した。同大統領の強硬発言については、交渉を有利に進めるための圧力の一環と受け止める見方もあったようだ。
これを受けてイラン情勢の緊張は大きく緩和し、原油価格は急落。リスクオンの流れの中で米国株式市場や暗号資産市場は上昇し、ビットコインは一時72,000ドル後半まで急伸した。本件は、過去最大級ともいえる警告から一転、和平に向けた第一歩となり得る停戦合意として市場に受け止められた。
もっとも、この安心感は長続きしなかった。8日夜(日本時間)にはイスラエルがレバノンに対して大規模な空爆を実施し、中東情勢全体の不透明感が再び意識されたことで、ビットコインは70,000ドル台まで軟化した。ただし、10日にはイスラエルとレバノンの直接交渉開始が発表され、地政学リスクの緩和期待が再浮上。原油価格の下落や米株式市場の上昇とともに、ビットコインも73,000ドル台を回復した。
週末11日には、米国とイランがパキスタンの首都イスラマバードで和平協議を開始し、地政学リスク後退への期待からリスクオンの動きが強まり、ビットコインは73,000ドル後半まで上昇した。なお、12日には両国の停戦協議は合意に至らず終了したと報じられ、今後の協議の行方や停戦の持続性については不透明感も残っている。
こうした地政学的要因による価格変動に加え、需給面の指標に目を向けると、Coinbaseビットコインプレミアム指数は9日ごろからおよそ2週間ぶりにプラス圏に転じており、米国投資家を中心とした現物需要の持ち直しを示唆している。 今週は引き続き、米国とイランの停戦履行状況やホルムズ海峡を巡る動向が地政学リスクを測る上で注目されるほか、14日発表予定の米生産者物価指数(PPI)は、原油高を背景としたコストインフレが企業物価にどの程度波及しているかを確認する材料として重要となりそうだ。



[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がBTC価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がETH価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がXRP価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[Coinbase ビットコインプレミアム指数]

(緑・赤のバーがプレミアムレート / 白線がBTC価格)
(coinglass提供のデータより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


【4/5~4/11週の主な出来事】


【4/12~4/18週の主な予定】



【今週のひとこと】PCP・Canton Network・Digital Assetによる提携

PCP(Programmable Credit Protocol)は、Canton Networkを支えるテクノロジー企業であるDigital Asset社および、同ネットワークの独立統治機関であるCanton Foundationと提携し、機関投資家向けのトークン化資産に対応したクレジット(融資)インフラをCantonエコシステム上に導入することを発表しました。本提携は、アブダビ・ファイナンス・ウィーク2025において正式に確認されました。
本提携により、銀行、ヘッジファンド、マーケットメーカーなどの機関投資家が資産をカストディから移動させることなく、トークン化証券、ファンド、預金、Canton Coin、ビットコイン(CBTC)などを担保に借入・貸付が可能となります。
PCPは、FIXベースのRFQ(見積依頼)を通じた信用取引、即時の資金提供、担保のロック、マージン管理、担保差替え、清算までをプログラムで自動化し、追加で仲介業者を雇うことや手作業を不要にします。これにより、Canton Networkは金融市場インフラを更に進化させるかもしれません。
またCanton Networkは、金融機関向けに設計された分散台帳技術で、Bitcoin や Ethereum のように全参加者が同一データを共有するのではなく、各参加者が閲覧権限のあるデータのみを保持する点が特徴になります。また、ブロックチェーン構造を採用せず、必要な取引だけを当事者間で同期する仕組みを持ちます。
そのため、DTCCやEuroclearなどの主要金融機関・市場インフラ事業者も参加する、プライバシー重視の機関向けブロックチェーンとして急速に存在感を高めています。
使い道のあるネットワークには資金が集まりやすい傾向にあり、先週のCanton Coinの上昇に寄与したともの思われます。また今までトークン化しても使い道が少なかったところに担保しての利用という選択肢が増えることによりトークン化の市場規模が拡大してくるかもしれません。




(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



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