2026/07/06
暗号資産週間レポート(2026.6.28~2026.7.4)
Strategy社BTC売却方針転換で一時58,000ドル割れ、FRB議長発言・雇用統計受け63,000ドルまで回復——BTC週間+4.96%・ETH+13.42%
【6/28~7/4週のサマリー】
・Strategy社が新たな資本運営方針発表しビットコイン売却を正式承認
・ECBフォーラムにてウォーシュFRB議長がインフレリスク低下と発言
・米6月雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を下回り過去2か月分も下方修正
・BTC現物ETF、2日に2.2億ドルの大幅純流入、10日ぶり流入超へ転換
・MCSA(全米主要郡保安官協会)がCLARITY法案に対する立場を反対から中立へ転換
【暗号資産市場概況】
6/28~7/4週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+4.96%の10,209,900円、ETH/JPYの週足終値は同+13.42%の288,665円(※終値は7/4の当社現物EOD[7/5 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、Strategy社の新たな資本運営方針発表によるビットコイン売却の正式承認により下落した一方、ECBフォーラムにてウォーシュFRB議長によるインフレリスク低下の発言や米雇用統計が雇用市場の減速を示す内容となり、FRBの追加利上げ観測が後退したことや、MCSA(全米主要郡保安官協会)がCLARITY法案に対する立場を中立へ転換したことにより反転上昇した。
週初の29日、Strategy社は新たな資本運営方針「Digital Credit Capital Framework」を発表。同社はこれまで、株式や転換社債などで調達した資金をもとにビットコインを継続的に買い増す戦略を採用してきたが、今回、約25.5億ドルのUSD準備金の維持、優先株(STRC)配当率の引き上げ、普通株・優先株の自社株買い(各最大10億ドル)に加え、必要に応じて保有ビットコインを資本政策へ活用する「BTC Monetization Program」を導入。同プログラムではUSD準備金の積み増しを目的として、最大12.5億ドル相当のビットコイン売却を可能とした。これにより、市場で広く認識されていた「Strategyはビットコインを売却しない」という前提は、「必要に応じて売却できる」という運用方針へ変更された。
市場では財務健全性の向上が評価され、発表直後のビットコイン価格は上昇したものの、その後は「下落局面でも買い支える主体」との期待が後退し、将来的な売り圧力への警戒感も強まったことから、一時58,000ドルを割り込む場面もみられた。今回の発表は直ちにビットコイン売却を意味するものではない一方、Strategyが「恒常的な買い手」から「状況に応じて保有BTCを資本政策へ活用する主体」へ位置付けを広げたことは、市場参加者の期待形成や市場心理に影響を与える重要な変化と考えられる。
週央1日、ポルトガル・シントラで開催されていたECB(欧州中央銀行)フォーラムにてウォーシュFRB議長が『直近4週間でインフレ期待は下がり、インフレリスクは低下した』と発言。この発言はパネル討論中の一コメントだったが、市場では「FRBは追加利上げを急がない可能性がある」と受け止められ、米国債利回りの低下とドル安を背景にビットコインなどリスク資産買いにつながり、ビットコインは上昇し60,000ドルを回復。
一方で、同議長は2%のインフレ目標を変更する考えはないと改めて強調したほか、将来の政策金利について事前に示唆するフォワードガイダンスは行わず、FOMCで議論したうえでデータに基づき判断するとの姿勢を示した。今回の発言は金融政策のハト派転換を示唆するものではない点に留意したい。
2日には米雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数が前月比5.7万人増と市場予想を大きく下回り、過去2か月分も合計7.4万人下方修正された。失業率は4.2%へ低下したものの、労働参加率の低下が主因とみられ、市場では「雇用市場の減速」を示す内容と受け止められた。この結果を受けてFRBの追加利上げ観測がさらに後退し、米国債利回りの低下とドル安を背景にビットコインは上昇基調を維持した。
3日午前中に出揃った前日2日のBTC現物ETFデータが合計2億2,172万ドル(約2ヶ月ぶりの高水準)日次純流入を記録し、10営業日ぶりに流入超へと転換したことも上昇サポートとなった。
加えて、NOBLE(全米黒人法執行幹部協会)がCLARITY法案を支持したことに続き、MCSA(全米主要郡保安官協会)が反対姿勢を撤回し中立へ転じたことでCLARITY法案の成立期待が高まり投資家心理が改善するなか、ショートスクイーズ(ショートポジションの買い戻し)も重なりビットコインは63,000ドルを回復した。
今週は9日にFOMC議事録が公表される。市場では追加利上げ観測が後退しているなか、議事録では当時のFOMC参加者がインフレや労働市場をどのように評価し、追加利上げの必要性についてどの程度議論していたかが注目される。もっとも、その後にはウォーシュFRB議長によるインフレリスク低下の発言や米雇用統計の発表を経て市場環境も変化しており、議事録の内容と足元のFRBの認識との違いにも留意したい。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がBTC価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がETH価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がXRP価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[STRC上場来チャート(日足)]

(ローソク足がSTRC価格 /青線がBTC価格)
(TradingView提供のチャートにて SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【6/28~7/4週の主な出来事】

【7/5~7/11週の主な予定】

【今週のひとこと】 SBIVCトレードにて新規ステーブルコインの取扱い開始~JPYSC編~
SBI VCトレードは、2026年6月24日より日本円建てステーブルコイン「JPYSC」の取扱いを開始しました。本ステーブルコインはSBIグループ各社とStartale Groupが共同開発した、国内初の「信託型」円建てステーブルコインです。発行および資産管理をSBI新生信託銀行が担い、流通や事業推進をSBI VCトレードが担当する体制を敷いています。
最大の特徴は、従来の資金移動業型(第1号・第2号電子決済手段)に課されていた「100万円」の金額制限を受けない点にあります。信託型スキームの採用により、滞留・売買・出庫のすべてにおいて制限が撤廃されました。さらに、既存の決済手段と比べて送金コストが大幅に安価なため、これまで対応が難しかった法人間の大口決済や資金移動にも柔軟に対応できる強みを持っています。
今後は、米ドル建てステーブルコインとの連携による24時間365日稼働のオンチェーン外為市場の構築、機関投資家向けレンディング、大口の店頭(OTC)取引における決済資産としての活用が期待されています。さらに、株式や不動産などの現実資産(RWA)トークン化決済に加え、将来的にはクレジットカード会社や決済ネットワークと連携した店舗支払い、事業者間精算、リテール決済など、日常生活や商業領域への幅広い展開も見込まれています。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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