Market Report

マーケット情報

2022/10/25

レンジ相場継続し、ボラティリティも低下

先週のハイライト
  • BTCは18,700-19,700ドル、ETHは1,260-1,360ドルのレンジ内の動き
  • DOT、ADA、SOLは5月から6月に付けた下値をトライ中
  • BTCハッシュレートは、マイナーの競争激化で最高値を更新中
  • スポットの値動きが細るなかボラティリティ低下が継続
  • 今週金曜日の四半期限月のオプション行使期日到来により大口ポジションが無くなるため、来週以降の動きに期待
  • 市場では米ハイテク企業の決算、米GDPやECB政策金利発表に注目

  • 先週の動き
    暗号資産スポット市場は引き続きレンジでの静かな取引となり、BTCは19,000ドル、ETHは1,300ドルを挟んだ動きとなった。DOTおよびADAで下値を試す動きが見られたが、動き自体はそれほど目立つものではなかった。特徴的なのは、売買高が低調な中で先物ポジションの残玉が過去最高を更新しており、スポットの値動きが限定的となるなかでレバレッジを利用した取引が高水準となっていることを示している。

    フローデータをみると、多くのコインで売り買いは拮抗しているなか、ADA、SOLが買い越し、DOT、EOSで売り越しとなっていた。地域別でみると、欧州・中東が強い売り手となっており、アジア地域な強い買い手となっていた。顧客別でみると、取引所やリテール業者が買い手、銀行系が売り手となっている。

    暗号資産先物市場では暗号資産の対ドルベーシスは動きが無く、BTCの3ヶ月物ベーシスが年率1.5%程度、ETHの3ヶ月物ベーシスが年率-2.5%程度となっている。ベーシスにはあまり動きが見られないが、建玉は高水準となっており、レバレッジが高まっていることが分かる。
    暗号資産オプション市場ではスポットの動きが限定的となるなか、ボラティリティは引き続き低下。10月28日行使期日の四半期物はBTCが約42%、ETHが約54%のボラティリティとなっている。実際のスポットの値動きはインプライドボラティリティよりも10%程低いボラティリティとなっており、オプションを買って収益化するのは非常に難しい状況なものの、来週の米FOMCを含むオプションは非常に高く取引されており、米FOMCで暗号資産市場にも値動きが出ることが期待されている。また、10月28日にBTCの19,000ドルと20,000ドルのストライク、ETHの1,300ドルと1,400ドルのストライクのオプションが行使期日を迎えて消滅するため、オプションによって抑え込まれていたスポットが来週には動き出す可能性がある。

    今後の展望
    今週はインフレ懸念の緩和につながるリセッションの兆候を見極めようと、米ハイテク企業の決算報告に注目が集まっている。それに加え、木曜日には米GDPとECB政策金利発表、金曜日の日銀金融政策決定会合が控えている。とはいえ、翌週の米FOMCに最も注目が集まっているというのは間違いないだろう。








    (提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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