2022/03/08
スポットは一時上昇も、ウクライナ状況悪化で元の値位置まで反落
先週の5つのハイライト先週の動き
先週、暗号資産がリスクアセット(特に株式)から切り離され、一時的に質への逃避先としての役割を果たした。ビットコインはこの動きをリードし、他の多くの暗号資産に対してアウトパフォームしたが、3月4日(金)のアジア時間に、ロシアがウクライナにある欧州最大のザポロジエ原子力発電所へ砲撃したことを受け、結局は他のリスクアセットと同様に大幅下落。終わってみれば1週間の上昇分を全て失った形となった。金曜日のパニック相場は当初は核の脅威を恐れてのものだったが、それをきっかけにこの戦争はブラックスワン(マーケットにおいて、予想ができず、起きた時の衝撃が大きい事象のこと)を生み出す可能性があるという事実を市場参加者に突きつけることとなった。
売買動向を見ると、引き続きイーサリアムよりビットコインに買いが集まっており、他のコインにおいては、XRP(エックスアールピー)とAVAX(アバランチ)が買われた。地域別に見ると、ここ最近の傾向を維持し、アジア圏において買いが優勢となっている。顧客カテゴリー別では、富裕層と海外取引所が買い越しになっており、HFT・マーケットメイカーに強い売りが見られた。
暗号資産先物市場においては、週初から堅調に推移した先物のベーシスは週末にかけて全てを戻し、結局ほとんどの取引所において1ヶ月物ベーシスは1%前後で推移しており、手掛かりに乏しい1週間となった。OTCレンディング市場においては、マーケットメイカーの短期物の需要減のため、ステーブルコインのイールドカーブは期近物が低下し、更にスティープ化する状況になっている。
オプション市場においては、プットサイドの需要がATM(アット・ザ・マネー)の価格を動かしている状況と言えるだろう。3月物ATMのボラティリティは70%近辺の高い水準で始まり、その後スポット価格の上昇により週を通して低下し、金曜日には67%近辺まで一時的に低下した。しかし、現在は金曜のスポットの下落を受けて75%近辺まで再上昇してきている。興味深いことは、プットサイドの需要がそれほど見られてないということだ。これは市場が深刻なテールリスクに対して既にポジショニングしているか、又は上昇リスクを気にしていることを示唆しているかもしれない。いずれにせよ、注目すべきポイントは、現状のリスクオフ環境下にしては、ボラティリティがそれほど高くないということである。3月物のATMボラティリティが75%ということは、1日の値動きが1,500ドル程度であるということを示唆している。
今後の展望
今週の木曜日には、米国の重要経済指標であるCPI(消費者物価指数)が発表される。しかし、緊迫したウクライナ情勢が引き続き市場のセンチメントを支配しており、ほとんどの市場においてリスクオフモードになっている状況を見ると、以前よりマーケットインパクトは出ないかもしれない。
この様な不安心理が高まっているなか、為替においてはユーロドルの下落圧力、安全通貨であるスイスフランが上昇圧力に晒されるだろう。また、安全資産の債券・金、また供給減少による原油は、上昇圧力が掛かりそうだ。また、株式・暗号資産に対しては下落圧力が掛かるだろう。
状況がさらに悪化すればするほど、世界の金融システムに深刻な影響を与え、今後はさらに信用リスクとカウンターパーティリスクに大きな注目が集まってくるだろう。ビットコインも、更に下落するかもしれない。また、ビットコインが先週見られた様なリスクオフの受け皿となる動きが今後も続くことがあれば、質への逃避先として金と共に上昇する可能性が将来的にはあるかもしれない。



(提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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