2025/02/25
暗号資産週間レポート(2025.2.16~2025.2.22)
上昇ムードが一転!?Bybitの大規模流出で暗号資産市場全体が急落!
【2/16~2/22週のサマリー】・経営破綻した暗号資産取引所FTXが少額債権者への返済を開始
・米SECはイーサリアム現物ETFのステーキング追加案を審査段階へ移行
・米SECは米暗号資産取引所Coinbaseに対する訴訟を取り下げへ
・海外暗号資産取引所Bybitから約14億ドル相当の暗号資産が不正流出
【暗号資産市場概況】
2/16~2/22週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲3.02%の14,439,550円、ETH/JPYの週足終値は同+0.35%の413,145円であった(※終値は2/22の当社現物EOD[2/23 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は週央から上昇基調で推移していたが、週末の海外大手暗号資産取引所Bybitから大規模な暗号資産流出のヘッドラインによりマーケットが一気に反転。アルトコインの一部は同ヘッドライン前の水準まで回復する銘柄も見受けられたが、BTCは勢いがなく前週比マイナスでクローズ。
18日、米議会上院はハワード・ラトニック氏を米商務長官に起用する人事を承認。同氏はカンター・フィッツジェラルド社の元CEOであり、同社は米ドルに連動したステーブルコイン「USDT」の発行体であるテザー社のカストディ業務を担当している。暗号資産に親和的な姿勢の同氏が商務長官を務めることにより、トランプ氏の米大統領選勝利後に予想されていた米の暗号資産に対するポジティブな姿勢がより確実なものとなるだろう。
20日、トランプ政権移行後初のFOMC議事要旨が公表され、インフレ抑制の進展を確認するまでは金利が維持されることや米政府の債務上限問題が解決するまでQTの一時停止や減速に関する議論を確認。前述したQT停止の思惑や日銀高田審議委員の発言による早期利上げ観測、石破総理大臣と植田日銀総裁の会談など複数の要因によりドル円は2か月ぶりに150円を割り込んだ。
21日、米SECが米暗号資産取引所Coinbaseへの訴訟を取下げるとの報道によりBTCは99,500ドル付近まで上昇。週央から継続した上昇と暗号資産業界に追い風となるヘッドラインを受け、2/7以来となる100,000ドルを回復すると思われた矢先、Bybitから史上最大規模となる不正流出のヘッドラインが飛び込んだ。このヘッドラインにより暗号資産市場全体が急落し、BTCは一時95,000ドルを割りこみ、ETHも2,600ドル台前半まで下落。同社CEOの会見や同社の出金処理等がSNS上で明らかになるにつれて下落は一段落し、翌22日深夜にはアルトコインの一部が流出前の価格まで回復。
今週はBybitから流出した資産の行方についてキャッチアップすることが大切だ。執筆時点では流出した暗号資産の内、一部が別の暗号資産にスワップされたことや犯行グループのUSDTが凍結されたとの報道を確認している。犯行グループの行動によっては暗号資産市場に大きな価格変動をもたらす可能性があり十分に注意されたい。一方で、Bybit側も流出した暗号資産を調達する動きも確認されているため、この動きについてもキャッチアップする必要があるだろう。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【2/16~2/22週の主な出来事】

【2/23~3/1週の主な予定】

【今週のひとこと】暗号資産流出とその類似ケース
2月21日深夜、海外大手暗号資産取引所Bybitから約14億6,000万ドル(約2,170億円)相当の暗号資産がハッキングにより不正流出しました。
今回のハッキングによる暗号資産流出の原因は、イーサリアムのマルチシグコールドウォレットに対する「ブラインドサイニング攻撃」とされています。この攻撃では、ハッカーが不正なトランザクションを作成し、ウォレットの署名者にその内容を正確に認識させないまま署名させる手法が用いられました。結果として、ハッカーはコールドウォレットの制御権を獲得し、不正流出をさせてしまいました。本件は北朝鮮のハッカー集団「Lazarus Group」が関与した可能性が高いと報じられています。
今回のハッキング事件と類似したケースが複数あるため紹介します。
・2024年7月:WazirX(インドの暗号資産取引所)にて約2億3000万ドル相当の資産が流出。攻撃者は、マルチシグウォレットの署名者を欺く手法を用いて、不正なトランザクションを承認させ資産を流出
・2024年8月:Radiant Capital(DeFiラットフォーム)にて約5800万ドル相当の資産が流出。攻撃者は、スマートコントラクトのロジックを不正に変更し、署名者に気付かれないようにトランザクションを承認させ資産を流出。
これらの事件では、いずれもマルチシグウォレットの署名者を欺く手法が用いられており、Bybitのハッキング事件と類似した特徴が見られます。
なお、BybitのCEOであるBen Zhou氏は今回の流出被害について、被害を受けた顧客資産は全額補償可能と発表。また、他のコールドウォレットは安全であり、出庫も通常通り行われているとSNS上で利用者にアナウンスをしています。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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