2026/04/20
暗号資産週間レポート(2026.4.12~2026.4.18)
ホルムズ海峡の封鎖と開放に翻弄される市場:地政学リスクの緩和期待によりBTCは一時7.8万ドルの年初来高値圏へ
【4/12~4/18週のサマリー】
・米国、イランとの和平協議決裂を受けホルムズ海峡封鎖
・イランがホルムズ海峡開放を表明し中東情勢の沈静化期待によりビットコインは上昇
・米CLARITY法案、ステーブルコイン利回り条項の公開が来週以降へ延期
・Circle社がネイティブなクロスチェーン送金のためのUSDCブリッジを発表
【暗号資産市場概況】
4/12~4/18週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+2.80%の12,040,050円、ETH/JPYの週足終値は同+ 2.00%の374,030円であった(※終値は4/18の当社現物EOD[4/19 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、米国とイランの和平協議決裂を受けて週初に下落。その後はホルムズ海峡を巡る情勢が封鎖・開放を行き来し、地政学リスクは一進一退の様相となったが、全体としては緩和方向が意識され、投資家心理の改善を背景に底堅く推移した。
週初、米国とイランの和平協議が合意に至らず交渉が決裂したことで、それまでの緊張緩和期待が後退し、失望売りが優勢となった。
これに加え、トランプ大統領が米海軍に対しホルムズ海峡封鎖を指示したことも嫌気され、ビットコインは73,000ドル近辺から下落し、一時は週安値となる70,000ドル台半ばまで下押した。
その後13日には、米軍による封鎖開始の動きが伝わる一方で、イラン側がウラン濃縮放棄を含む譲歩案を検討しているとの報道や、2回目の停戦協議の可能性が浮上したことから、交渉継続への期待が高まり、投資家心理は改善。
リスク選好の回復を背景にビットコインには断続的に買いが入り、週初の下落前の水準を回復した。
さらに14日にかけては、イラン情勢に対する楽観的な見方が広がったことで、株式などリスク資産が上昇、原油価格は下落。
加えて、同日発表の米生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回り、インフレ懸念が一時的に緩和したことも相場の支援材料となり、ビットコインは一時76,000ドル台まで上昇した。
17日には、イランがホルムズ海峡の開放を表明したことで、中東情勢の沈静化および戦争終結に向けた進展期待が一段と高まった。
これを受けて原油価格は下落、米国株式市場は上昇し、暗号資産市場にも幅広く資金が流入。
ビットコインは78,000ドル台まで上昇し、2月3日以来の高値を更新した。
なお、この上昇局面では約3.44億ドル規模のショートポジションの清算が観測されており、レンジ相場が長期化する中で積み上がっていた下方向へのポジションが巻き戻されたことも上昇を加速させた要因とみられる。
しかし18日には状況が再び不安定化し、イランがホルムズ海峡の再封鎖を表明。米国による対イラン関連船舶への海上封鎖措置への対抗とされており、地政学リスクが再び意識された。
これを受けて利益確定売りが優勢となり、ビットコインは上値を切り下げる展開となり、週末にかけては75,000ドル台で推移した。
なお、coinglassの恐怖と欲望指数は「26」と極度の恐怖圏から持ち直しつつあり、価格の下げ止まりやリスク環境の一時的な改善を背景に、投資家心理は徐々に回復している様子がうかがえる。
今週は、22日(日本時間)に設定されている米国とイランの停戦期限が焦点となる中、21日に2回目の和平協議が開催される可能性がある。
トランプ大統領は19日のインタビューで、ウィトコフ大統領特使およびクシュナー氏が米東部時間20日夜にパキスタン入りし、翌21日の協議に臨む見通しを示した(ヴァンス副大統領は安全上の理由から不参加)。
もっとも、本稿執筆時点でイラン側の正式な参加は確認されていない。
また、直近では「トランプ発言をイラン側が否定」「開放宣言後も実態として封鎖が継続」など、公式発表と現実の乖離が散見されている。
こうした状況を踏まえると、本局面では速報やSNSベースの情報に過度に依存したポジション変更には引き続き注意が必要だ。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がBTC価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がETH価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がXRP価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【4/12~4/18週の主な出来事】

【4/19~4/25週の主な予定】

【今週のひとこと】Circle社が「USDC Bridge」を発表
米サークル社が発表した「USDC Bridge」は、マルチチェーン時代における資産移動の課題を大きく前進させる可能性がある仕組みです。
従来のクロスチェーンブリッジでは、第三者が発行するラップドトークンを介する必要があり、その構造上ハッキングリスクが常に懸念されておりました。
しかし本仕組みでは、「バーン・アンド・ミント」方式を採用し、ネイティブなUSDCをチェーン間で直接移動させることが可能となっております。
これにより、第三者ブリッジに起因するセキュリティ不安を大幅に軽減できる点が大きな特徴です。
さらに注目すべき点は、EthereumとSolana間における流動性の向上です。これまで分断されがちであったUSDCの流動性が、公式インフラを通じて統合されることで、DeFiや決済分野における資金効率の改善が期待されております。特にSolanaへの高速転送により、リアルタイム性が求められるユースケースにおいても有用性が高まると考えられます。
加えて、ガス代処理の自動化やトランザクションの追跡機能により、従来複雑であったクロスチェーン操作は大幅に簡略化されております。これにより、ユーザーおよび開発者は異なるチェーンの違いを意識することなく、より直感的に資産移動を行うことが可能となります。
総じて、本取り組みは「安全性」「流動性」「操作性」の三要素を同時に改善するものであり、クロスチェーン利用における心理的ハードルを下げる重要なインフラとなる可能性が高いと考えられます。今後の対応チェーン拡大により、その重要性はさらに高まっていくものと考えております。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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