2026/06/22

暗号資産週間レポート(2026.6.14~2026.6.20)
地政学リスク後退・金融政策・需給の三材料が交錯—BTC/JPY週間ほぼ横ばい、今週はマイクロン決算とSTRC動向が焦点


【6/14~6/20週のサマリー】

・米-イランの暫定合意が成立し両国首脳が覚書に署名
・ウォーシュ新FRB議長就任後初めてのFOMC開催、タカ派姿勢を示す
・Strategy社の優先株STRCが急落、同社のビットコイン購入ペース鈍化と追加売却リスクへの警戒広がる


【暗号資産市場概況】

6/14~6/20週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲0.11%の10,318,850円、ETH/JPYの週足終値は同+3.52%の279,710円(※終値は6/20の当社現物EOD[6/21 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、週前半は米-イラン停戦合意を受けたリスクオン相場で上昇したものの、週後半はFOMCでのタカ派姿勢やSTRC急落による需給不安から下落へと転じた。

週前半は中東情勢の緊張緩和を背景に底堅く推移。15日には米国とイランの停戦協議進展が伝わり、その後18日には両国首脳による正式承認署名が行われたことで、長らく市場の懸念材料となっていた中東地域の地政学リスクが大きく後退した。
これを受けて原油価格は下落、インフレ圧力の緩和期待から再び世界的にリスク選好姿勢となり、株式市場や暗号資産市場へと資金が流入した。ビットコインも週前半には67,000ドル台まで上昇した。

18日のFOMCでは、市場予想通り政策金利の据え置きが決定。しかしながら、ケビン・ウォーシュ新FRB議長の体制は市場の想定以上にタカ派的な内容となった。
『2%の物価安定目標達成への強いコミットメントを改めて強調』、『FOMC声明からは利下げを示唆する文言を削除』、『ドットチャートが年内1回の利下げ→年内1回の利上げ』に加え、現在の政策局面に適していないということでフォワードガイダンスも廃止した。
これを受け、市場では金融政策の不透明感から米国債利回りは上昇、ドル買いも進行し、リスク資産全般に売り圧力が強まった。
ビットコインもFOMC後に売りが優勢となり価格は66,000ドル台から急落。
中東情勢の落ち着きから利下げを期待していた一部投資家に失望感が広がった。

加えてビットコイン固有の材料として最も注目を集めたのがStrategy社の優先株STRCの急落であろう。
STRCは同社がビットコイン購入資金を調達するための主要な手段の一つであり、市場価格が基準価格(100ドル)を上回ることで継続的な新規発行が可能となる仕組みであった。

しかし先週、STRC価格は基準価格に対して一時約17%下落し、同社の資金調達能力低下への懸念が広がった。
近年のビットコイン市場では、現物ETFへの資金流入と並び、Strategy社による継続的な買い付けが需給面の支援材料として意識されてきたため、今回のSTRC急落は将来的な購入余力低下への警戒感を強める要因となった。

今週は引き続き、中東情勢(特にホルムズ海峡の保険料徴収の話やイスラエル‐ヒズボラ動向)、STRC急落を受けたStrategy社の資金調達環境が注目される。
 25日早朝のマイクロン決算にも注目が集まる。相当に期待が高いが、好決算+強気の設備投資拡大を示せればAI・半導体株引き続き相場をけん引する形になる。



[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がBTC価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がETH価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がXRP価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[STRC上場来チャート(日足)]

(ローソク足がSTRC価格 /青線がBTC価格)
(TradingView提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



【6/14~6/20週の主な出来事】


【6/21~6/27週の主な予定】



【今週のひとこと】 FRBを含む米5機関がステーブルコイン発行体への規制案を公表

6月18日、米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとする米国の5つの金融規制当局は、米国で進められているステーブルコイン規制法であるGENIUS Act(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act)に基づき、認可された決済用ステーブルコイン発行者に対して、銀行と同等水準の本人確認(KYC)体制の整備を求める規制案を公表しました。

規制案では、発行者に対し、顧客の本人確認を実施するための有効なCIPを整備・維持することを求めています。
これは銀行など既存の金融機関に適用されている本人確認規制に準じるものであり、顧客の氏名、住所、生年月日、識別番号などの情報を取得した上で、書類確認や非書類ベースの手法を用いて合理的に本人確認を行うことが想定されています。

今回の提案の目的は、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)の強化にあります。
近年、ステーブルコイン市場は急速に拡大しており、米国当局はステーブルコインを金融システムの一部として位置付けつつ、不正利用の防止および金融システムの健全性確保を重視しています。今回の規制案は、そのためのコンプライアンス体制を明確化する取り組みの一環とされています。
なお、本規制案に対する意見募集は、Federal Registerへの掲載日である2026年6月22日から開始され、意見提出期限は2026年8月21日までとされています。
規制当局は、業界関係者や市場参加者から寄せられた意見を踏まえた上で、最終規則の策定を検討する見通しです。




(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



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