Market Report

マーケット情報

2024/12/25

BTCは目先年内の天井をつけたか?年始反落には一定の警戒感を

先週の木曜日早朝、FOMCにて米国の政策金利発表がありました。
事前予想通り、金利は引き下げられて4.25-4.50%となったのですが、パウエル議長の記者会見ではかなりタカ派な印象をマーケットは受け取ったようです。
また3ヶ月おきに公開されるFRBメンバーのドットプロットですが、こちらもかなりタカ派な内容に切り替わっておりました。
参考:https://www.cmegroup.com/ja/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

2025年末の政策金利水準は3.75-4.00%を予想するものが最も多く、現時点では来年の利下げ回数は2回という予想でした。
これは株式市場や暗号資産市場においてはマイナスです。
金融緩和期待は大きく遠のき、インフレ率が下がり切らないと予想しているメンバーが多いことがわかります。

1月下旬にトランプ大統領が就任しますが、むこう1ヶ月は就任直後に着手していく政策順序で複数のマーケットで失望感や「セル・ザ・ファクト」が起こるかもしれません。
■BTCは短期的に調整フェーズか?

【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤),90(青),200 (橙)
MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


BTC/JPY日足チャート分析から入ります。 1665万円から大きく反落し、最大15%程度の調整が入りました。 昨晩は大きく反発しているのですが、理由はマイクロストラテジー社が株式分割を今後大幅に行い、さらにビットコインを購入するという戦略を大々的に発表したことが大きな要因の一つとなります。現在の発行済み株式総数3.3億株→最大103.3億株を発行目標とするようで、株式分割を試みる内容のようです。

出所:Xアカウント The Kobeissi Letter X


当然、マイケルセイラーは株式市場で調達した資金の全てビットコイン投資に充てる計画だと思われます。マイケルセイラーCEOは自社株の46%以上を保有しているため、この案が可決される可能性は高いでしょう。
この資金調達が成功すれば、それらの資金がBTCに向かうことになります。
本件は即時に行われるものではなく、今後の取締役会→株主総会を得て、決議されることになると思いますが、一定の時間間隔が必要となります。
この実現は中長期的に非常にポジティブですが、短期的な材料ではないので、昨晩の上昇はしばらくして売り戻される可能性が高いようにも思えます。
再び日足レベルでトレンドライン方向に向かうのではないでしょうか?
4時間足で詳細を分析していきます。
■良くてレンジ相場か?

【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤),90(青),200 (橙)
MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


BTC/JPY4時間足分析に切り替えます。
先日のFOMC後からマーケットは調整相場に入り、デリバティブポジションも一掃され、値動きが軽くなりましたが、その割にはいつも通りの上昇リズムに戻ってきておりません。
おそらく現物市場での投資資金が間に合っていない可能性があります。よって個人的にはもう少し調整期間が入ると予想し、短期的にはもう一段安まで下がる予想を立ててみました。
まず目先の値動きですがSMA90(青)とレジスタンスラインに上値を押さえられて反落をするイメージを持っています。
目先、橙色のトレンドラインまで押し戻されるイメージを持っており、割り込むかは定かではありませんが、良くてもこの価格帯で三角保合いを形成するような時間稼ぎが必要なようにも考えます。
よって、上昇相場は一旦終了と考え、今月はこの価格帯でレンジ相場、またはもう一段安を意識したトレードを優先したいと考えております。


■ETH上値を押さえるテクニカル要素は多め

【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤),90(青),200 (橙)
MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


続いてETH/JPY4時間足分析に移ります。
アルトコインの調整は大幅なものとなりつつあります。63万円付近の高値から一時50万円割れを実現し、20%以上の調整となっております。
現在は一定の割合を戻しておりますが、テクニカル的にはSMA200(橙)が上値を押さえ込んでいる状況です。さらにその上にはSMA90(青)が控えており、テクニカル的には上値を押さえる要素が多いため、短期的に価格回復が難しいと考えております。
今一度、ポジション調整が進んだ後からの上昇再開の方がトレーダー的には上値を更新しやすいと考えております。
レンジ予想が広めですが、むこう1週間は48-56万円のレンジ想定をしておきます。
この価格帯で三角保合いなどを形成するイメージです。よって今週の押し目買いトレードは様子見です。



■下降トレンドラインから売り押されるか?

【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤),90(青),200 (橙)
MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


SOL/JPY4時間足分析に切り替えます。
先週は下降トレンドラインを一時的に突破していたのですが、そこからの反落となってしまいました。
その後、FOMCの結果を得て連れ安に。非常に厳しい形状です。ETHと同様に短期的に下目線に切り替え、もう1段安とタイミングから買いを狙っていきたいと思います。
現在、水平レジスタンスライン付近で価格を維持しておりますが、すぐ上には下降トレンドラインも控えております。
さらにSMA90(青)も控えていることからこちらも上値を押さえるテクニカル要素多めです。つまりデリバティブ市場では戻り売りが入りやすいタイミングとなることから、押し目を待つ方が得策でしょう。
サポートラインが引ける27500-28000円付近までの押し目を待ちつつも、もう一段安の可能性も考えて25,000円付近からの買いを意識しておくと良いでしょう。
今週は全通貨ペア、深い押し目を待つ意識を高めて、目先は様子見といたします。

また今年は月末最終週の月曜〜翌月1週目の週末にかけて下落する傾向が顕著です。
今月は年末休暇も重なることから、このフローが早めに出てくる可能性があります。
皆さんも日足でご覧になっていただければお分かりになると思いますが、今年は特に3月以降から月末に下落して月初週末-週明けあたりでボトムをつけていることが多いです。
よって、カレンダー的には27日月曜〜5日日曜あたりでさらなる下落に警戒をしながらも1月6日月曜以降の週から再度買い戦略を立てる方が得策ではないかと考えております。

さて、読者の皆様、今年は大変お世話になりました。今年4月から始まったばかりの定期コラムでしたが、どうぞ来年もよろしくお願い申し上げます。
※来週のコラムはお休みですので、次回は1月8日水曜の更新になります。


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