Market Report

マーケット情報

2026/02/02

暗号資産週間レポート(2026.1.25~2026.1.31)
【BTC・ETH大幅下落】イラン情勢・AI懸念・政府閉鎖が直撃

【1/25~1/31週のサマリー】
・トランプ大統領がイランに対し、核開発を巡る交渉に応じるよう要求
・金、銀の先物価格が急落
・米国政府機関が一部閉鎖
・ビットコインの現物ETFから約15億ドルの資金が流出

【暗号資産市場概況】
 1/25~1/31週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲12.89%の12,135,900円、ETH/JPYの週足終値は同▲18.65%の375,005円であった(※終値は1/31の当社現物EOD[2/1 6:59:59]レートMid値)。
 先週の暗号資産市場は地政学リスクの高まりに加え、投資家心理の悪化、貴金属市場の混乱などの様々な要因により週末にかけて下落の一途をたどり下値を探る展開となった。
  週初は1月31日までに米国政府閉鎖の可能性が高まったことで下落しBTCは一時86,000ドル台をつけた。その後、週中にかけて金や銀などの貴金属価格の上昇につられBTCは90,000ドル台まで回復するも、29日にトランプ大統領がイランに対し「核開発を巡る交渉に応じなければ、前回の核施設への攻撃より凄惨な軍事行動を取る」と警告したことにより地政学リスクがさらに顕在化すると88,000ドルまで下落。
 その夜、マイクロソフトの決算で設備投資に対してのクラウド事業の売上の伸びが鈍化したことよる、AI投資から収益が得られていないことからAI産業の成長に対して懐疑が生まれ、米国株式市場がオープンすると同時に同社の株価は12%近く下落する。これによる投資家心理の悪化からリスクオフへと転じBTCは一気に83,000ドル台まで値を落とす。
 その波が史上最高値を更新し続けていた金や銀にも波及し、金先物は最高値から16%ほど下落の5,100ドル台、銀先物は40%近い下落の75ドル付近となる。
  BTCもそれと共に売られて行き81,000ドル付近まで下落する。直近高値から9,000ドルほど下げたことによる調整から反発するも下落幅に対して30%ほどの84,000ドルまでしか価格を戻せず、地合いが悪い中で再び下げ始めると82,500ドルを割ったあたりからロングの清算が増加し、売りが売りを呼び節目である80,000ドルを割ったところでさらにロングの清算が増加、一時75,000ドル台まで下落する展開となった。
 BTC現物ETFの売買動向を見ると、先週は約14.9億ドルの売り越しとなっている。SoSoValueのデータによると29日は約8.2億ドル、30日は約5.1億ドルの売り越しとなっており、この2日間で先週の売り越しの約9割にも及ぶ。29日に至っては普段から大きな取引量を誇るBlackRockとFidelityの2社に加えて、BitwiseやArk/21Sharesまでもが大きく売り越しており売り圧力の強さが伺える。
 またcoinglassのデータによると1月29日、30日、31日から2月1日にかけての下落時にロングの清算がある。下落後に押し目買いを行ったものがETFなどの現物売りで押し下げられ、CFDをはじめとする先物を巻き込んでさらに下落していくという現象が続いているものと推測される。
 来週以降も下値を探る展開が続くものと考えられ、まずは2024年代の高値水準である70,000ドルを突破するのかどうかが焦点となりそうだ。現状は現物もCFDも売り傾向が強く、買い手が出てくるまでは下落する可能性がある。
 先に述べたBTC現物ETFは2024年1月以降の純流入のデータを見ると、2024年の10月以降つまりトランプ氏が大統領に再選したところから急激に買い越しており、そこで購入した層が利益確定などで売り切るまでは下落が続く可能性がある。その水準が70,000ドル付近であり、市場参加者はその水準を意識して取引をしてくるかもしれない。



[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[暗号資産の清算履歴チャート]

(CoinGlass提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


【1/25~1/31週の主な出来事】


【2/1~2/7週の主な予定】


【今週のひとこと】トランプ大統領に次期FRB議長として指名されたケビン・ウォーシュ氏

 30日、トランプ大統領が次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長にケビン・ウォーシュ氏を指名すると発表しました。
 ウォーシュ氏は、2006年にジョージ・W・ブッシュ大統領の指名を受け、史上最年少となる35歳でFRB理事に就任しました。2008年の金融危機の際には、経営難に陥った金融機関の救済や買収に関与するなど、危機対応において重要な役割を果たしました。一方で、FRBが実施した大幅な利下げについては、将来的にインフレを加速させる可能性があるとして慎重な立場を示し、FRB内部でも異論を唱えていました。
 また、2011年には、FRBが量的金融緩和政策の第2弾として総額約6,000億ドルの米国債を買い入れる第2次量的緩和策を実施した際にも、同政策に反対しました。金融緩和によるリスクや中央銀行の信認低下を懸念し、同年にFRB理事を辞任しています。
 ウォーシュ氏はその後も金融政策に対して慎重な姿勢を示してきましたが、2017年にはトランプ大統領の下でFRB議長の有力候補として名前が挙がりました。しかし、最終的にはジェーロム・パウエル氏がFRB議長に指名される結果となりました。
 現在、パウエルFRB議長の任期が2026年5月に迫る中、トランプ大統領は次期FRB議長に対し、積極的かつ大幅な利下げを求める姿勢を強めています。かつて金融緩和に批判的であったウォーシュ氏も、足元では利下げを支持する姿勢を示しているとされています。こうした状況の中、市場ではトランプ大統領からの政治的圧力によってFRBの独立性が損なわれるのではないかとの懸念が広がっています。今後のFRBの金融政策が、法定通貨の信認や既存の金融システムにどのような影響を及ぼすのか、市場関係者の注目が集まっています。





(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)

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