Market Report

マーケット情報

2022/08/16

BTC、ETHは再び買い戻し

先週のハイライト
  • 予想を下回る米CPIの結果を受け、主要コインは上昇
  • BTCは売買高でトップに返り咲き
  • 欧州・中東圏でのファンドを中心に、全般的に買い越し
  • ETHの大型アップデートやハードフォークの動向が今後のETHの見通しに影響
  • 今週の注目材料は米FOMC議事要旨と英国や欧州のCPI

  • 先週の動き
    先週の暗号資産スポット市場のメジャー通貨では、ETHが引き続きBTCをアウトパフォームしたものの、BTCとETHはいずれも力強い動きとなった。1週間を通してみると、チョッピーではあったもののBTCは24,000ドル台を回復し、ETHは一時2,000ドル超えの動きとなり、先週発表された米CPIが、予想を下回る8.5%となり、インフレのペースが減速する兆候と受け止められたことをきっかけに、マーケットは回復基調となった。

    フローデータをみると、全地域で買い越しとなり、特に欧州・中東圏は引き続き顕著であった。コイン別では、多くでは売り買いが拮抗しているなか、DOTは大きな買い越し、DOGE、AVX、EOSは大きな売り越しとなった。取引高でみると、BTCがETHを抜いてトップに返り咲き、投資家別では、取引所勢は売り越し、銀行系およびファンド系は買い越しとなった。

    暗号資産先物市場では、BTCの対ドルベーシスはほぼ横ばいとなっており、1カ月物のベーシスは3.0%から2.7%に、3カ月物も3.0%から2.3%に若干下落した程度の動き。一方、ETHは大型アップデートにかけてハードフォークが発生する懸念から、引き続き先物はスポットに対して安く値付けされており、大型アップデートの日付を超える3カ月物は-4.5%から一時-8.7%まで下落し、現在は-6.3%となっている。

    暗号資産オプション市場では、BTCもETHも週中盤にかけて上昇したものの、米CPIなどのイベント超えにより、週後半で下落する動きとなった。BTCは3カ月物で71.4%から73.2%まで上昇後に68.6%に下落。ETHは103%から105%まで上昇後に97%まで下落する動きとなっている。また、リスクリバーサル(下ストライクのオプションと上ストライクのオプションのボラティリティの差)は、BTCの3か月物が5.0%の下高から4.1%の下高に変化し、ETHの3カ月物も5.1%に下高から2.9%の下高となり、いずれも下方向へのバイアスが薄れてきている。ただし、ETHが大型アップデートを控えているなかで、BTCがETHと同じような動きをするというのは興味深い動きであり、ETHの暗号資産全体への影響を表している可能性がある。

    今後の展望
    米CPIが、将来のインフレ見通しを引き下げる内容であったことを受け、英国や欧州でのCPIに注目が集まっている。仮に予想を下回る結果であった場合、米CPIが世界的な物価動向の先行指標となることがより明確となる。上記に加え、米FRBの利上げ姿勢を読み取る目的からFOMC議事要旨も同様に注目されている。








    (提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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