2024/12/16
暗号資産週間レポート(2024.12.8-2024.12.14)
暗号資産市場は堅調に推移するも、フラッシュクラッシュに注意!
【2024.12.8-2024.12.14週のサマリー】・米国利下げ観測により、BTCは堅調に推移
・日銀利上げ見送り報道により円安が進行、BTCは円建てで最高値を更新
・欧州中央銀行(ECB)、中銀預金金利を0.25ポイント引き下げ
・Ripple社のステーブルコイン「RLUSD」、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)より最終承認される
【暗号資産市場概況】
12/8~12/14週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+3.61%の15,534,800円、ETH/JPYの週足終値は同▲1.66%の591,355円であった(※終値は12/14の当社現物EOD[12/15 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、米国消費者物価指数(CPI) 、卸売物価指数(PPI)の市場予想を上回る結果となったものの、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを否定する材料にはならず、利下げの織り込みが進む中でBTC価格は100,000ドル付近で堅調に推移する週となった。
アルトコイン市場ではRipple社のステーブルコイン「RLUSD」がニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)より最終承認され、XRPが底堅く推移。トランプ一族の暗号資産プロジェクト「World Liberty Financial」がETH 、 LINK 、AAVE を購入したことがオンチェーンデータより判明し、LINKは週を通して+21%と大きくアウトパフォームした。
注目された11月の米国経済指標のCPI、 PPIは、市場予想を上回る内容であったが、12月17-18日に行われる FOMCでの利下げを否定する材料となるまでには至らず、CME Fed WatchではFF金利先物市場において今会合での利下げの確率が96%と示された(前週末は70%台で推移)。CPI-Shelter(住居費)やケースシラー住宅価格指数の伸び鈍化など、足もとでインフレ圧力の中核であった住宅関連指標が落ち着きを見せつつあることが利下げ確実視の一因といえる。 利下げの織り込みが進む中で100,000ドルを割り込んでいたBTCは100,000ドルを回復し、週末にかけて堅調に推移。また欧州中央銀行(ECB)が3会合連続となる利下げを行い、中銀預金金利を0.25ポイント引き下げ3%とした。主要中央銀行の金融緩和観測によるリスクオンセンチメントの高まりを背景に、暗号資産市場は堅調に推移している。
個別企業に関連した材料として、米国マイクロソフト社の株主総会においてビットコイン保有提案が否決されたことが話題となった。個別企業がビットコインを保有するかの是非はここでは割愛するが、ビットコイン現物ETFの承認以降、米国において年金基金への暗号資産組み入れが本格化しつつあることも忘れてはならない(5月にウィスコンシン州、12月フロリダ州で組み入れ提案)。これらの動向を背景に、民間企業においても今後同様の株主提案が想定され、余剰金の多い企業を中心にポートフォリオに暗号資産の組み入れを行う企業が出てくる可能性があるだろう。
また前週に引き続き、「フラッシュクラッシュ」が10日早朝に起きたことも留意しておきたい。依然として過去最高水準を維持するCME先物建玉を背景に、大口清算によるボラタイルな局面にも十分に配慮する必要がある。
今週はFOMC・日銀政策決定会合と、主要中央銀行のイベントが控えている。FOMCでは、米国経済指標については弱い指標が続いているわけではないため、来年1月会合以降は利下げペースが抑制的になる(もしくは停止される)ことが想定される。パウエルFRB議長会見で次回に向けてハト派的な発言が見られれば、暗号資産やリスク性資産に追い風となるだろう。日銀政策決定会合については、12月短観DIにおける小売、宿泊/飲食の弱さや、利上げ先送り報道を背景に、今回会合においては政策金利の0.25%据え置きが大方の予想となっている。賃上げと価格転嫁がネックとなっているが、市場では来年1月会合での追加利上げ(25bp)が見込まれている。先述の材料により足元では円安が進行し、先週BTCは円建てでの最高値を更新した。為替動向および円建て暗号資産価格の推移にも注意が必要だ。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 紫線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC未決済建玉推移]

(coinglass提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【12/8~12/14週の主な出来事】

【12/15~12/21週の主な予定】

【今週のひとこと】ポートフォリオにおけるビットコイン
本文でも触れた通り、先週マイクロソフト社が、株主からのビットコインの保有提案を否決したことが話題を集めました。株主提案は、全米公共政策研究センター(NCPPR)というシンクタンクによって提出されたものです。同センターはアマゾン社にもバランスシートにビットコインを組み入れるべきだと提案しています。
ポートフォリオにビットコインを組み入れるというテーマについて、12日に大手資産運用会社のブラックロック社が興味深いレポートを発表しました。同社はレポート内で、暗号資産に関心がある投資家に対し、ポートフォリオの1~2%をビットコインにすることを提言しています。レポートでは「ビットコインは、主要なリスク資産と長期的に相関する理由が本質的にない」とし、「これにより、より分散化されたリターン源を提供する可能性がある」と述べています。また、ビットコインへの1~2%の投資配分は、「マグニフィセント7」と呼ばれるハイテク株群(アルファベット、アマゾン、アップル、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ)への典型的な配分と、ポートフォリオ全体のリスクシェアはおおむね同程度だとしています。(同社は60% の株と 40% の債券を組み合わせた従来のポートフォリオを前提とした過去のデータを基にリスク水準を算出しています)
ブラックロック社公開レポート:「Sizing Bitcoin in portfolios」
ビットコイン現物ETF承認以降、年金基金等の機関投資家が暗号資産への投資を検討しています。仮にこの投資割合がより一般的になった場合、暗号資産への資金流入量は莫大な規模になるでしょう。現在のビットコインの堅調な価格推移は、こうした期待感を反映しているのかもしれません。
投資家にとって資産ポートフォリオの何%を暗号資産にするかは時折議論になるテーマです。暗号資産ユーザーの間では、資産の5割以上、多い人は8割以上が暗号資産になっているという人も少なくありません。資産運用において適切なポートフォリオの割合や、株式等の他のリスク性アセットクラスと暗号資産のバランスについて絶対的な回答はないでしょう。依然として暗号資産はボラティリティの高い資産クラスであり、自身のライフステージや考え方によってもリスク許容度は異なってきます。適切なポートフォリオ構築を心掛けた資産運用を常に意識することが重要だといえます。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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