2025/12/24
年末は下落しやすい?クリスマスあたりから31日までは毎年下落傾向
毎年この時期になると「年末は下落しやすい」という印象を持っていましたが、過去の値動きを改めて確認すると、2020年末を除き、BTCは12月24〜26日あたりから31日(〜年明け)にかけて、概ね3〜8%程度下落している年が多いことが分かりました。あまり大きく語られることのない年末アノマリーですが、暗号資産市場は年末にかけて弱含みになりやすい傾向があるようです。背景として考えられるのは、年末を前にしたポジション整理(利確・損出し)です。
特に日本・韓国・米国では、確定申告や税務上の整理を意識する時期(日本は翌年2〜3月、米国は4月、韓国も春先が中心)に向けて、年末時点で保有リスクを落とす動きが出やすいのではないでしょうか。
加えて、クリスマス休暇〜年末年始は参加者が減り、板が薄くなりがちです。結果として、小さな売りでも値が飛びやすく、下方向にトレンドが出ると加速しやすい点も、年末の弱さを増幅させる要因と考えられます。
以上を踏まえると、向こう1週間は「買いで追いかける」よりも、基本戦略は戻り売り継続が優位と考えます。
■ 下降トレンドライン上抜け失敗
【採用テクニカル】
• 移動平均線(SMA):30(赤)、90(青)、200(橙)
• MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)
BTC/JPY日足チャート分析です。
下降トレンドラインを上抜けしかけたものの定着できず、足元は再びじり安で下値を更新しつつある展開に見えます。上値はSMA30(赤)で抑えられ、戻り局面が売りに押されて反落しました。
先週更新時と同様に、戦略としては戻り売り継続を軸に考えます。MACDも0.00付近まで回復してから再び下方向へ向き始めており、短期的な調整が一巡し、中期の下落トレンドが再開しやすい形状になりつつあります。
年末アノマリーが意識される局面であることも踏まえると、もう一段安の余地は残り、まずは11月下旬につけた安値を試す展開を想定したいところです。
■SMA90をバックに戻り売りを

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)
BTC/JPY 4時間足チャート分析です。
4時間足では、SMA90(青)やSMA200(橙)を一時的に上抜けたものの、上抜けが続かず失速して戻ってきてしまいました。下降トレンドラインに加え、これら移動平均線が上値抵抗として機能しやすい状況で、引き続き上値の重い展開を予想します。
戻り売りの目安は1370〜1390万円を想定します。ここを背に、1300万円方向を意識した売りトレードを週後半にかけて検討したいところです。
また、年末にかけて追加の悪材料(リスクオフ材料)が出る場合は、下方向への値動きが加速し、下値更新が続くリスクも想定しておきたい局面です。
■上昇サポートを割り込むと下落加速か?

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)
ETH/JPY 4時間足チャートです。
11月下旬からの安値を結んだ上昇トレンドラインを引くと、目先のサポートは45万円付近になります。この水準を明確に割り込むと、反発局面が終わり、下落トレンド再開となりやすい形です。週後半にかけて、このサポートを割る値動きが出るか注目でしょう。
12月上旬〜中旬は反発地合いが続きましたが、最終的には上値が重く、徐々に下値を押し込まれる展開が続いています。先週は一度ダブルボトム気味の反発も見られたものの、週明け以降は反発が続かず、再び弱含みです。
年末の地合いも考慮すると、ETHも一段安を想定します。安値の目処は42〜43万円を意識し、基本スタンスはショート継続が無難と考えます。
■アルトコイン全般地合い悪し

出所:SBIVCトレード(PCブラウザ・トレーダーモード)
SOL/JPY 4時間足分析です。
BTCやETHと比べても、SOLはチャート形状が明らかに弱く、アルトコイン全般に共通する「戻りの鈍さ」「下値の切り下げ」が目立ちます。地合いとしては、引き続き下値を拡大しやすい局面と判断します。
下値目安は18,000円付近のサポートラインですが、ここは「割れていく前提」で売りトレードを組み立てたいところです。
戻り売りの目安はSMA90(青)で、25〜26日にかけて19,500〜20,000円近辺まで戻す局面があれば、売りでのエントリーを狙いたいと考えます。利食い目安は18,000円割れです。
またMACDは0.00付近まで調整戻しが進んでおり、ここから再び下方向へ傾くと、戻りを作らずに下落が進む可能性もあります。現状水準から小さく打診売りを入れておき、戻したところで売り増しする、といった段階的な組み立ても選択肢でしょう。
現状、BTC・ETHと比較してSOLは最もネガティブと見ており、深めの安値更新リスクを警戒しつつ、売りトレード優先の方針で臨みたいところです。
■総評
冒頭で述べた通り、過去の傾向として、クリスマス前後から年末にかけて下落しやすい動きが見られます。このアノマリーを先回りする形で、向こう1週間も基本は売りトレード優先で考えます。
今月の重要経済指標イベントは一巡し、ここからはクリスマス休暇で市場参加者が減り、流動性が薄くなりがちです。板が薄い局面では、思わぬ値動き(急騰・急落)も起こりやすいため、逆指値の置き方やレバレッジ管理など、ポジション管理を最優先にトレードしていただければと思います。
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