Market Report

マーケット情報

2025/10/16

急落急騰、米中貿易戦争で一喜一憂の相場へ

先週、ドル建てでは、BTCは史上最高値更新後に約20%の下落となりました。ETHは25%、その他アルトコインは30〜70%と大幅な下落に見舞われ、市場全体に不穏なムードが広がっています。
今回の急落のきっかけについては、SNS(X)上で“インサイダー取引疑惑”が話題となりました。トランプ政権や中国政府に近いとされる複数のアカウントが、事前にBTCのショートポジションをオープンしていたとの指摘があり、大規模なポジション構築が注目されていました。

そこへ中国当局によるレアアース輸出規制強化の発表が重なり、トランプ大統領もSNS上で「対中関税100%」を示唆する発言を行ったことで、市場は一時パニック的な急落へと発展しました。
報道によれば、10日(金)未明には世界中で約160万人のアカウントに強制ロスカットが発生し、フラッシュクラッシュを誘発。推計で200〜300億ドル(約3兆円超)規模の清算が行われたと見られています。

参考①:https://www.neweconomy.jp/features/sbivct/505892
参考②:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-11/T3Y41IGPQQ7800

この一連の動きで市場は大きく痛み、SNS上では「誰が仕掛けたのか」を巡る犯人探しが過熱しています。オンチェーン上でも追跡が進み、一部では政権関係者のアドレス特定を試みる動きも出ています。



■海外デリバティブ市場はショートポジション偏重


【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤),90(青),200 (橙)
MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


BTC/JPYの日足チャートを見ると、10日(金)のローソク足は一時トレンドラインを割り込みながらも下髭で反発。その後いったん持ち直したものの、今週に入り再び下落するなど荒い値動きが続いています。
強制ロスカットの影響から流動性が低下し、板が薄くなっている可能性もあるでしょう。

一方で、清算により買い建玉が整理されたことで、上値は比較的軽い展開が見込まれます。Coinglassのデータでも、海外デリバティブ市場はショートポジションが依然多い構成です。
出所:https://www.coinglass.com/ja/pro/futures/LiquidationMap

今後、ショートカバーが起点となる上昇局面も想定されます。あとはファンダメンタルズ次第で、再び上昇トレンドへの転換も視野に入る局面と考えます。時間足ベースで押し目買いポイントを探る戦略が有効でしょう。



■1680万円をバックに押し目買い戦略

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


BTC/JPYの4時間足では、現在1680万〜1770万円のレンジを形成しています。
SMA200(橙)を上抜けできれば、上限ラインを試す展開もありそうです。MACDはゴールデンクロスに向かいつつあり、0.00ライン回復が近いでしょう。
また、SMA30(赤)は今後下方から追いついてくる形となり、週末にはサポートとして機能する可能性もあります。

足元では乱高下が続いているものの、徐々にレンジ相場へ収束する動きも見られます。テクニカル的には明確な買いシグナルは出ていませんが、1680万円をサポートラインとした押し目買い戦略が妥当と考えます。チャンスは週末に訪れるかもしれません。



■ETHは三角保合い、ブレイク待ち

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


ETH/JPYの4時間足では、大きな三角保合いを形成中と見られます。
押し目の目安は下限ライン付近、もしくはSMA30(赤)付近。価格帯としては61〜62万円ゾーンが買い場のイメージです。
上値のターゲットは64万円後半〜65万円のレジスタンスライン、さらにSMA90(青)およびSMA200(橙)です。

このラインを突破できれば上昇の勢いが強まり、デリバティブ市場ではストップロスを巻き込んだ上昇も期待されます。数日間の揉み合いを経て下値を切り上げる展開が理想的です。



■SOLはETHよりもチャート形状が良好

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


SOL/JPYの4時間足は、ETHと比較してテクニカル形状が良好です。
14日(火)の反落時にも安値を明確に割り込まずに耐えた点が評価できます。
現在は下降トレンドライン接近中で、上昇ブレイクの可能性が高まっています。

上値の目安は32,500円付近のレジスタンスラインおよびSMA90(青)です。この付近まで上昇した場合はいったん利益確定し、浅い押し目で再エントリーを狙うのが有効でしょう。
MACDも0.00付近を上抜けしそうで、プラス圏への浮上が目前です。
テクニカル的にはETHよりも強い印象で、上昇トレンド入りはSOLのほうが先行する可能性もあります。今週はSOLにも注目し、ポートフォリオ比率をやや高めに調整しておきたい局面です。

米中の応酬によって市場心理は一進一退の状況が続いています。
ただし、極端なロスカット清算によってポジションは整理されつつあり、テクニカル的には下値のリスクよりもリバウンド余地のほうが大きい局面です。
ショートカバーとテクニカル回復が重なれば、週末にかけて再び強気相場へ転換する可能性も視野に入れておきましょう。




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