2022/03/29
ブレイクアウト
先週のハイライト先週の動き
先週の暗号資産市場は全般的に強く推移。ビットコインは45,000ドルのレジスタンスを抜け、週明けには48,000ドルまで急騰し、先週一週間で、ビットコインとイーサリアムは共に15%ほど上昇、主要暗号資産以外ではADA(カルダノ)が週間ベースで30%上昇した。FOMC後、利上げサイクルの道を示したことにより不確実性が減少したこと、また地政学リスクへの反応が限定的になったことから、リスクアセットの上昇につながったと思われる。
売買動向を見ると、ADA(カルダノ)、LUNA(ルナ・テラ)、LINK(チェーンリンク)、DOT(ポルカドット)、EOS(イオス)に強い買いが見られた一方で、BTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、AVAX(アバランチ)XRP(エックスアールピー)は売りが優勢であった。地域別に見ると、驚くことに、米国圏・欧州中東圏・アジア圏と全ての地域において売りが優勢であった。特に、アジア圏と欧州・中東圏においては、55%以上の売り越しが見られている。顧客カテゴリー別では、海外取引所、銀行、個人が売り越しになっており、HFT・マーケットメイカーからは買いが見られた。
暗号資産先物市場においては、3カ月物ベーシスが3.5%から5.5%へと堅調に推移した動きが見られた。OTCレンディング市場の動きは活発ではなかったが、イーサリアム2.0移行を前にして、より長期間のイーサリアムを借り入れする動きが見られた。
オプション市場において、FOMC以降下落したボラティリティは、引き続き上値重く推移。FOMC後に70%あった期近物(1~2週間)のボラティリティは、週明けには55%まで下落。週明けビットコインが45,000ドルを上抜けすると、ボラティリティも一時上昇した局面があったが、最終的には50%台半ばまで再び押し戻された。一方、3~6カ月物のコールの需要は引き続き強いように見受けられる。
今後の展望
今週は、日本の年度末、海外の四半期末であり、金融市場はフローに左右されそうだ。また、3/30(水)にラガルドECB総裁発言、独CPI(消費者物価指数)、米GDP確報値、3/31(木)にはFRBが最も重要視している物価指標であるPCEデフレーター、そして4/1(金)には米3月雇用統計と重要経済指標が発表される。ビットコインはインフレヘッジとしての役割は一部にはあるものの、総じてリスク資産とのカテゴリーに戻りつつあるようだ。
(提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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