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2025/03/10

暗号資産週間レポート(2025.3.2-2025.3.8)
トランプ大統領発言と暗号資産サミットで高まるボラティリティ、今週は米国経済指標に注目!

【3/2~3/8週のサマリー】
・トランプ米大統領が暗号資産準備金関連のSNS投稿を行い暗号資産市場急騰
・イーサリアム大型アップグレード「ペクトラ」がSepoliaテストネットワーク上にて成功
・トランプ米大統領がビットコイン準備金設立に関する大統領令に署名
・暗号資産サミットをホワイトハウスにて開催



【暗号資産市場概況】
3/2~3/8週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲1.52%の12,768,400円、ETH/JPYの週足終値は同▲2.27%の328,180円であった(※終値は3/8の当社現物EOD[3/9 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、週初のトランプ米大統領による暗号資産準備金関連の発言、週央の関税に関する発言、週末のビットコイン準備金設立に関する大統領令への署名、暗号資産サミットとトランプ氏の動きによって相場が反応し、非常にボラタイルな1週間となった。
3日、深夜にトランプ米大統領が暗号資産準備金関連のSNS投稿を行い暗号資産市場全体が急騰。ビットコインは2日未明から3日早朝にかけて約1万ドルの上昇。前々週のBybitハッキング騒動から継続した下落基調によって冷え込んでいた投資家心理に改善の兆しが見えた。銘柄別ではトランプ氏のSNS投稿で具体的に明言されたXRPが30%超、ADAが60%超の上昇。同日深夜、暗号資産準備金構想に対して懐疑論が広まり一転して売りが加速。具体的なスケジュールや金額については公表されていないことも下落に拍車をかけた。その後は継続した下落により4日未明に81,500ドルまで下落。
5日、7日に開催される暗号資産サミットへの期待感からか5%強の上昇。翌6日も続伸し、5日の安値から約1万ドルの上昇。同日未明に米国市場がオープンするとナスダックの大幅下落に連動するような値動きを見せ、再び90,000ドルを割り込んだ。翌日に控えた雇用統計と暗号資産サミットの前にポジション整理がされた可能性もある。
7日、日本時間午前に「米国の暗号資産準備金は、新規のビットコインの調達はせずに押収済みのビットコインを準備金に充てる」とのヘッドラインにより90,000ドルから5,000ドル下落。XRPやADAといった準備金関連銘柄も期待感が剝落し同様に急落。同日夜、雇用統計の発表後にビットコインは91,000ドルを回復したが、米国経済が減速しているとの見方により米株式市場が続落でスタート。ビットコインは再び下落に転じ、暗号資産サミットにおいてもサプライズはなく86,000ドル付近で1週間をクローズ。1週間を通して1万ドル幅の値動きが3回記録されたボラタイルな週となり、イベントや要人の発言を通して方向感のない値動きに終始した。
今週は12日に米CPI、13日に米PPIの発表が予定されている。7日にドル円レートが昨年10月以来となる、一時147円を割り込んでおり、指標の結果によってはさらに円高方向に推移する可能性があるだろう。ビットコイン安×円高は円建てビットコインの価格下落にダブルパンチとなるため注意が必要だ。先週の米国株式市場は先行きの不透明感により軟調な動きを見せた。ビットコインはナスダックと連動するような値動きが確認されているためこちらも注視が必要だ。最後に先週は要人発言によって暗号資産市場が大きく変動したため、要人発言を素早くキャッチアップすることと発言に備えたシナリオを想定することが望ましいだろう。








[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)


[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



【3/2~3/8週の主な出来事】



【3/9~3/15週の主な予定】


【今週のひとこと】暗号資産サミット

先週3月7日(日本時間8日)、ホワイトハウスで初の暗号資産サミットが開催され、トランプ大統領や米大手暗号資産取引所CoinbaseのCEOブライアン・アームストロング氏など暗号資産業界の主要人物が参加しました。今回はサミットの内容について振り返りたいと思います。
本サミットは、デジタル資産の未来と米国の金融システムへの統合について議論することを目的としていました。そして、米国がビットコインマイニングにどう取り組むべきか、暗号資産準備金について、加えて「現実世界の資産とデジタル資産の上に構築された新しい金融システムを米国を中心に据える方法」など、いくつかの議題が議論されました。
トランプ大統領は本サミットに先立ち、3月6日(日本時間7日)に戦略的ビットコイン準備金とデジタル資産備蓄を創設する大統領令に署名しました。米国政府が保有するビットコインの数量は現在約20万BTCと報告されており、これはビットコインの発行上限枚数に対して約1%を占めています。この約20万BTCが戦略的ビットコイン準備金に充てられるわけですが、トランプ大統領が署名した大統領令には、財務長官と商務長官に対して、納税者に追加の負担をかけずにビットコインのさらなる取得をするための「予算中立的な戦略」の策定指示が含まれています。また、現在保有しているビットコインに関して「米国は準備金に預けられたビットコインを売却しない。価値の保存手段として保管される。」と米AI・暗号資産責任者のデイビッド・サックス氏はX(旧Twitter)に投稿をしました。
バイデン政権までの過去10年間、米国政府が保有していたビットコインは競売や市場での売却を通じて処分されることが多く、サックス氏は早期に売却したことにより170億ドル(約2.5兆円)以上の潜在的利益を逃したと指摘しました。これらの議論は、政府がビットコインを含む暗号資産を戦略的資産として認識し、その保有方針を見直す重要な転換点となりました。そして、これまでの売却はビットコインにとっても短期的な売り圧力につながる要因の一つでした。そのため中長期的に見れば、米国政府が保有するビットコインが市場に出回る可能性が低下し、売り圧力が抑止されたとの見方もできます。
その他の議題としては、8月までにステーブルコイン法案を成立させたい意向であること、暗号資産「FIFAコイン」の発行計画の発表がされました。
今回の暗号資産サミットでは、戦略的ビットコイン準備金におけるビットコインの保有数量を増やすための追加購入に関する具体的な発表こそありませんでしたが、上述の通り戦略的ビットコイン準備金を創設する大統領令に署名したことにより、米国政府が将来的にビットコインを購入する可能性は残されていると言えるでしょう。将来的に米国政府によるビットコイン購入に関するニュースが発表された際は、購入数量だけではなく、購入方法や資金源、購入期間などにも注目したいものです。










(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


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