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マーケット情報

2024/11/05

暗号資産週間レポート(2024.10.27~2024.11.2)
迫る米大統領選!FOMCの決定とビットコインETF流入が暗号資産市場を揺るがす!

【10/27~11/2週のサマリー】
・ビットコインのホワイトペーパー公開から16周年(10/31)
・ブラックロックのビットコイン現物ETFが過去最大の流入額を記録
・資産運用会社21Shares、XRP現物ETFのS-1フォームをSECに提出



【暗号資産市場概況】
10/27~11/2週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+3.98%の10,629,000円、ETH/JPYの週足終値は同+0.80%の381,710円であった(※終値は10/26の当社現物EOD[10/27 6:59:59]レートMid値)。
今週の暗号資産市場は、10/31にビットコインのホワイトペーパー公開日(16周年)を迎えるという文脈を背景に、前週以降の米ビットコイン現物ETFへの資金流入トレンドが継続。当日10/31には、ビットコイン現物ETF中で最大の運用資産残高を誇るブラックロックのETFが、取引開始以来の資金流入を記録した(ETF全体の流入では3/12の記録に及ばず歴代2位となった)。
週央からは、上記イベント通過に加え、米大統領選におけるトランプ氏の当選確率(市場織り込み)が減退、ビットコインをはじめ暗号資産には逆風となった(市場織り込み推移は下部/正確性の観点から複数サイトのチャートを掲載)。トランプ氏は選挙戦中の発言で、イーロン・マスク氏の閣僚起用に言及しており、直近ドージコインの価格不調も、トランプ・トレードの影響を受けた結果であるといえよう。
また、英労働党のスターマー政権が提示した予算案を受け、英10年債利回りは約1年ぶりの水準に上昇。予算案では医療・教育予算が拡大されており、市場予想対比インフレ的であるとの評価を受けた格好だ。政府支出増はインフレ要因であり、インフレ傾向が持続すれば英中銀は利下げを継続しにくくなるため、リスクアセット(株やビットコイン)にとってマイナス要因となった。
週後半は、雇用統計の非農業部門雇用者数が市場予想対比大幅に下振れし、利下げ連想から暗号資産価格は一時伸長したものの、ISM製造業PPIも下振れ(財軟調・サービス堅調の流れが継続)、上昇分を巻き戻した。ハリケーンやストライキの影響もあるため、一過性のデータを重視しすぎるべきではないとの見方がマーケットでは浸透してきたように見受けられる。また、失業保険関連のデータについては、新規受給者数よりも継続受給者数の上昇傾向に焦点が移り始めたと考えている。
次週は米大統領選の投票日とFOMCにおける米政策金利発表が控えている。米金利については、本稿執筆時点で98.9%の確率で25bpsの利下げが見込まれており(CME FedWatchToolより)、相当なイレギュラーが発生しなければ市場予想どおりの結果となるだろう。前述の英金利だけでなく、米長期金利についても足元では上昇傾向にある(将来的な利下げ織り込みが縮小し、タームプレミアムが要求されている状況)ため、利下げ幅よりも、政策金利発表後の声明や記者会見において、市場参加者全体が問い始めているインフレ粘着化~再燃懸念に対し何らかの言及やアンサーがあるか、といった側面により注目したい(両米大統領選候補者とも拡張的財政政策をとることが想定されておりインフレ懸念の一因となっている)。
米大統領選について、各候補者の対暗号資産姿勢については、最下部の「今週のひとこと」で扱う。その他で留意しておきたい点は2つある。1つ目は、当選者が投票日当日には決まらない可能性が高いことだ。今回の選挙は接戦となる州が多いことが予想されている。州によって具体的な規定は異なるが、例として、「得票差が0.5%以内の場合は自動的に再集計が発生する」「候補者または選挙人が要求した場合は再集計が発生する」など、複数の州で再集計が行われる可能性が高い。トランプ氏が敗北した場合、仮に接戦とは言い切れない状況であったとしても、異議を唱える可能性は十分にある(本人もそのような発言を事前にしている)。可能性としては高くないが、選挙関連紛争の解決期限は12月11日となっており、11月中に当選者が確定しないケースも想定しておく必要がある。
2つ目は、上院・下院問題である。当選者が誰になるのかという点に議論が集中しがちであるが、トランプ氏当選・ハリス氏当選に加え、上下院共和党/上院共和党・下院民主党のパターンは考慮しておく必要がある。いずれの候補が当選しても、ねじれ議会となった場合は、政策が通過しにくくなることから、各政権のスタンスも緩和されることとなるだろう。当選者に加え、議会状況についても確認が必要だ。



[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)




[2024年大統領選挙の勝者市場予測(Polymarket)]

(橙線がトランプ氏の当選確率予測、青線がハリス氏の当選確率予測)
(Polymarket提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[2024年大統領選挙の勝者市場予測(Kalshi)]

(ピンク線がトランプ氏の当選確率予測、青線がハリス氏の当選確率予測)
(Kalshi提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)




[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 紫線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)




【10/27~11/2週の主な出来事】



【11/3~11/9週の主な予定】


【今週のひとこと】米大統領選各候補者の対暗号資産姿勢

11月5日(日本時間6日)は、いよいよ米大統領選挙の投票日です。本日の「ひとこと」では、話題となっている米大統領選について、各候補者の対暗号資産姿勢の図表を作成しました。


トランプ氏については、非常に親暗号資産的な姿勢が明らかであり、暗号資産コミュニティから歓迎されている一方、全ての発言が実現的であることを期待しない方がよいでしょう(選挙戦中の政治家の発言は割り引いて考える必要があります)。
一方、ハリス氏についても、バイデン政権時代は暗号資産に友好的とは言えない姿勢でしたが、今回の選挙戦中に、トランプ候補に対しての莫大な献金など、暗号資産コミュニティの影響力が無視できないことを認め、暗号資産企業への接触を図ったり、デジタル資産は探求すべきイノベーション分野の一つであるとする姿勢を見せるように変わってきました。
どちらの候補が当選となった場合でも、上図や各報道を参考に、事前の発言がどのように政策に反映されていくのか、ぜひ注目してみてください。


(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


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