Market Report

マーケット情報

2023/02/21

弱気なニュースが出ていた中、マーケットは上昇

先週のハイライト
  • 米CPIは予想に反してインフレ緩和傾向を示すものではなかったものの、暗号資産は上昇
  • 水曜日にBTCは21,800ドルから24,800ドルまで、ETHは1,510ドルから1,710ドルまでそれぞれ上昇
  • 木曜日にBTCで25,250ドル、ETHで1,742ドルの高値を付けたのちはマーケットはレンジで推移
  • SOL、DOT、MATIC、EOS、BCHといった中規模アルトコインは、FTXショック以降の高値を付ける
  • 暗号資産レンディング市場は米ドルの需要が高まり、先物市場では対ドルベーシスが上昇
  • 期近物のオプションは買いが強まり、ボラティリティのカーブは手前高の形状に
  • 中期的な見通しから上のストライクのオプションの需要が高まる


  • 先週の動き
    直近の予想比強い米雇用統計や、米当局の規制強化など暗号資産にとってはネガティブなニュースが多いいものの、暗号資産は底堅く推移。注目された米CPIも予想を上回る結果であったにも関わらず、マーケットの下値は限定的で上昇に転じる動きとなった。米CPI発表後36時間でBTCとETHは約13%上昇し、BTCで25,000ドル、ETHで1,700ドル近辺にあった上値抵抗線を抜けることとなった。その後、週末にかけてはレンジでの動きとなっている。多くのアルトコインでも大きな上昇がみられ、FTXショック以降の高値を更新している。

    フローデータを見ると、週を通して売り買いの傾向に大きな動きはなく、BTCはETHと比べて買い選好となっていた。またXRP、SOL、MATIC、DOT、BCHで大きな買い越しとなっている。地域別でみるとアジア・オセアニア地域、欧州・中東地域が買い越しとなっており、北米地域は売り買い拮抗している。投資家別で見ると、ファンド系と取引所が強い買い手となっていた。

    暗号資産先物市場では暗号資産対米ドルのベーシスは大幅に上昇し、3月限月の対ドルベーシスは主要取引所で4%~5%程度上昇し、年率7%~8%のプレミアムで推移。一方、来月に上海アップグレードが控えるETHの上昇は1%~2%程度に留まり、上海アップグレードに係る不確実性から、市場参加者がBTCほどETHに対して強気になれていない様子が伺える。

    暗号資産オプション市場ではスポットの上昇を受けて買いが強まっており、特に期近物の買い需要が強い。オプション市場のマーケットメイカーはオプションショートになっており、これらが期近物を押し上げる要因になっていると見られ、ボラティリティのカーブはクリアに手前高になっている。3月限月のボラティリティは58%程度と直近高値に近く、先週の44%程度の水準から10%近く上昇している。リスクリバーサルを見ると、スポット上昇継続を見込んだ上のストライクのオプションが良く買われており、3月3日限月の25デルタリスクリバーサルは上サイドが6%程度高い水準で取引されている。

    今週の展望
    弱気につながる経済指標や当局関連のニュースが出ているにも関わらずBTCは25,000ドル、ETHは1,700ドル近辺で引き続き推移しているところをみると、今週は経済指標の結果に反応するかどうか疑わしい状況となっている。とはいえ、EU地域のPMIや消費者物価指数の発表を控えており注意が必要。

    また米雇用統計や米CPIが予想を上回る結果となっていたことから、今後のFRBの利上げ姿勢やピーク金利の見通しを判断するにあたってFOMC議事要旨の発表も注目されている。








    (提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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