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マーケット情報

2024/08/26

暗号資産週間レポート(2024.8.18~2024.8.24)
ジャクソンホール会議に暗号資産市場は好感!目を引く30%上昇のAVAXには要注目!?

【8/18~8/24週のサマリー】
・SEC(米証券取引委員会)はCboe BZXによるSOL(Solana)現物ETFの19b-4申請を却下
・米労働統計局は、2023年4月~2024年3月の非農業部門雇用者数を81.8万人下方修正
・資産運用会社GrayscaleがAVAXトークンファンドを発表
・ジャクソンホール会議が開催。FRBパウエル議長「金融政策を調整する時が来た」


【暗号資産市場概況】
8/18~8/24週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+4.89%の9,188,100円、ETH/JPYの週足終値は同+2.75%の395,710円であった(※終値は8/24の当社現物EOD[8/25 6:59:59]レートMid値)。
週初の暗号資産市場は、回復の兆しを見せ始めた米ビットコイン現物ETF需要を背景に、ビットコイン価格が60,000ドルを挟む攻防を継続。米労働統計局(BLS)が年次雇用者数ベンチマークを改訂し、2023年4月~2024年3月の非農業部門雇用者数が81.8万人下方修正されたことで、労働市場の冷え込みは従来織り込みよりも悪化しているのではないかとの懸念が広がり、市場は一時下押した。
22日には7月FOMCの議事録が公表。大半のFOMCメンバーは次回9月FOMCでの利下げ(米政策金利の引き下げ)が適切であると考えていたことが再確認され、FOMCに向けて一時解消(リスクオフ)されていたロングポジションが再構築された。
週後半には米ワイオミング州で開かれた金融会合「ジャクソンホール会議」においてFRBパウエル議長が講演を行い、「金融政策を調整する時が来た」「金融引き締めを適切に緩和できれば、力強い労働市場を維持しながらインフレ率を2%に戻せるだろう」と発言。既に織り込まれている9月利下げの確度をさらに補強するとともに、労働市場の冷え込みについて理解を示したうえで雇用維持への自信を示した。講演後は金利が下落、暗号資産市場はパウエル議長の発言内容を好感し、大きく上昇した。
上記に加え、AVAX(Avalanche)の価格上昇が目立った。週央に発表された2つのニュース(フランクリン・テンプルトンのオンチェーンMMFの対応ネットワークとして採用 / Grayscale社によるAVAXトークンファンド)が好材料となり、ビットコインを大きくアウトパフォーム。前週比+30%の上昇となった(最高値では+35%)。AvalancheはEvergreen(金融機関向けサブネット)の実装やAWS(Amazon)との提携等、機関投資家寄りのファンダメンタルズとの親和性が高いほか、Grayscaleのファンドへの採用から将来ETFとして申請される可能性も連想されたのではないかと考える。
次週以降について、次週(8/25~8/31週)を終えると9月を迎えることとなるが、ビットコインにとって9月は歴史的に季節性がよいとは言えない値動きが続いてきた(下部に図表を掲載)。利下げが濃厚となっている次回FOMCは9/17~18であり、FOMC手前までは大別すればリスクオフ相場が続いていくことが想定される。8月後半~9月前半にかけては、余力を残したポジション構築を心掛けたい。


[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[ BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[BTC/USD, AVAX/USD週間チャート(30分足・騰落率)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[ビットコインの月次リターン]

(Coinglass提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートよりSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)



[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートよりSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)




【8/18~8/24週の主な出来事】



【8/25~8/31週の主な予定】


【今週のひとこと】MMF(マネー・マーケット・ファンド)とは

先週は、Avalancheチェーンがフランクリン・テンプルトンのオンチェーンMMF「FOBXX」の対応ネットワークとして採用されるというニュースがありました。この「MMF」とは何なのでしょうか。
MMFはマネー・マーケット・ファンドの略語であり、短期国債や格付けの高い企業のコマーシャルペーパー(CP)など、より安全とされる資産に対し運用を行う投資信託の一種です。
2008年にはリーマン・ショックが発生し、一部MMFにおいて元本割れが発生しました。これを受けSECは規制改革を実施。2016年に新規制が適用され、MMFのほとんどを「ガバメントMMF(政府系MMF)」と呼ばれる「ポートフォリオの99.5%以上を現金、米国債等で運用するMMF」が占めるようになりました(FOBXXもこのガバメントMMFにあたります)。
2020年にコロナショックが発生し、金融緩和を行った後遺症のインフレを鎮静化するため、FRBは2022年5月に利上げを開始しました。金利が上がったことで、米国債の利回りがより魅力的になり、MMFの運用資産残高は順調に伸長。米国におけるMMFの運用資産残高は、今年4月に6兆ドルを超える規模を達成しました。


[米国におけるMMF運用資産残高の推移]

(出典:Board of Governors of the Federal Reserve System、Financial Stability Report)


(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)


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