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マーケット情報

2025/09/10

インフレ指標発表、そしてFOMCへ 暗号資産市場は波乱の日々か?

10日水曜は米PPI、11日木曜は米CPIの発表があります。
先月のPPIは市場予想を大幅に上回る結果となり、ドルが急騰、暗号資産市場は下落しました。スタグフレーション懸念からくる急落です。
生産者側の物価指数で、トランプ関税の影響が最も大きい指標なため、アナリストによる事前予想も難しいものとされているのでしょう。今夜も大幅にズレた数字が出る可能性があるので要注意です。
また生産者側のインフレ率上昇は数ヶ月後からCPIに影響を及ぼします。
販売価格に転嫁されていきますので、店頭の値段も徐々に上昇してくるでしょう。
CPIの数字がはっきり出てくるのは11-12月ごろだと思われますが、後を追うように数字が上昇してくるはずです。そのほかの経済指標が失速してもこれらのインフレ率上昇は利下げ判断を遅らせるので中長期で経済が低迷します。これらはまだ金融市場で織り込まれておりませんので要注意でしょう。
そして来週はFOMCがあり、政策金利の引き下げが行われる予定です。政策金利引き下げはインフレ率上昇に寄与しますので、個人的には年明けにCPIは4%を超えてくるのではないかと予想しております。
少なくとも3%台後半で推移すると思われますので来年以降の利下げは極めて難しい状況になってくるでしょう。
とは言うものの、スタグフレーション懸念はあれど、まだ少し先の話なので、今年も年末ラリーは存在すると考えます。今月中旬以降のシナリオとしては、明日までに発表予定のPPIやCPIの影響により、押し目を形成、FOMC通過で反転上昇に転じるのではないかと予想します。 向こう1週間、買い場を想定したテクニカル分析をご紹介していきます。



■買いはSMA200まで待つ


【採用テクニカル】
移動平均線(SMA):30(赤),90(青),200 (橙)
MACD:12,26,9

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


BTC/JPY日足チャート分析です。
SMA90(青)を下回ってきており、しばらく上値を抑えられている状況です。または
SMA30(赤)も下降気味であり、重ねて上値抵抗になるテクニカル条件が存在するため、簡単に上昇相場に転じるのは難しい局面であると考えます。
MACDはすでにゴールデンクロスを実現しており、本来ならば反転上昇していくところですが、現状はそのような上昇は見られず、横ばい推移となっております。
時間の経過が進むにつれてテクニカル分析の効果は薄れてきますので、本日と明日、陽線で終えられないと失速していく可能性が高そうです。
個人的にはSMA200(橙)が推移する1,500万円付近への調整を意識し、売りトレードを考えております。また仮にこの水準にまで反落する場合は押し目買いを狙う予定です。




■58万円台のサポートラインを意識

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


ETH/JPY日足分析に移ります。
BTC同様に調整形状に見えます。イメージとしてはサポートラインまでの調整下落を考えており、SMA90(青色)も今月下旬にこの水準まで上昇してくる可能性が高いことから、この付近が買い場になると予想しております。
58万円台のサポートラインを買い場と捉えて、月末にかけてこのサポートをバックに押し目買いを狙っていく予定です。




■移動平均線を3本下回る

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


ETH/JPY4時間足チャートに時間軸を落とします。
この10日ほどはレンジ相場となってしまい、方向感がありません。
他のアルトコインは今週に入ってからも高値を更新しているものが多く、先月主役だったETHは大人しく推移しております。
おそらくETH→他のアルトコインに資本が流れており、売却が一定レベル存在するのでしょう。
ETHで儲かった収益を利用し、分散投資を投資家が増え始めているように思えます。
よってETHの上値はしばらく重いと考えます。
またテクニカル的にも短期〜長期移動平均線をローソク足実体が下回ってレンジ相場を形成しており、ブレイクアウトは下方向に伸びやすいと考えます。足型も悪いため、調整下落相場のほうが確率高めと予想します。



■上昇ウェッジ形成中、上昇トレンド継続なるか?

出所:SBIVCトレード PCブラウザ トレーダーモード


SOL/JPY4時間足です。
BTCやETHと比較して、チャート形状は上昇トレンド最中です。先日も高値を更新し、主要アルトコインの中でも連日上昇が目立っている状況です。
現在は上昇ウェッジを形成中であり、さらなる高値更新が期待できる形状でしょう。
今夜PPI、明日のCPIが市場予想を下回る場合はこの高値を超えていくと予想します。
FOMCでの利下げが25bp→50bpへ期待が膨らむため、さらなる買いトレンドが予想されます。
個人的にはBTCとETHの戻り売りに集中したいため、SOLのトレードは控える予定ですが、テクニカル的には上昇有利な形状であることを追記しておきます。
ETH→主要アルトコインへの資本移動にて価格を押し上げる相場がまだ続くか注目です。





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