2024/07/09
暗号資産週間レポート(2024.6.30~2024.7.6)
大口によるBTC売却懸念!依然として高ボラティリティのため下値リスクに注意!
【6/30~7/6週のサマリー】
・ビットコインは大口売却による需給悪化懸念により、一時53,000ドル台までの調整
・Mt.Gox社、BitcoinおよびBitcoin Cashの弁済を開始したことを公式発表
・ドイツ政府と見られるウォレットから海外暗号資産取引所へ1,300BTCが移動
【暗号資産市場概況】
6/30~7/6週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比-4.91%の9,335,450円、ETH/JPYの週足終値は同-9.49%の493,185円であった(※終値は7/6の当社現物EOD[7/7 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、Mt.Gox社の弁済開始・独政府によるBTCの送金等、大口によるBTC売却懸念が市場の重石となり、ビットコインは一時53,000ドル台までの調整を見せ軟調に推移する週となった。
週初ビットコインは、フランス政局不安の後退を背景としたリスクオンの流れの中、62,000ドル台半ばのレジスタンスを抜けると、63,000ドル台に乗せる堅調な滑り出しを見せる。
2日、ドイツ政府が282.74BTC(約1,600万ドル相当)を暗号資産取引所のCoinbase、Bitstamp、Krakenに送金したことが伝わると徐々に上値を重くする展開に。さらに4日、ドイツ政府が1,300BTC(約7,500万ドル相当)を暗号資産取引所のアドレスに送金したことが判明すると下落幅を拡大し57,000ドル付近まで下落。翌5日、Mt.Gox社のウォレットから47,229BTC(約27億ドル) の資金移動が確認されると、2024年2月以来となる53,000ドル台付近までの下落を見せた。その後Mt.Gox社は弁済開始を公式発表。週末にかけ、ビットコイン現物ETFのキャッシュフローが高水準の流入となったことや、9月の利下げ観測の高まりを受けた米国金利低下がサポートとなり58,000ドル付近の価格帯で推移し週末を迎えた。
Mt.Gox社、米・独政府からのBTC売却懸念を受けて調整局面を迎えた暗号資産市場であるが、大口売却の動向を探ってみると、7/7執筆時点で米政府213,534BTC、独政府43,359BTCの保有が確認できる。ドイツ政府は6/19以前において50,000BTCの保有が確認されており、米政府は6/27に3,940BTCをCoinbaseに移動させていることから、直近2週間で両政府による約10,500BTCの売却がなされた可能性があるといえるだろう。Mt.Gox社の弁済においては、各取引所によってスケジュールが異なり、弁済されたBTCが市場で売却されない可能性も指摘されており、未だ売却のインパクトは不明確だ。
大口の売却懸念に揺さぶられる相場環境であるが、長期的な視点で見てみると2023年以降ビットコインには実現時価総額ベースで約2,240億ドルの資金が流入している。仮に米・独政府、Mt.Gox社の持ち分がすべて売却されたと仮定しても流入分の約10.48%と、十分に市場で吸収できる金額であるといえる。オプション市場でも行使価格の低いプットオプションを物色される動きは見られず、価格下落局面においてビットコイン現物ETFの資金流入が約1ヵ月ぶりの高水準の流入となっている点からも、相場の暴落を織り込んでいる印象は薄いといえるだろう。もちろん、依然としてボラティリティの高い相場環境である為下値リスクには十分注意を払いたい。次週も大口の動向に振り回される環境下であることが予想される為、関連のトピックに配慮した投資判断を行う必要がある。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]
(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ BTC/JPY週間チャート(30分足)]
(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]
(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン REALIZED CAP (実現時価総額)]
(橙線がビットコイン実現時価総額の推移)
(glass node社提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【6/30~7/6週の主な出来事】
【7/7~7/13週の主な予定】
【今週のひとこと】イーサリアム2.0(合意レイヤー)
先月19日にSECがイーサリアム2.0に関する調査を終了したというヘッドラインが登場しました。暗号資産に関するニュースの中で度々目にするイーサリアム2.0とはどのようなものでしょうか?
簡潔に説明をするとイーサリアム2.0とはイーサリアムネットワークにおけるアップグレードのことです。イーサリアム2.0が実装される以前のイーサリアムチェーンにおいては主に2つの課題があったためアップグレードが計画されました。課題とは①スケーラビリティと②環境(エネルギー)です。
①スケーラビリティの課題とはイーサリアムネットワークが処理できるトランザクション(取引)に限界があり、トランザクションが増加するとガス代(送金手数料)が高騰することです。②環境(エネルギー)の課題は当時のイーサリアムネットワークではブロックを承認するメカニズムにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)が使用されており、メカニズム上大量の電力を使用することから環境への配慮が必要という意見のことです。イーサリアム2.0では上記の①の課題に対してはシャーディングの導入、②の課題に対してはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)の導入により課題解決をそれぞれ図っています。シャーディングに関しては2024年3月のDencunアップグレードにてプロトダンクシャーディングが実装されました。シャーディングの最終目標はダンクシャーディングであり今後も開発が継続されます。
イーサリアムネットワークの開発状況やロードマップはイーサリアム財団のHPから確認することができます。今後アップグレードが行われる際にはイーサリアムネットワークが目指している方向性をぜひ確認してみてください。
※「イーサリアム2.0」という用語は現在廃止されており、「合意レイヤー」に改称されております。本稿では便宜上イーサリアム2.0の用語を使用しております。
参照:.ethereumfoundationblog 「リブランディング: Eth2の名称廃止」
https://blog.ethereum.org/ja/2022/01/24/the-great-eth2-renaming
(SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
-----
お客様は、本レポートに表示されている情報をお客様自身のためにのみご利用するものとし、第三者への提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。 また、これらの情報によって生じたいかなる損害についても、当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。本レポートに表示されている事項は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。投資にあたっての最終判断はお客様ご自身でお願いします。
-----
マーケット情報・チャート
暗号資産を利用する際の主な注意点
暗号資産は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産を返還することができない可能性があります。
暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。
当社の取り扱う暗号資産のお取引にあたっては、その他にも注意を要する点があります。お取引を始めるに際してはサービスごとの「サービス総合約款 」「暗号資産取引説明書(契約締結前交付書面)」等をよくお読みのうえ、取引内容や仕組み、リスク等を十分にご理解いただきご自身の判断にてお取引くださるようお願いいたします。
秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失う可能性があります。
PDF書面のご確認には、当社が推奨いたしますブラウザソフト、ならびにPDFファイル閲覧ソフトが必要となります。
手数料について
口座管理費、年会費、日本円の入金手数料、暗号資産の受取・送付(入出庫)手数料はかかりません。そのほか、取引所取引(板取引)での手数料及び、レバレッジ取引において、ファンディングレートが発生しますが、お客様から徴収する場合と付与する場合があります。詳しくは「手数料」をご確認ください。
商号等 | : | SBI VCトレード株式会社(暗号資産交換業者) |
登録番号 | : | 関東財務局長 第 00011 号 |
加入協会 | : | 一般社団法人 日本暗号資産等取引業協会 |
上記に加え、暗号資産関連店頭デリバティブ取引を行う場合の主な注意点
暗号資産関連店頭デリバティブ取引に関して顧客が支払うべき手数料 、報酬その他の対価の種類ごとの金額若しくはその上限額又はこれらの計算方法の概要及び当該金額の合計額若しくはその上限額又はこれらの計算方法の概要は、「ファンディングレート」に定める通りです。
暗号資産関連店頭デリバティブ取引を行うためには、あらかじめ日本円又は暗号資産(当社にて取扱いのある暗号資産に限ります。)で証拠金を預託頂く必要があります。預託する額又はその計算方法は、「証拠金について」をご確認ください。
暗号資産関連店頭デリバティブ取引は、少額の資金で証拠金を上回る取引を行うことができる一方、急激な暗号資産の価格変動等により短期間のうちに証拠金の大部分又はそのすべてを失うことや、取引額が証拠金の額を上回るため、証拠金等の額を上回る損失が発生する場合があります。 当該取引の額の当該証拠金等の額に対する比率は、個人のお客様の場合で最大2倍、法人のお客様の場合は、一般社団法人 日本暗号資産等取引業協会が別に定める倍率(法人レバレッジ倍率)です。
暗号資産関連店頭デリバティブ取引は、元本を保証するものではなく、暗号資産の価格変動により損失が生じる場合があります。
当社の提示するお客様による買付価格とお客様による売付価格には差額(スプレッド)があります。スプレッドは暗号資産の価格の急変時や流動性の低下時に拡大することがあり、お客様の意図した取引が行えない可能性があります。
「暗号資産取引説明書(契約締結前交付書面)」等をよくお読みのうえ、リスク、仕組み、特徴について十分に理解いただき、ご納得されたうえでご自身の判断にて取引を行って頂きますようお願いいたします。
商号等 | : | SBI VCトレード株式会社(金融商品取引業者) |
登録番号 | : | 関東財務局長(金商) 第 3247 号 |
加入協会 | : | 一般社団法人 日本暗号資産等取引業協会 |
免責事項
当社ウェブページ遷移前に表示された情報は、当社が作成・管理しているものではありません。