2022/12/28
暗号資産市場も休暇模様
先週のハイライト先週の動き
年末年始を控え、一部の銘柄を除き市場全体は静かな動きとなっていた。BTCとETHは週明けと週末で水準は大きく変わっておらず、BTCは16,750~16,830ドルのレンジ、ETHは1,187~1,215ドルのレンジで推移した。週中にBTCで一時的な300ドル、400ドル程度の下落が見られたものの、すぐに元の水準に戻されている。
主要通貨以外では、バイナンスに対する懸念から弱い動きとなっていたBNBが週後半には堅調となり最終的に前週比変わらずで終了した。前週は懸念によってボラティリティが上昇した中でも220ドルの底値はキープしており、最終的に237ドルまで買い戻された。SOLは前週に続いて弱い動きとなり、12.50ドルから11.41ドル近辺まで約8%下落した。
フローデータを見ると、全般的には売り買い拮抗していたが、欧州・中東圏は強い売り越しとなっていた。また顧客別でみると、HFT・マーケットメイカーは売り越しとなった一方で海外取引所は買い越しとなり、その他の顧客層は売り買い拮抗となっている。コイン別では、SOL、XRP、BNBが売り越しとなっており、DOGEは全体で唯一買い越しとなっている。
暗号資産先物市場の対ドルベーシスは材料に乏しいなか値動きは限定的となった。BTCの1ヶ月物から3ヶ月物の対ドルベーシスは-1%前後で安定しており、BTCの1ヶ月物から3ヶ月物は-1.5%程度となっている。
暗号資産オプション市場では中長期のボラティリティは底堅く推移したが、スポットが一時下落したものの、その後元の水準まで戻したことで、期近物のボラティリティは下落。BTCの1週間物のボラティリティは45%から35%まで下落。ETHの1週間物は62%から52%に大きく下落している。また、リスクリバーサルもBTCの1週間物は13%下がって5%の下高、ETHの1週間物は5%下がって10%の下高となっている。一方、3ヶ月物はBTC、ETHのどちらも17%の下高で安定している。全体としてオプション市場の動向を踏まえると、年末は静かに終わると予想しているように見えている。
今週の展望
新たな市場不安を引き起こすニュースは特に出ておらず、経済指標の発表もないことから、年末年始にかけて暗号資産市場は静かな動きとなることが想定されるが、年後半に出てきた市場の不透明感は来年にも持ち越されるであろう。短期トレーダーは引き続きバイナンスやその他主要関連企業に関するニュースに注目しており、長期トレーダーはインフレ動向や地政学的リスクに注目している。
(提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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