2025/10/06
暗号資産週間レポート(2025.9.28~2025.10.04)
ビットコイン円建てで史上最高値更新──米政府閉鎖が“デジタルゴールド”に追い風
【9/28~10/04週のサマリー】
・ビットコインが円建てで史上最高値を更新
・米連邦機関が停止し、数十億ドル規模のGDP損失リスクが指摘
・ Fear & Greed Index、64へ上昇し“欲望”ゾーン入り
【暗号資産市場概況】
9/28~10/4週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+10.03%の18,022,800円、ETH/JPYの週足終値は同+10.12%の661,450円であった(※終値は10/4の当社現物EOD[10/5 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は、BTC半減期サイクルにおける最高値トレンド期待を背景に上昇基調が続いた。実際、過去のサイクルにおける10月は13年中10年がプラス圏で終わっており、平均上昇率は約14%に達している。季節的にも強気相場が意識されやすい月として注目されている。
マクロ環境では、10月1日に短期的に複数の米連邦機関が停止し、数十億ドル規模のGDP損失リスクが指摘された。この政治的不確実性のなかで、BTCは再び一時的な「安全資産」としての役割を意識され、ドルへの信認低下懸念も重なって需要が強まったと考えられる。一方、S&Pや原油は高いボラティリティを見せており、短期的な資金防衛手段が限られる状況である。こうした中で、暗号資産は代替資産としての魅力が高まり、需要と買い圧力の継続が期待される。
オンチェーン面では、長期保有者の売り圧力が和らぎ、ETFの資金流入も戻りつつあるなか、需要の安定化が進んだ。週末にかけては歴史的なサイクル上昇率への期待感から買いが強まり、一時は12万4,000ドル手前まで上昇、そののちに安定を取り戻した。結果的に直近までのレンジ相場から一転し、一週間で2万ドルを超える大幅な値動きとなった。暗号資産市場におけるFear & Greed Indexは9月29日の37から10月2日には64へ上昇し、中立域を抜けて「欲望」がより強く反映されている。市場への信頼回復が、暗号資産の短期的な魅力を裏付けている。指数が欲望ゾーンにあることから、このセンチメントは少なくともマクロ経済的な不確実性が解決するまでは続くかもしれない。
米国BTC現物ETFは9月29日以降、 5日間にわたり継続的に純流入を示しており、10月3日に本週のピークとなる9.85億ドルの純流入が記録された。ETHの現物ETFも同様に9月29日から純流入が確認されており、同日の純流入額は5.46億ドルと直近で最も高い水準となった。市場全体の回復基調とともに、現物ETFを通じた資金フローが観測されている。現在、投資家の間では米国における追加利下げへの期待が高まっており、それが現物ETFに対する新たな需要につながる可能性がある。
オプション市場では、10月1日にBTCは過去最大規模のオプション満期を消化し、未決済建玉は大幅に減少した。その後、短期満期のボラティリティは低下した一方、長期満期のボラティリティはやや上昇気味となり、投資家は足元よりも将来の不確実性が高いと考えていると思われる。短期ボラティリティは下落したものの、実現ボラティリティより高いため、政府閉鎖の影響を踏まえ実際の価格変動以上に投資家が警戒していることがわかる。
今週の暗号資産市場は、米FOMC議事要旨の公開やパウエルFRB議長の発言などが控えている。マクロ環境の不透明感が続くなか、ビットコインなどの暗号資産は外部イベントに敏感に反応しやすいため注意が必要となる。また、4日に自民党新総裁が選出された背景からも円の動きに対しても短期的に注視することが望ましいだろう。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【9/28~10/4週の主な出来事】

【10/5~10/11週の主な予定】

【今週のひとこと】米国政府閉鎖とデジタルゴールドとしての存在感
2025年10月3日、ビットコインは同年8月以来となる12万ドルを再び突破し、翌4日には円建てで史上最高値を更新しました。背景には米国政府の閉鎖があり、政治的不安から「デジタルゴールド」とも呼ばれるビットコインに資金が流入したことが要因とみられます。
今回の米国政府閉鎖は、議会が予算やつなぎ予算を承認できず、不要不急の政府業務が停止する事態を指します。9月30日、下院では共和党支持のつなぎ予算案が可決されたものの、上院では60票に届かず55対45で否決されました。争点はオバマケア補助金の延長や低所得者向け医療制度(メディケイド)の削減であり、妥協案が成立するまで政府機能の一部は停止されます。
もっとも、航空管制や郵便配達といった主要業務は継続されるため、経済活動への影響は限定的です。実際、S&P500は閉鎖開始の10月1日以降もむしろ上昇しており、株式市場への影響は現時点では見られません。
ただし影響が皆無ではなく、10月3日に予定されていた米雇用統計をはじめ経済指標の発表が停止され、FRBが利下げ時期などの判断を下しにくくなるという懸念が広がりました。その不安が、安全資産への資金シフトを促したと考えられます。
通常、安全資産といえば金(ゴールド)を思い浮かべる人も多いでしょう。金も閉鎖後に上昇しましたが、その伸びは小幅にとどまっています。すでに年初来で50%近く値上がりしており割高感があることから、資金の一部が金ではなく、同じく安全資産かつ無国籍資産であるビットコインへ流れたことが、今回の上昇を後押ししたとみられます。
「デジタルゴールド」として存在感を高めたビットコインは、円建てに続き、翌5日には注目のドル建てでの最高値(12万4,500ドル)もすでに突破しました。この水準を乗り越えたことで、今後はさらなる上値を探る展開が焦点となるでしょう。米国政府閉鎖という政治リスクが解消されない限り、安全資産としてのビットコインへの期待は継続しそうです。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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