2022/09/06
ETHマージ、CPI、FOMCを控えたレンジの動き
先週のハイライト先週の動き
暗号資産スポット市場は、これまでと同様に静かな動きとなり、BTCは19,500-20,500ドルのレンジ、ETHは一時的に1,475ドル近辺までの下落や、1,650ドルまでの上昇があったものの、大半は1,525-1,625ドルのレンジでの推移となった。そんな中、ADA、MATIC、LTCは先週比10%近い上昇となった。
フローデータを見ると、ETHが売り買い拮抗した中で、再び売買高でトップとなっており、BTCは買い越しとなった。他のコインをみるとADA、EOS、MATICが大きく買い越しとなっており、LTCは大きく売り越しとなった。顧客別でみると、個人投資家、ファンド、銀行系などが買い手となっており、地域別でみるとアジア圏と米国圏が買い手となった。
暗号資産先物市場では、BTCの対ドルベーシスは1ヶ月物、3ヶ月物のいずれも大きな動きは見られなかったが、ETHの9月物の先物は、スポット対比23ドル程度のディスカウントで取引されており、先週よりも2~3ドル程度下落している。先物市場の出来高は、ETHがBTCよりも10%程度高い状態が続いている。
暗号資産オプション市場では、ATMのボラティリティはBTC、ETH共に、ほとんど変化せず、9月物のボラティリティはBTCで65%、ETHで100%となっている。一方、BTCでは、下サイドのスキューが徐々に大きくなっており、9月物のリスクリバーサルが8%の下高から、11%の下高となった。一方、ETHのリスクリバーサルの9月物は10%の下高で動きが見られなかった。オプションに関しても、ETHの出来高はBTCよりも10%程度上回ったものの、大型アップデート「マージ」での価格変動に焦点を当てた取引はあまり活発ではなかったため、既にポジションは構築済みで様子見モードに入っている可能性がある。
今後の展望
マクロ・トレーダーは、米国のISM非製造業景況指数やサービス業PMI、およびECB理事会での政策金利の動向に注目している。また翌週には米CPI、その翌週には米FOMCが控えている。また暗号資産関連では、ETHの大型アップグレード「マージ」が控えている。BTCはそれ自体の材料が乏しいことから、経済指標の結果次第で動くとみられるが、それ以外で頭に入れておきたいのはETH/BTCクロスの動向で、直近のレンジは0.077~0.081となっている。
(提供:SBIリクイディティ・マーケット。本レポートはグローバルで大きな取引シェアを持つ暗号資産マーケットメイカーのB2C2社のデータを元に、SBIリクイディティ・マーケットが作成しています。)
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