2025/05/12
暗号資産週間レポート(2025.5.4~2025.5.10)
米国政策が好感材料!BTCは堅調、ETHはペクトラ完了で存在感強まる
【5/4~5/10週のサマリー】・BTC、2月7日以来となる100,000ドルを突破
・米国の関税政策を巡る国際協調は進展の兆しを見せる
・米ニューハンプシャー州で「ビットコイン準備金法案」(SBR法案)が成立
・ETH、「Pectra(ペクトラ)」アップグレードを完了、週間で30%超の上昇
【暗号資産市場概況】
5/4~5/10週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+7.99%の15,086,850円、ETH/JPYの週足終値は同+37.9%の368,430円であった(※終値は5/10の当社現物EOD[5/11 6:59:59]レートMid値)。
先週の暗号資産市場は米国の関税政策を巡る国際協調の進展や、米国州政府の暗号資産への法整備の進捗を背景に2月7日以来となる100,000ドルを回復し、堅調に推移した。
週初、米ニューハンプシャー州でビットコイン準備金法案(SBR法案)に州知事が署名したことが伝わり、マーケットのセンチメントを押し上げた。これまでにアリゾナ州やミズーリ州でも暗号資産に好意的な法案が可決・成立しており、州単位での法整備が進行している。とりわけ、全米第2位の経済規模を有するテキサス州での法案審議の行方は、市場に対してのインパクトが大きいと見られ今後の展開が注視される。
米国の関税政策に関しては、5月7日にスイスにて米中高官による初の通商協議が行われるとの報道を受け、地政学的リスクへの過度な警戒感が緩和。翌8日には、米英間の新たな貿易協定が合意に至ったと両国首脳が発表し、米国が相互関税の上乗せ分を撤廃、英国は対米関税の引き下げに応じる方針が示された。こうした一連の報道を背景に、リスクアセットへの資金流入が強まり、BTCは一時104,000ドル台まで上昇。ただし、5月11日執筆時点では米中通商協議は合意に至っておらず、先行きには引き続き注意が必要である。
FOMCでは政策金利の据え置きが決定され、これで3会合連続の現状維持となった。声明文では、労働市場の減速とインフレ圧力の継続という両面のリスクが同時に示され、FRBの慎重なスタンスが強調された。パウエル議長はハト派的な方向転換を否定しつつも、全体としては政策判断を急がない「様子見」姿勢を改めて強調する内容となった。新規材料に乏しかったこともあり、市場への影響は限定的なものとなった。
アルトコイン市場では、イーサ(ETH)が注目を集めた。史上最大規模となる「Pectra(ペクトラ)」アップグレードを無事完了したことを受け、単日で20%超、週間でも30%を超える上昇を記録。主要銘柄の中で出遅れ感が指摘されていたこともあり、ペクトラアップグレードを契機とした評価の見直しが進んだ。現時点の価格は2,500ドル前後で推移しており、BTCに対する相対的な割安感が引き続き意識されている。
今週は、米国の通商政策に関する動向に注目が集まる中、BTCの高値圏での持ち合いの行方が焦点となる。地政学的リスクや政策の不確実性を背景とするボラティリティ上昇の可能性も視野に、引き続きポジション管理には慎重な対応が求められる。
[BTC/USD週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[BTC/JPY週間チャート(30分足)]

(TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[ビットコイン現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、ビットコイン価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がビットコイン価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
[イーサリアム現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計、イーサリアム価格]

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 青線がイーサリアム価格)
(SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成)
【5/4~5/10週の主な出来事】

【5/11~5/17週の主な予定】

【今週のひとこと】米国証券のトークン化
5月7日(日本時間8日)、米国のフィンテック証券会社であるRobinhood社は欧州の個人投資家向けに米国証券を取引できるブロックチェーンネットワークを開発しているとBloombergにて報じられました。報道によると、この取り組みは株式などのトークン化された証券の取引を提供すること、同社の現地でのプレゼンスを拡大することを目指しているとのことです。
ではなぜ米国証券をトークン化して提供しようとしているのでしょうか。その背景には次のような理由が考えられます。
トークン化することで、グローバルアクセスの拡大(暗号資産ウォレットを持っていれば簡単にアクセス可能)、流動性の向上(24時間365日取引可能、少額資金での分割購入が可能になり新たな投資家層の取り込みも)、透明性の強化(ブロックチェーンで取引履歴を追跡できるため、不正防止や監査が容易に)、インフラの排除によるコスト削減(ブロックチェーン上で株式トークンを発行・取引することで従来より手数料を削減)など、いくつかのメリットが得られます。
実際、このようなRWA(Real World Asset:現実世界に存在する不動産や株式、債券などをブロックチェーン上でトークン化し、暗号資産市場で取引可能にする取り組み)の市場は著しく成長しており、過去一年で2倍以上に拡大し200億ドルを超える規模となっています。今は米国債やプライベートエクイティが主流ですが、過去にはデジタル資産取引プラットフォームのINXとRWAのトークン化を手がけるBacked社の提携により、NVIDIAをはじめTeslaやGoogle、Microsoftなどがトークン化しており、株式のトークン化にも流れが来たと言えるのではないでしょうか。
世界中の金融機関が取引インフラの効率化・コスト削減、透明性の向上を模索する中で、従来の金融資産をデジタルで表現したトークン化された証券が注目を集めています。その中で今回のRobinhood社の取り組みは、従来の金融資産と暗号資産市場の融合を進める重要な試金石となりそうです。
(SBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成)
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